キース・ヘリング展 レポ
今年観に行った美術展のレポをぽつぽつとまとめていきたいと思います。
まずは、森アーツセンターで開催されていたキース・ヘリング展。
キース・ヘリングは80年代のニューヨークを拠点に活動していたストリートアーティスト。ポップでユニークな人(動物)型のイラストが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか?
ファッションブランドとのコラボ、CD・レコードのジャケ写など、彼の作品は日常ではよく見かける存在で、とても馴染みがありますよね。
私はそんな親しみを感じつつも、ストリートカルチャーと親和性の高いオシャレなアーティスト、というふわっとしたイメージを抱いていたくらいで、そのバックグラウンドについては今回の展示をきっかけに知ることばかりでした。
ニューヨークの地下鉄というアンダーグラウンドな空間を選び、サブウェイドローイングを始めたのには「より大勢の人の目に触れるように」という意図、それだけ伝えたい強いメッセージがあったからでした。
それは、私の予想を遥かに超えたメッセージ性、ポップな作風の中に秘められた強い思い。
核放棄、反アパルトヘイト、エイズ予防や、性的マイノリティの社会的地位、等々
「えっ!こんなにシリアスな題材だったの!?」が正直な感想でした…
今回の展示は、彼が最も伝えたかったメッセージと、それを伝えたかった人達、そしてその手段としてのアート、という側面から楽しむことができたように感じます。
富裕層のためではない、人種や性別や階級も関係ないアート。
時にはポスター、時には音楽やカルチャー、そして当時はまだ反感の強かったポップアップストアでの販売。
あらゆる手段で日常にアートを取り入れようとした彼の行動力は、芸術家の範疇さえ超えていたのかもしれません。
アートそのものが目的ではなく、アートはメッセージを乗せた媒体としての役割を担いました。
時代を超えてなお人々の心に生き続けていることは、彼の短い生涯の中で築き上げた大きな痕跡の一つであると感じます。
言葉を言葉のまま発信するだけでは限界があるとき、絵や音楽やあらゆるアートは、何よりもそれを伝えるのに相応しいのかもしれません。
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