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【教育】在外教育施設派遣について

昨日、「令和7年度以降在外教育施設派遣希望者研修会(第33回近畿ブロック国際理解教育研究会大阪大会)」に参加してきた。

 在外教育施設派遣には、強い意志が必要であることを再認識した。「どこの国でも大丈夫ですか」という面接時の念押しには、かなりの覚悟がいるということがわかった。
昨日は在外教育施設にいる人たちのパネルディスカッションがあり、その中にはカラチ(パキスタン)に派遣されている先生がいた。普段は「パキスタンに旅行しよう」ということがないため、そこに住むということが貴重な経験であると話されていたが、生活は日本に住むものとしては壮絶であった。何より銃社会であるという点だ。車で移動する時には運転手がおり、助手席には銃を持った護衛がいるという。学校でも「バスジャックがあった際の対応」「学校がテロで乗っ取られた時の対応」を模した訓練があるという。学校の周りのも銃を構えた要人がおり、日本では考えられない。
 一方、台湾に派遣されている先生は「カラチの話を聞いた後に『台湾は平和だな』と思いながら話すことが恐縮である」という感じで話していた。台湾は親日国であり、日本から来たというだけで重宝されるという。インドネシアにおいても「日本人?」という感じで親近感を持って接してくれるという。初めは詐欺かと思ったくらいと、派遣された教員は語っていた。

 個人的にはシドニー(オーストラリア)に派遣された教員の話が非常に興味を引いた。邦人が通う学校に現地の生徒も通うことができ、日本とオーストラリアのカリキュラムが混合する珍しい学校の話であったからだ。文部科学省から派遣された日本人教員と、現地のネイティブ教員が一緒に会議をするという。大切な時には通訳を雇うらしいが、基本的には現地にいる日本語が堪能な教員による通訳を通して、会議が進行するらしい。個人的には、世界的に珍しいカリキュラムを持つシドニーの日本人学校に興味を持った。

 最近の傾向として、在外教育施設への派遣条件は、緩和の一途を辿っているという。それはそうか。なぜなら、ただでさ教育現場は人手不足で逼迫しているのに、日本人学校がその煽りを受けないわけはない。緩和しなければ、人数は確保できないそうだ。しかしながら、「在外教育施設派遣の試験に9回落ちました」という人もいた。誰でも派遣されるというわけではないらし。在外教育施設への派遣には一人1000万円程度の費用が必要だという。健康面や生活面において、確実に頑張ることができると言えなければ、いくら緩和しているとはいえ派遣許可は出せない。大規模校で職員がたくさんいたとしても、途中で離脱されるとかなりの皺寄せを被るという。小規模校であれば、尚更厳しいらしい。生半可な気持ちで受けることはできないということ、肝に銘じた。

 もしも在外教育施設派遣への思いが絶たれなければ、1月には管理職に報告しなければならない。もう少し、考えてみる必要がある。ただ、海外への思いは高まりを見せた。いつか行けるといいな。