【読書記録】あしながおじさん(著:ジーン・ウェブスター
【この本の情報】
あしながおじさん(Daddy-Long-Legs)
著:ジーン・ウェブスター
訳:今井麻緒子
出版:ピアソン・ジャパン株式会社
「あしながおじさん」は沢山翻訳され、出版されているが、
私が読んだのは、舞台「ダディ・ロング・レッグズ」で演出しているジョン・ケアードの奥様である今井麻緒子さんが翻訳をしたバージョン。
昨年、推しである上白石萌音さんが演じることになってこの本を読むことにした。
原作があるミュージカルでの本読み
私が演目の本を読む際に教訓にしている事がある。
高校生位だったかな・・・
「レ・ミゼラブル」を観る機会が出来た為、
夏休みだっただろうか…翻訳の原作本を買い読み始めた・・・
だがしかし、最初の1冊目(合計5冊ある)の序盤も序盤で公演日を迎えてしまい、
私が読んだ部分は冒頭の5分程度で終わってしまったのだ。
観劇後、すごく良い作品だった為、
時間をかけつつも最後まで読み切った。
その最初の5分で終わってしまった経験と、
凄い良い作品だったのに読めなかった後悔で
「読むなら最後まで読む」
という自分の中のお約束が出来た。
観劇前のこの本との向き合い方
読み始めてみて・・・
正直、こんな作品だったかな?と思うほど忘れていて・・・
いや、タイトルだけ知っていて知ったかぶりだったかも。
私が小さい頃にやっていた「世界名作劇場」の「小公女セーラ」と
内容が似ているような、そんな感想で。
正直、途中つまらなくて読むスピードはガクンと遅くなり
「これ、読むのに必死になってる」
と、苦痛に感じる位になっていた。
終わった際も「やっと[なんとか]読み終えた」
という状態だった。
一方的なお手紙で返信が無い、
もっと面白い出来事はないのか…
なんか単調…
ジルーシャが淡々と書くとこっちまでつまらないし、
「これが二人芝居でどうなるのか、さっぱり見当つかん。」
とさえ思っていた。
読んだ当時を振り返ると
(読み終わったのは昨年の8月)
自分に想像力すら欠如していたと思う。
活字を追い、読了する事だけに必死になって
淡々と読み過ぎていた。
こんな状態だったから、実際の観劇中は
内容を殆ど覚えておらず、物語自体があらすじだけ
知っている初見状態だった。
ちゃんと読んでいたら「このシーンあったな!」とか思えただろうに、全くなかった・・・(反省)
それが観劇後、この本に対する気持ちが劇的に変化する。
観劇後のこの本との向き合い方
こんなに変化したのは、レ・ミゼ以上かも知れない。
舞台「ダディ・ロング・レッグズ」は自分の中で
かなり余韻に浸った作品で、
配信も観たし、
あの歌が、お芝居が大好きになった。
円盤化されてないが円盤化されたら買う。
折に触れ、観たい作品になった。
感化され「ねぇ、ダディ」と頭の中で
ダディへ手紙を書くように報告する位だった。
(今でも時々ある)
そしてこの感想などで思い出す行為をすると心が嬉しくなる。
そしてそれは観劇後のこの本の向かい方すら変えた。
本を開き、活字を追うと世界が違う感じ。
「あ、あのシーンの手紙だ」とか、
演目で出てきたシーンを読むのが楽しい。
出てこない所もこんな感じだったんだろうか…なんて。
つまらない、と思っていた自分を反省したし、
ポカポカと頭を叩きたくなるほどだ。
もう、あの時の「つまらない」という気持ちには戻れない。
戻りたくもない。
活字を追うと、あの劇場で観たジルーシャとダディが動き出し、
ダディが微笑んでいるような顔さえ浮かぶようだ。
今回、この本の読書記録を書いてない、と思い、
noteへの復帰戦のような形で書いているけれど、
この記録を書く為にパラパラと本をめくり、
観た事を思い出していると、心がホカホカ温かい。
この本を読んだ事がない方に向けて、となると
初回の私の状態があまり良くないので
つまらなそう・・・
なんて思うかも知れないけれど、
絵本や子供向けとしても書かれている本で
色んなパターンで入る事が出来るので
一読はしてみるといいと思う。
もし、ジョン・ケアード演出版を観劇される予定が
今度できたのなら、少し心に余裕をもってこの本を読み、
ジルーシャの手紙(文章)をある程度把握しておくと
初回、更に楽しめると思います。
そして観劇後、再びこの本を開いてみると
結構楽しめると思います。
ふふ、またこの記録を保存したら
ペラペラとめくって読んじゃいそう。