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読書感想文〜自生の夢〜
言葉の摂理が織りなす生命。
飛浩隆先生の『自生の夢』を読んで、なんとか私が言葉を搾り出せるとしたらこうなるのだろうか。
とにかく膨大で綿密な知識と理論で組み立てられた近未来の中における「言葉」の野生的進化の途上のようなものを感じた。
のか?
私の知性が足らなさすぎて物語の全容を理解しているのかとても自信がない。
しかし飛先生の『象られた力』や『グラン・バカカンス』などを読んでも、言葉や象徴という「人工物」が宇宙の原理に影響を及ぼしたり、人間のツールとして生み出されたものがスペックの進化によって知性が与えられ、更にそこから創発的発展を遂げた世界が描かれているので、そんなに外れてもいないと思いたい。
今人工と言ったが、人間がこの宇宙の理により生み出された以上、人工物もまた蜂の巣や蟻塚のように自然物でもある。
つまり、人間の生み出した「言葉」というものもまた、この世の摂理を帯びている。
無機物としての言葉、有機体としての言葉、力学としての言葉。
だから言葉は積み重ねられ、繋がり、新たな道具を与えられ、栄養を得て、増殖し、創発し、進化する。
張り巡らされたニューロンのようなネットワークの中で蓄積されて育ち、自律し、いつか意思を持つかもしれない。
感想としては飛躍しすぎだとは思うけど、そういう、というかそれ以上の理論が美しく、生々しく、躍動的に、凄惨に、そして冷たさと温もりを持って書かれていた。
人が生み出したものが人の手を超えるか、まだ人と原始のダンスを踊るのか。
でも、人も言葉も今そこに在り、ただ生きているだけだ。
そういう荒々しいものに思いっきり飲まれて、置いていかれないように必死で読んだ。
と、なんか賢ぶった言葉を書いてしまったけど、とにかく面白かったです。
普通に置いていかれました。
知能追いつかなくて頭痛い。
脳みそが追いつくまで後何回読むだろうか。
とりあえず表題の自生の夢及びそのシリーズの感想を書いてみたけど、海の指もはるかな響きもめちゃくちゃ面白かったです。
また感想書き直すと思う。