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IT会社員なのにテレワークをせずに出社する理由を現役SEが解説します

  • IT会社勤めなら、テレワークでいいんじゃないの?

  • テレワークができそうなのに、相変わらずオフィス街に人が多いのはなぜ?

  • テレワークできるはずなのに、リスクを冒してまで出社する理由がわからない

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

一般的に、IT会社の社員(以下、IT会社員)はパソコンさえあればどこでも仕事ができますので、リモート環境での柔軟な働き方ができると思われています。

そのため、近年では新しい働き方としてテレワークが可能なIT業界に入社を希望されている方が増えています。

ところが、オフィス街にはいまだ人が多く、通勤時間には以前と同じく満員電車が線路を走っています。

初めての緊急事態宣言が発令されたときにはさすがにテレワークを強要されたものですが、今となっては見る影もなく、「みんなマスクをしている」以外は以前と変わらない通勤風景が広がっています。

この記事では、どうしてIT会社勤めでテレワークも可能なのにわざわざ出社しているのかという疑問について、実務を交えて語っていきたいと思います。

IT会社員が在宅ワークせずに出勤している理由は

  • 客先常駐型の仕事をしているから

  • 在宅ワークに適応できないメンバーと仕事しているから

  • ハードウェア納品のような物理作業が必要な場合があるから


IT会社員がテレワークができない理由3選


常駐先で仕事をしなければいけないから

IT会社員は、所属する会社でのみ仕事をするわけではありません。
場合によっては何ヶ月も客先常駐という形態で働かなければならないこともあります。
特に、大きなプロジェクトの稼働前後ではその傾向が顕著です。

「そうであっても、遠隔で仕事することができるんじゃないの?」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、現実は朝令暮改なシステムの仕様を固めるために顧客との密な打ち合わせが必要になります。特に紙を出力するプログラムとなれば実際のデータを入れ込むまでは罫線のずれや文字のはみだしといった調整作業をリモートでやり取りするのはたいそう手間がかかります。

他にも、「画面を見ないとわからない」だの、「通信環境が悪くて共有された画面が見えない、音声が聞こえづらい」だのと、リモートでのやり取りは顧客のITリテラシーや環境によっては不利に働くこともあります。

そのため、結局は「現地で直接やり取りするほうが早い」という結論になってしまうんですね。
テレワークができないIT会社員のほとんどが、この理由ではないかと考えてます。

顧客がITに明るければ、在宅での対応も十分に可能であると思います。

ところが、システムを導入したい会社はテレワーク不可な現場重視の業種であることがほとんどですので、それに合わせてIT会社員も出社しなければならないというのが現実です。

社内で直接やり取りするほうが結局効率がいいから

システム開発は、チームで行うものです。
一人で要件定義から設計・開発・テスト、導入、その後の保守までやりきるのはよっぽど完成されたパッケージシステムか、ごく小規模の案件でなければほぼ不可能です。
そして、各工程のリーダーというのは別の人が担当することが多いです。

そのため、要件定義担当や設計担当、開発担当などの担当者が様々なやりとりをしながらシステムを組み上げていくこととなります。
社内チームであれば、ITリテラシーや通信環境の観点で言えば、在宅でもSlackやGoogle Meetのようなコミュニケーションツールでやり取りができそうですよね。

実際は、そんなことないんです。

せっかく優秀なコミュニケーションツールがあって、それらを扱えるだけのITリテラシーもあるのに、例えばシステムテスト中に不具合をエビデンス付きで報告したとしても、

「説明された方法で再現ができないから明日出社して教えてほしい」

とか言ってくるわけですよ。
そして翌日画面を交えて説明すると納得するわけですが、
「それなら最初から出社してくれ」となって・・結局テレワークができなくなってしまうんですね。

結局のところ、テレワークには向き不向きがあって、向いている人は各種ツールを使いこなして的確に仕事ができる一方、「直接画面を交えて説明してくれたほうが早いマインド」を持っている人に出社させられるというパターンもあるわけです。

他にも、「みんな出社しているんだからあなたも出社しなさい」という実に日本の会社らしい右にならえ精神も、テレワークをさせてもらえない理由となります。

ハードウェア作業があるから

IT会社員はサーバーやネットワーク機器などのハードウェアを納品する場合があります。
ハードウェアの納品は、物理作業になります。

ハードウェアを顧客先の所定の位置に設置して、LAN線などをつなぎ、疎通の確認や各種設定を行うのは現地でないとできないことなのです。

サーバーなどの設定はネットワークさえつながればリモートでも可能ですが、ネットワークにつながっていないサーバーなんて、ただの重い金属の箱です。

業者の方に頼むこともできますが、IPアドレス設定などのネットワーク設計は自分たちで実施する必要がありますし、機器の接続状態や配置図の作成などもシステム導入会社の仕事となりますのでどうしても出社勤務が必要となってきます。

まとめ


★IT会社員がテレワークできない理由をまとめます

  • 客先常駐しなければいけないから

  • テレワークができない(させてくれない)チームメンバーがいるから

  • ハードウェアを納品しなければいけないから

IT会社というのは、涼しいオフィスでスマートにパソコンを操作して仕事するイメージがありますが、現実はもっと泥臭い仕事です。

在宅しようと思えばいくらでもできる仕事ですが、それを阻害する要因も多数あるのが現実です。

フルリモートで働ける環境にいる方は、誇っていいと思います。

以上です。

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