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無意識にできるように(その2)
先日、卓球の水谷選手の言葉に触発されて、こんな記事を書きました。
そして、今日ツイッターを見て、触発される投稿を見つけました。
量が質をカバーする。たくさんやるのは意識的にやってるうちは身についてない、無意識でうまくできるようになって初めて「できる」状態と感じたから。TOEICは模試100セット20,000問、英検1級はスピーチ100本作り暗唱した。量に徹すると没頭し余計な思考も吹っ飛ぶ。迷った時は量こなす。今も鉄則の一つ
— Aki (@mikorino) September 29, 2021
ここで思い出したのが、どうしたら「無意識にできるようになるのか?」ということ。労働安全教育の通訳の仕事をしていたときに、こういうことを聞きました。
「”無意識にできていない”というのが一番よくない。まずは、”できていない”ということを自覚すること(=意識すること)」
つまり、何かに熟達するには、次のような段階を経る必要があるというのです。
1. 無意識にできない
2.意識してできない
3. 意識してできる
4. 無意識にできる
どういうことかというと…。
最初の段階は、「できないことがある、でもそれがなぜだか、何が原因なのか分からない」。なんとなく、できないな、苦手だな、という段階ですね。
2の段階になって初めて、「自分はこういうところがこういうふうにできないんだ」と自覚して、自覚しつつも改善前の段階。
3の段階は、「何をすべきか」を意識しつつ、すべきことをしっかり実行できる段階。
そして、最後が何も意識せずにやるべきこと、正しいことが実行できる。そういう自由自在の段階です。
その時の研修では、労働安全という観点からは3までに留める、すなわち、マニュアルや標準作業書でやるべきことを明確化した上で、それをしっかり実行するようにすることを目指す、と言われていました。確かに、多くの人の共同作業であり、芸術的な巧みや爆発的なパフォーマンスではなく確実な実行が求められる場では、3までをきっちりと実行することが大変大事だと思います。
まずそのためには、現状認識がとても大事。
語学学習においても、「なんとなく苦手だ」というのではなくて、「関係代名詞がよく分かっていない」「複文になると文のつながりが分からなくなってしまう」「and, but, itなどの短い音の言葉が聞き取れない」など、細かく具体的に課題を抽出するのがまず重要です。現状認識なくしては、対策が立てられません。
そして、最後の「自由自在」の境地に至るまでには長い道のりがありますが、「意識してできる」ための鍛錬を十分に積むことによって、「自由自在」に近づけるのではないかと思っています。
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