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管楽器の上達が早くなる方法を考える

テナーサックスの佐藤絵美里です。
今回は楽器の上達が早くなる方法について自分なりに考えたものを、まとめていきます。
指導歴は7年ほど。個人レッスンや学校の指導・自分の体験談ですので、万人には当てはまらないと思いますが、誰かの役に立つと嬉しいです!!

多くの管楽器奏者が悩むこと

サックスに限らず、多くの管楽器楽器奏者がある程度のところで伸び悩む時期が必ず訪れます。
それを突破すると、また数ヶ月後に壁が見えてきて…の繰り返しです。

楽器練習ってそんなもん、と思う反面、よりストレスを少なく楽器練習できないものかと考える日々です。

初心者の方が悩むこと(経験年数〜1年)

・運指を覚えられない
・音の出し方を忘れる
・音程が合っているのかわからない

初級〜中級者の方が悩むこと(経験年数1〜5年)

・音が安定しない
・音程が悪いかも?という音がたくさんある
・身体の使い方がいまいち分からない
・必要以上に力が入ってしまう

中級者〜の方が悩むこと(経験年数3年〜)

・出したい音色があるのに近づけない
・歌うように演奏したいが方法が分からない
・楽譜から離れられない・目が離せない


どうすれば今の状態から変わるのか?

ではどうすれば今の状態から一歩前進するのか。

今出ている結論は、自分の身体の状態を知る力を伸ばすこと!

今、楽器を吹いている自分の身体の状態は?
口の中の形、姿勢、顔の筋肉、全身の筋肉のどこに力が入っていて、どこが緩んでいるのか。etc.
これらを認知できるようになると、楽器の上達がグングン早くなるのでは?と思いました。

楽器の教則本やレッスン動画はかなりたくさん出されている今の世の中ですが、まず一番大事だと考えているのが

「何をするか」「どうやってするのか」 より 「自分がどうなっているのか」

そんなの分からない!と諦めると何も進みません。ほんの少しだけでも意識することから始まります。
何をするかはその次、または意識することと同時並行なのかもしれません。



日常生活でできる練習

楽器が練習できる時間は限られている方が大多数だと思います。
それだけでは解決できない問題もたくさんあると認識しています。

日常生活で練習?なんだそれ?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とそこらじゅうに練習するチャンスは潜んでいます。
認知能力を上げる練習は、いつでもできます。

例えば、歩いている時。通勤時間でも散歩でもなんでも。とにかく歩く時です。

◎自分自身の状態

・重心はどう移動している?
・目線はどこ?
・腕はどれくらい振っている?
・どこの筋肉がよく働いている?
・息はどれくらい吸っている?吐いている?
・姿勢はどんな感じに見えている?

◎外の状態

・風はどれくらいあるのか?
・なんの音が聞こえてくる?
・車や自転車・人が来る気配はある?
・歩いているテンポはどれくらい?

考えるとキリがないのですが、こんな感じです。
こんなに詳しくなくても、はじめは「足が動いてるな〜」くらいで大丈夫です。

電車に乗っている時、自転車に乗っている時、座っている時、寝転んでいる時、リラックスしている時、階段を上り下りする時etc.

いつだって、自分の身体を知る、外からの情報を認知する練習に使えると私は思っています。考えることが大事!ぜひやってみてください!

レッスンでの実例

これが楽器演奏にどう繋がるのか?

楽器を持たない状態で知る力がアップするということは、楽器を吹いている状態で自分の状態を探れるようになります。

楽器が上手い人=身体の使い方が上手な人=身体がどうなっているのかよく分かる人

今、管楽器のレッスンを受けられている楽器愛好家のみなさんは、自分を知る力を伸ばすことによって、講師の方のアドバイスがうまく理解できるようになり、それを実践することも上手になってくることが見込めます。

実例をいくつかシェアします。

・フラジオ音域の命中率アップ

オンラインレッスンにて
フラジオ音域の命中率が低いことを相談されました。

問題がある音域を数回吹いていただき、口の中の形が横に長い楕円形のような印象の音でした。舌の位置が少し上がり、軟口蓋・硬口蓋(口の天井)付近が下がると、フラジオに適していない息の角度になることが多いです。

そこで口の中の形のイメージをお伝えしたところ、フラジオ音域の命中率が改善しました。
軟口蓋・硬口蓋付近の高さを出すと上手くいきました。
それに伴い音色も太くなり、音程も良い場所で吹けるようになりました。

・サブトーンの出し方

対面レッスンにて
中音域から上の音域でのサブトーンの感覚がうまく掴めないことを相談されました。

どこまでサブトーンが出せているかを吹いていただき確認。
息の角度が普段その音域を演奏している方法とあまり変化がないことに気付きました。
息の角度はやや下気味でまっすぐ。
ここを改善するために、上の歯の裏に息を当てるイメージで、角度を大胆につけて下向きの息を出してみてとお伝えしました。
そして息の通り道は、少し平たく、喉の後ろの壁・口の上側の壁に沿って通るイメージ。
ついでにネックも上側に息を通しているイメージで。

これで中音域のサブトーンが出せるようになっていました。楽器ってめっちゃ面白い!

まとめ


楽器上達のために何が必要なのか?

・自分の身体の状態の認知力をあげよう
・「何をするか」「どうやってするのか」 より 「自分がどうなっているのか」
・日常生活で自分を知る力をつける練習してみよう


個人レッスンでは、このような内容をより深く、一人一人の奏法や普段からのクセを観察して、アドバイスができるように心がけています。
音色を改善するには、まず自分のことから知るのがわたし的近道です。

ぜひ試してみてくださいね!

それでは。

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