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離婚会議のススメ

「じつは離婚したいと思ってるんだよね。」

円満な家庭を築いていたはずだったのに、ある日パートナーから、突然そんなふうに離婚を切り出されたら、あなたはどう思いますか?
きっと最初はだれもが冗談だと思うのではないでしょうか。
たとえ冗談とは思わなくても、本気だとも思わないですよね。きっと。

私が6年ほど前に夫に離婚を切り出したときも、最初は真面目に向き合ってもらえませんでした。わが家は以前から夫婦仲がよく、これといった「不満」はありません。むしろ夫にはとても感謝しています。

歩み寄れない価値観の違いがあることを認識した

好奇心が旺盛で奔放な私を穏やかに見守り支えられるのは、忍耐力と包容力を存分に兼ね備えている夫のほかにいないと思います。

周囲からは「神」と称されるほど、家事も育児もきちんとこなしてくれます。(むしろ、ここ4年ほど私が家事のほとんどを放棄しているので、夫は仕事に家事に育児にと大忙し。神様以上かもしれません)

そんな夫と唯一「価値観が合わないなぁ」と思うのは、子育てのことです。

以前、私の子育て観については触れましたが、

私の価値観がきっと独特なので、夫とは考え方が大きく異なります。

長年に渡って大切にしてきた子育て観を、ある時、一瞬にしてなかったことにされた(気分になる)ことは、もしかするとどの家庭にも起こり得るし、とても些細な出来事かもしれないけど、私には大事件だったのです。

……正確には「大事件なはずなのに、ずっと気づかないフリをしていた」のだと思います。

ずっと一緒にいるのが当たり前だという思い込み

結婚とは、生涯に渡って同じパートナーと支え合って生活すべき制度であることは、法律で定められています。
もはや、そのこと自体とても不思議なのに、私がもっと不思議だと思うのは「相応の理由がない限り離婚してはいけない」ということ。
(なので、わが家の場合は「性格の不一致」みたいな理由になるのかな……?)

そんなわが家、今年でちょうど結婚20周年になります。(夫の忍耐の賜物)
でも冷静に考えて「この人と一生一緒にいたい!」と思って結婚してからその気持ちがずーーーっと続くなんて、奇跡じゃないですか?!

「気持ちや愛の形が変わっても、結婚とはお互いを支え合うための制度だからね!」と言われてしまえば、それまでの話ですが。

離婚を考えていないあなたにも「離婚会議」をおすすめしたい理由

私が離婚したいと思った一番の理由が「子育て観のちがい」であることは、じつは後づけの理由です。最初はただ、なんとなく解放されたかったんだろうと思います。

けれど、昨年の年末。

5年ほど寝かせておいた「離婚」という提案をあらためて夫に提示し、今度はちゃんと向き合うために「離婚会議」を実施することにしました。

見た目はただのランチデートですが、内容はとてもシリアス。
もともと寡黙で「話し合い=喧嘩」という、ものすごくズレた価値観をもつ夫と色々な話をする中で辿り着いた「なんとなく」の答えは、「子育て観のちがい」だったのです。

夫は夫で、これまで生きてきた中でトラウマになっていることとか、自分の性格とか、私が辿り着いた「離婚したい理由」とは全く重なり合わない話を淡々としてくれました。
まもなく20周年を迎えようとしているのに、これまで全く知り得なかった自身について伝えあい、互いを紐解き、そんな中で出た私の結論が

「あ、やっぱ子育て観については、
分かり合えないんだな」

ということでした。

ただ大きな収穫もあって。
話し合ったからこそ歩み寄れると思った部分も沢山あったし、離婚会議をしなければ絶対にこの先も知る機会はなかったであろう話もできたので、夫へのリスペクトや、「私にとっては、変わらず大切な人だ」ということは再認識できました。

ただ、それでも私は声を大にして言いたい。

だからといって、ずっとパートナーでいなきゃいけないなんて、誰が決めたの?!

※この問いの答えが「日本国憲法」であることは知らなかったことにしたい
※重要ポイント:大切な人≠ずっと一緒に暮らしたい

まとめ

そんなわけで私は、どんな夫婦にも「離婚会議」をおすすめしたいと思っています。

私の場合は離婚をしたくて、そのワケを伝えたり理解してもらいたかったので「離婚会議」という会議名ですが、これからも仲むつまじく円満に夫婦生活を営んでいきたいという方は「夫婦会議」とかでも良いと思います。

なんにせよ、
ひとつ屋根の下に暮らし、ずっと一緒にいる相手なのだから、お互いのことをもっと良く知って、いつも夫婦や家族が笑顔でいられる方法や距離感の保ち方を一緒に模索していくのって、すごく大事。

私の離婚への道のりは、まだ長そうだけど。

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