FP3級を宅建と同時に勉強して合格する方法【2023年9月版】
本命は宅建だけど、ずっと同じ資格の学習に飽きてしまった
息抜きしながらも、宅建合格につながることをしたい
宅建とFP3級を同時に勉強するメリットとデメリットを知りたい
2023年9月の3級ファイナンシャルプランナー技能検定(FP3級)に宅建の勉強と同時並行で取り組み、無事合格いたしました。
結論から申し上げますと、FP3級は宅建の知識をより強固にするためのサブ資格として大変有用でした。
宅建の勉強は、後半になるとどうしても過去問の繰り返しとなってしまうため「飽き」が来てしまいます。
気分転換に何かをするにしても、完全に宅建の勉強から離れてしまうわけにもいかずモヤモヤしてしまいます。
そんなときに、FP3級の勉強が宅建から完全に離れることなく、さらに言えば宅建の勉強をより盤石にできることがわかりました。
当記事では、宅建の試験勉強をしながらもFP3級を勉強し、かつ合格するための勉強方法と、同時受験のメリット・デメリットを共有します。
FP3級の勉強時間と結果
2023年7月から勉強を開始して、試験本番までは34時間程度の勉強時間で合格しました。
一般的に、FP3級合格のための勉強時間としては「50~100時間」とされていますが、以下のバックグラウンド知識があったからこそ短めの勉強時間で合格することができました。
日商簿記2級保有
会社勤めで社会保険や年金等の一般的な知識があった
宅建勉強中で一部分野で重複があった
やはり宅建で勉強した内容がFP3級の分野である「不動産」「相続・事業承継」そして「タックスプランニング」と抜群に相性が良かったことが今回の勝因となったものと思っております。
その甲斐あって、学科試験では85%、実技試験では75%の正答率を得ることができました。
次の項からは、実際に使用した教材と、勉強方法について書いていきます。
使用した教材
購入した書籍は『みん欲し』の教科書と問題集、そしてTACの予想模試です。教科書は図が多く、初学者にはぴったりの教材でした。
上記書籍に加えて、「FP3級ドットコム」のWEBサイトで過去問演習を行いましたので、教材としては合計4つとなります。
勉強方法
宅建とFP3級の並行学習は2023年7月半ばから開始しました。
宅建のテキストを一通り読み終わり、問題集も2周ほどして学習当初の新鮮さがなくなりモチベーションの低下を感じていた頃でした。
学習の割合としては、1週間のうちで「月・水・金を宅建」、「火・木をFP3級」を基本として、土日は7月~8月は宅建を中心に、9月に入ってからはFP3級中心に行うようにしていました。
勉強時間は平日に1時間40分、休日は3時間20分が基本でした。
YouTubeでポモドーロテクニックを活用した音楽タイマーを流して勉強していました。
あくまでも、宅建を主軸としつつ、合間にFP3級というペースで学習を進めていました。
FP3級の問題集を購入していましたが、「FP3級ドットコム」での過去問演習をしていれば必要なかったかもしれません。この点は少し失敗しましたが、問題集は問題集で役に立っていましたので後悔はしていません。
テキストを通読し、1分野が終わったらその分野に対応する問題集のページについて解いていきました。
FP試験は大きく6分野(ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継)ありますが、「不動産」と「相続・事業承継」、そして「タックスプランニングの一部」は宅建と学習範囲が思いっきり重複しますので、残りの3分野を特に注力して学習しました。
7月~8月は宅建と並行して割とゆったり学習していましたが、9月に入ってからは予想問題集も交えて集中的に学習しました。
学科試験のほうは問題集レベルを解けるようになれば大丈夫ですが、実技試験(面接などではなく、学科と同じく筆記試験です)についてはある程度の慣れが必要ですので過去問と予想問題集を繰り返し解いて形式に慣れておくことをおすすめします。
次項からは「宅建とFP3級の同時学習」を通して感じたメリットとデメリットを書いていきます。
宅建と同時にFP3級の勉強することのメリット
まずはメリットから紹介します。
①宅建と分野が重複するので負担が軽い
FP3級は、前述しました通り6分野の学習を行うこととなります。
これだけあると学習範囲が広くて大変だと思われますが、実は全体の半分程度は宅建で学習済みですので思っているほど負担は少なく学習ができます。
「タックスプランニング」は宅建の税金分野で学習する「所得税」を深堀りするような感じです。
「不動産」はまんま宅建です。宅建の問題を超えるようなものはほぼ出てきません。税金部分はほんの少しFP3級のほうが詳しく出ます。
「相続・事業承継」は相続部分が宅建の範囲です。
実質、新規で学習するのは「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」となります。
②宅建の知識を補うのに丁度よい難易度
FP3級の合格率は80%以上と、俗に「鉛筆を転がせば受かる」と言われるほど合格率の高い資格試験です。
ですが、決して簡単ではなく、それこそ宅建レベルの問題も出てきますので、油断していたら落ちる試験であると思っています。
とはいえ、「宅建と比べたら」難易度は低い試験ですし、前述したとおり学習範囲が重複する部分も多いため宅建と同時に学習する試験としてこの上なく適任であると思っています。
FP2級となるとさすがに厳しくなりますが、FP3級であれば、宅建の合間にちょこちょこやって合格点をとれる程度の丁度いい難易度に落ち着いています。
宅建のテキストでは意外とさらっと書かれてしまっている「税金」分野をもう少し深堀できることと、「FPの不動産分野」の問題を解くことで
「あ、これ宅建でやった内容だ!」
という気分を味わえますのでそういった気分転換にもおすすめです。
③ついでに国家資格を取れる
正確な表現とはいいがたいですが、「宅建を狙うついでに国家資格をもう1つ取れる」というのもメリットであると言えます。
2023年9月度のFP3級試験は若干合格率が下がっているものの、宅建を狙って努力されている方からすれば難しくはない難易度です。
FP資格単体で独立して仕事ができるものではないですが、国が認めた立派な資格であることは確かです。
履歴書にも書くことができますので、「履歴書の資格欄が寂しい」という気持ちをFP3級は埋めてくれますよ。
合格すれば立派な表彰状も届きます。
FPは幅広くお金の知識が身に着きますので日常生活にも役に立ちますし、宅建を活用した業務においても、FPの知識は役に立ちます。
家を買うというのは大きなお金が動きますので資金計画の相談に乗ることもあるからです。
また、「不動産投資」においてもFPの知識があればより盤石に運用に乗せることができるはずです。
宅建と同時にFP3級の勉強することのデメリット
もちろん、メリットばかりではありませんので、デメリットも紹介していきます。
①多少の負担はかかる
メリットで述べた内容と若干矛盾しますが、学習する範囲が多少増えますので当然負担はかかります。
宅建のモチベーションが下がり始めたときの着火剤として有用ですが、宅建と被らない3分野は人によっては「新規学習」となりますので、FPの学習が負担だと思うならやめたほうが得策です。
②勘違いを生む知識が増えてしまう可能性がある
前提として、宅建の問題は実に意地悪です。
例えば、「借家」の問題と思わせて実は「借地」について問うていた・・といった具合です。
FPの学習によって身に着けた知識で、宅建のひっかけ問題にやられてしまう可能性もあるのです。
宅建のテキストではさらっと流されていた「所得税」ですがFPのテキストではやや詳しく書いてあるがために、深読みしすぎて所得税の問題を落としてしまう等です。
「正確な知識」を身に着けていれば、FPの知識も武器として宅建に臨むことができますが、「中途半端な知識」ではいたずらに不正解を重ねてしまうだけとなってしまいます。
実際、FPを学習し始めた頃は宅建の税金分野の正答率が少し下がってしまった記憶があります。ただ、勘違いを認めてからは相乗効果で正答率を上げていきましたのでうまく「利用」しましょう。
まとめ
★宅建とFP3級は相性抜群
FP3級の半分程度は宅建で学習済み
宅建の過去問演習に飽きたときの気分転換として丁度いい難易度の国家資格
幅広くお金の知識が身に着くので日常生活でも役に立つ
宅建は1年に1回しか試験がなく、かつ合格率も15%と決して高くない難関資格です。
そのため、学習期間が長くなりがちでどうしてもモチベーションの維持が課題になってきます。
試験の合間の息抜きに宅建関係のYouTube動画を観たり、他の不動産関係の資格の情報を集めたりしていましたが、「この時間に宅建の勉強をしていたほうがいいかも・・でも過去問周回にちょっと飽きてしまった・・」という気持ちが付きまとう時期もありました。
FP3級は、気分転換をしつつ宅建の範囲で学習する内容に+αしてくれる「最高のパートナー」でした。
FPの不動産分野を勉強していると、宅建のテキストで学習していて理解できなかった部分が分かったりしたので、とても相性の良い資格だと感じました。
実務上も相性の良い資格なので、宅建の過去問に飽きたらFP3級に手を出してみるのも一つの手かと。
もちろん、宅建学習の負担になると感じたならばご無理はなさらずに。
FP3級は年3回(1月、5月、9月)ありますので気楽に取り組むのが丁度よいです。
以上です。