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23_プレゼンテーションの振り返り 【山の日本語学校物語】

これは、とある町に開校した「山の日本語学校(仮名)」の物語です。ITエンジニアの専門日本語教育、プロジェクト型のカリキュラム、地域との連携などなど、新たな言語教育の実践とその可能性について、当時の記録をもとに綴っていきます。最後までお付き合いください。

この連載を始めるに至った経緯については、「00_はじめに」をお読みください。

前回(22回)では、プレゼンテーション本番の様子を、ゲストの反応を中心にまとめました。これが、実質2ヶ月間をかけて行った1stプロジェクトのゴールでした。このプレゼンでは、日本語教育的観点、地域的観点、IT教育的観点の3方向から評価を行いました。日本語教育的な観点からこのプロジェクトを捉えると、大きな達成感はあったのですが、一方で、IT教育的観点から考えると、多くの課題が残るプレゼンとなりました。

プレゼン終了後は、約1週間をかけて、プレゼンテーションと1stプロジェクト双方の振り返りを行いました。この振り返りは、学生のための振り返りと言いながら、実は、私自身のための振り返りでもあったように思います。学生の振り返りの様子を観察しながら、「次のプロジェクトをどうするのか?」をずっと考えていました。

そこで、ここからの記事は、私がこのプロジェクトをどのように振り返ったのかも含め、以下の3点について、書いていきたいと思います。

23回:プレゼンテーションの振り返り
24回:「プロジェクト型学習」における評価
25回:1stプロジェクトからの学びと課題

今回(23回)では、プレゼンテーション自体の振り返りを通して、1stプロジェクトを学生がどのように捉えていたのかを改めて考えてみようと思います。振り返りは、「サービス内容」と「プレゼンテーション」の2つの観点から行いました。

「サービス内容」の振り返りに関しては、プレゼンテーションを行った翌日と翌々日に行いました。これは、ゲストからいただいた様々なコメントを記憶が新しいうちに、自分たちの考えたサービスに反映させた方がいいだろうと考えたからです。

一方、「プレゼンテーション」の振り返りは、少し時間を開けて翌週に行いました。時間をおくことによって、客観的に自分のプレゼンを振り返ることができると考えたからです。以下、2つの観点で振り返った様子をまとめたいと思います。

サービス内容の振り返り

「サービス内容」については、ゲストからいただいたコメントを中心に行いました。前回記したように、ゲストからは、プレゼンのあとの質疑応答で様々なコメントがありました。また、ゲストには、プレゼンテーションの際、評価表をもとにサービスやプレゼンの評価をしていただいています。(「評価表」については、次回(24回)で説明します)さらに、この評価表とは別に、サービスに対する意見を付箋に書いてもらうこともしました。これらのゲストのコメントをもとに、「チームが考えたサービスの問題点は何か」を振り返るという作業を行いました。

振り返りは、以下の手順で行っています。

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