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嫉妬



30代の頃、ショートタイムで働いていた頃の職場は50〜60代子育てを終えた“おかあさん達”が多かった。そこでこんな話を聞いたことがあった。

還暦が近いその女性は別の職場のパートも掛け持ちしていてそこには一人暮らしをしている20代の独身男性が働いており、息子のように可愛がるその男性に自分が作ったおかずやお弁当や野菜を度々渡していたそう。

その男性がお休みのとある日、職場に野菜を取りに来させたその女性はやって来た男性の車の助手席に乗っていた婚約しているという彼女の悪口を言っていた。

「助手席で携帯をいじったまま挨拶もしない」「いつもあげてるおかずや野菜のお礼もない」「見た目は可愛いけど態度が可愛くない」

散々彼の婚約者の悪口を言っていてその話を聞いていた人達はみな「そんな良い子(男性)なのに相応しくない婚約者だねぇ」などと聞いていた。



当時の私はいまどきの若い女の子は挨拶もできないという話を聞かされていると思っていたけど違った。一方的に親切の押し売りをしていた女性が、男性が愛する本命の彼女に嫉妬しているという話だったのだ。


オンナは何歳になってもオトコをめぐり嫉妬するのかもしれない。世の嫁姑問題も、息子を自分のパートナーと勘違いする母の嫁に対する嫉妬から起こるのかもしれない。


そして私も。
嫉妬している。


中野くんと同棲する彼女に対する嫉妬心が生まれてきてしまった。これはとても醜いことだと自覚している。対象は何であれ嫉妬心を抱いているオンナはどこか醜い。



そして嫉妬という漢字の成り立ちが怖い。
女、心を失う、女、石。


まだ小さいこの醜い嫉妬心を何とかしたい。
心の持ち方を変えて、中野くんと仲良くし続けたい。


心はふんわりと柔らかく温かい、そんな魅力的な女でいたい。この話を思い出してそう思ったけど、できるかな。





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