1分で読むオペラストーリー「ばらの騎士」

 元帥夫人のマリー・テレーズは、若い愛人オクタヴィアン伯爵と情熱的な夜をすごす。
 翌朝、元帥閣下の帰宅かとあわてたオクタヴィアンは、小間使いに変装する。
 ところが、屋敷に来たのは夫ではなく親戚のオックス男爵だった。
 男爵は、婚約者ゾフィーに銀のバラを届ける「ばらの騎士」を紹介してもらいに来たのだった。
 とっさにマリー・テレーズは、自分の愛人オクタヴィアンを紹介する。
 オックス男爵は、オクタヴィアンの肖像画と、目の前にいる小間使いマリアンデル(変装したオクアヴィアン)がそっくりなのを驚きながら帰っていく。

 結納の日、オックス男爵は下品な振る舞いをつづけ、困ったゾフィーは、バラの騎士であるオクタヴィアンに救いを求める。いつしか、二人の間に淡い恋心が芽生える。
 そこへ、オックス男爵あてに、マリアンデルから誘いの手紙がくる。

 オックス男爵は、ゾフィーという婚約者がある身でありながら、いそいそとマリアンデルに会いに出かける。
 マリアンデルに扮したオクタヴィアンは、初心な田舎娘を装って、なかなかオックス男爵の誘いにのらない。
 そうこうするうちに、ゾフィー親子がやってきて、事態の説明をもとめる。
 オクタヴィアンは、元の男性の姿にもどり、オックス男爵の悪行を暴露、オックス男爵とゾフィーの婚約は破棄される。

 元帥夫人マリー・テレーズは、事態を見守り「物事には終わりがあるもの」と身を引く決心をする。
 オクタヴィアンとゾフィーは、晴れて結ばれる。

■データバンク

   原題:DER ROSENKAVALIER
   作曲者:R.シュトラウス
   作曲年:1909~1910年
   台本:ホフマン・スタール
   初演:1911年1月 ドレスデン 宮廷劇場

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