娘の髪型10/14と不機嫌な朝
「パパ。先に撮っちゃって」
娘に急かされるまま撮る。
毎朝の日課となった髪型の撮影。
雨だし、急がないと学校に間に合わない。
そう思ったのだろうか…。
大丈夫。まだ8分あるよ。
(家から学校まで徒歩5分)
そう答えて、
学校に着くまで
一緒に「丸いもの」を探そうと提案する。
丸いものハント。
タイヤ。マンホール。葉っぱの虫喰い。
「あ!あのお宅。
クリスマスからずっと
リースを飾りっぱなし」
「ほんとだ!」
そんなやりとりをしながら進む。
ところが…
「きょう体育あるんでしょ?」
「うん」
「何やるの?」
「50m走」
「すこし雨ふってるけど、
これぐらいだと外でやるの?」
「…そんなこと言ってない」
そういえば、
朝からなんだか機嫌が悪い。
体育館でやるとか、
雨が強くなったら別のものをやるとか、
機嫌が悪いときは、そんな説明も拒む。
…ふたり、しばらく黙る。
「おはよー」
ともだちに声をかけられ、
空気が緩んだ。
娘はともだちとふたりで
歩きはじめた。
「…それじゃここで」
そう伝えて踵を返すと、
娘が駆けよってきた。
「これあげる」
気を遣ってくれたんだろうか。
それとも、機嫌が悪かったことなど
忘れたんだろうか。
「行ってらっしゃい」
娘の背を見送った。
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