第7講 一本糊付け・サイジング
こんにちは。遠州産地の学校事務局です。
遠州産地の学校第7講は、生地を織る際に欠かせない一本糊付け・サイジングに特化した株式会社和田糊付工場にて学びました。
レポートを担当したのは、繊維産業についての知識を深めるために産地の学校に参加した小栗さん。遠州・浜松で小巾・広巾織物の製造販売に携わる期待の若手です!
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第2期遠州産地の学校第7講。
㈱和田糊付工場にて一本糊付け(いっぽんのりづけ)とサイジング、整経の工場見学をさせて頂きました。
糊付けとは、経糸(たていと)に糊を付けることです。
この工程には毛羽や糸切れを抑える役割があり、織物の織りやすさに多大な影響を与えます。糊付けを行わないと織物を織ることさえままならない程です。
また、整経とは糊付のまえに、生地を織るために必要な本数の経糸を、均一な長さ・密度・幅となるように巻き取る工程です。
今回は、織物において重要な役割である糊付けを行う㈱和田糊付工場にて、専務取締役の和田寛人さんにご説明を頂きました。
和田糊付㈱は二つの工場を持っています。
「一本糊付け」を行う助信工場と、「サイジング」を行う有玉工場です。
「一本糊付け」とは糸一本一本に糊を付ける糊付けの仕方です。糸を円筒形に巻いたチーズを糊付け機械にセットし、糸を巻き上げて糊付、乾燥を行い、ボビンに巻き直します。
その特徴は、糸一本一本に糊付けを行うという性質上、糸全体にムラなく糊付けをすることがです。そしてチーズ一本に対して機械を一台使用するので、小ロットでの糊付けに対応することができます。
「サイジング」とは整経された経糸が巻かれたビーム(大きなボビンのようなもの)の状態で機械にセットし、糸を巻き上げて糊付け、乾燥を行い、別のビームに巻き直します。
その特徴は、ビームに整経された数千本の糸を一度に糊付けを行うという性質上、効率良く短時間で糊付けを行えることです。そのため大ロットでの糊付けに対応することができます。
和田糊付㈱では、綿や麻を中心にウールなども手掛けます。
「一本糊付け」と「サイジング」の両方に対応することができることや産地ごとに得意な素材や糊付が異なるので、その卓越した糊付け技術を求めて、遠州産地のみならず他産地からの注文も数多く入ってくるそうです。
遠州産地の我々にとってはこれ程心強い存在はありません。
遠州産地を支えて下さっている和田糊付㈱の益々のご発展をお祈り申し上げます。
遠州産地の学校 小栗