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離れたくても引き戻される女




中野くんの知り合いのSNSに中野くんが同棲中の彼女と並んで写っていた。この写真の中の中野くんは日常で、彼にとって私は非日常だから存在の意味なんてないと考えしばらく落ち込んだ後「家族にばれたからもう連絡しないでください」と嘘のメールを送った。送信後はこう書いておけばもう返信は来ないだろうからこれで彼との関係を終えられる、と妙に落ち着いていられた。


だけどその日の深夜0時頃家族が寝静まり誰もいないリビングのテーブルで書き物をしていると中野くんからケータイに着信があった。その後2時間ほどメールで話し合いをし、結局その数日後には会ってセックスをした。



私は学生の頃は甘い恋愛を経験せずに今の夫と結婚し、【妻】と【母】として約20年間生きてきた。いまは50歳。中野くんと知り合った4年前からずっと彼にとって私は【女】で【女】の扱いが上手な中野くんから離れられない。


女は幼くても歳を重ねてもいつだって女。

体はだらしなくたるみ、顔にはシミのある私を中野くんは抱きしめながら鏡越しにじっと見て綺麗だと言ってくれる。会えばいつも言ってくれる。
女としてこう言われることは本当に幸せで、言われることを思い出し涙がでるほどだ。


私は中野くんとのセックスで会話のように気持ちを交わしている感覚がある。私の気持ちが肉体を通じて彼に届き、彼の気持ちが肉体を通して私に届く。


次はそんな私たちのセックスのことを書いてみようと思っています。









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