【39】高校生になって教えてくれた自閉症の息子の内側:頭・身体・心 ??
文章にして、自分の考えや息子の様子を改めて思い返したりしていて、『人』は面白いと感じる日々。上を向こう、何でも活かしてプラスにしようと思うことで、私はコミュニケーションのタイミングを武器にする考え方を見つけることができました。その思いと時間を重ねて、息子が教えてくれた内側をお伝えしたいと思います。
息子が幼稚園、小学校の時期も友達との関りはありつつ、つまずきも多かった。
けれどその都度。必ずと言っていいほど「捨てる神あれば拾う神あり」。
相手にしてくれる友達がほとんどいなくても、
一人だけは近づいてきてくれる子はいた。
たった一人でもお友達がいてくれることは救いでした。
なんとか前を向いていこうとすることで、「必ず展開する法則」を知った時期でもあった。
それからは、一つ一つの問題をどう解決するか算数のように解いてきた。
後に、息子が高校生になったときに聞いた『風船の中のぼく』という表現や、そこから私が考えた息子の状態『ゆでたまご』が浮かんで、前を向いて進むと決めた自分を信じて良かった、そうしみじみ思えた。
息子の状態は、頭と心と身体、この3つがうまく連動していなかったのだとわかった時、これは私に与えられた問題ドリルだったように感じられた。
私が、このドリルをどのように解くかを試されただけ!と思えた瞬間だった。
あきらめなくてよかった。
人生の階段は上る(昇る)ためにある。
最近の息子はとても楽しそう。
好きなYouTubeの配信、料理人として働くこと、そしてそのお店にYouTubeのリスナーさんが時々来てくれることもあるそうだ。そう楽しそうに話してくれる。
こんな息子に出会えるなんて想像できなかった。
できるなら、底にいると感じて苦しんでいた頃の自分の前に飛んでいって、ハグしてあげたい気分。
私が自分なりに腑に落ちた、頭と身体と心。
息子の場合を考えると、当時は息子の頭はおかしいのだと疑いもしなかった。こころなど存在しない。犬以下じゃないかとすら思ってしまっていた。
高校生になった息子から、自分には『頭』と『身体』と『こころ単体の自分』があると聞かされた。
息子はよく、「なんで? そんな行動するの?」と頭と身体の自分に嘆いていたらしい。そこには心の自分が無い。心が自分の本体だという感覚はあるのに……。
息子の内側では、そんなバラバラの状態だったから自分同士での会話が成り立たない状態だったらしい。勝手に行動している自分を感じ取ることもできているけれど、どうすることもできずに眺めていただけだったらしい。それが『風船の中の僕』という表現につながったみたい。それを聞いて、人の神秘性を感じずにはいられなかった。
どんな状況でも、そこから何か得られることがあるかもしれないと向き合うことを心がけて過ごしたことで、今の息子、今の私にたどり着くことができました。
今、大変な思いを抱えている方も少しだけ視線を上げて、前に進んでみようと思ってもらえますように。今回も読んで頂いてありがとうございました。