2ヶ月の独学で日商簿記2級のネット試験に一発合格した具体的な方法【2024年更新版】
日商簿記2級を取得したいけど、仕事が忙しくて勉強できる時間が取れない。
参考書さえ開ければ結構勉強が続くが、参考書を開くまでが大変。
平日は忙しすぎ、休日は仕事の疲れで身動きできない
日商簿記2級は価値ある資格ですが、社会人の少ない自由時間で取得にこぎつけるのは至難の業だと悩んでいませんか?
こういった悩みに、平日は仕事、休日は仕事の疲れで勉強のスタートに時間がかかる状況にあった私が使用した教材と勉強方法、電卓等について具体的に解説します。
勉強戦略と実際の勉強フローは以下の通りです。
簿記3級取得から期間が空いていたので、まずは3級の復習から開始
YouTubeでの動画講座視聴→参考書通読→問題演習 でインプット&アウトプット
仕訳問題はスマホアプリで隙間時間勉強
基本的な戦略は「工業簿記で満点、商業簿記で部分点」
予想問題集を周回して合格点を取れるようにする
どうしても勉強ができない日は無理せず休む
今受験するならネット試験がおすすめ!
それぞれの項目について順を追って解説していきます。目次を使って飛ばし飛ばし読んでいただけたら幸いです。
パブロフ流テキストとTAC直前模試で合格できる
まずは、実際に使用した教材とその使い方について説明していきます。
必ずしもこの教材である必要はないですので、ご自分に合った教材を選んでお使いください。
参考書・問題集はパブロフ流
参考書と問題集については『パブロフ流』を選びました。
理由としては本屋で立ち読みして一番頭に入りやすかったためです。
勉強途中、「簿記勉強におすすめな参考書」というブログ記事やYouTube動画にて別の参考書が紹介されて内心焦っておりましたが、結果的に『パブロフ流』を選んでよかったと思っています。
漫画による簡単な解説
巻末問題に対する下書きを含めたわかりやすい解説
動画での解説も充実
ブログやTwitter、スマホアプリと展開が豊富
とにかく図が多く、文章のみのお堅い参考書に抵抗がある方にもおすすめです。
また、パブロフ流はブログやTwitter、スマホアプリと様々な環境から簿記についての情報を得ることができます。
参考書に付属のQRコードを読み取ることでYouTubeの解説動画を参照できますので、「参考書を読む」だけの勉強に飽きてしまう方にもおすすめのシリーズとなっております。
スマホアプリで仕訳問題対策
問題演習の量を確保するために、スマホアプリの導入を強くおすすめします。
「パブロフ流」からアプリが出ています。
有料ですが、価格以上に価値のあるアプリであることは間違いありません。
電車での移動中などの隙間時間に問題演習ができるのは大きなアドバンテージです。
商業簿記は部分点の回収を目指しますが、問1の仕訳問題は満点を目指すべきです。このアプリは仕訳問題対策にうってつけです。
過去問は使わず、予想問題のみで本番対策
資格試験の勉強は過去問の周回が王道の戦略ですが、簿記2級の勉強にあたっては過去問を使わず、予想問題集での勉強を行いました。
理由としては以下の通りです。
簿記2級の範囲は改定が多く、過去問で十分な対策ができない
ネット試験は新しい試験なので解き方が違う
4回分の予想問題で本番の出題パターンに十分対応できる
簿記2級の試験は実施回によって合格率に大きなばらつきがあります。
誰も解けないような難問が出る回もあれば、比較的攻略しやすい回までブレブレです。
出題範囲も年度によって異なり、今まで1級の範囲だった分野も追加されてきている関係で過去問のみでの対応が難しくなってきております。
リース取引
連結会計
圧縮記帳
外貨建取引
製造業を含む会社の決算処理
税効果会計
クレジット売掛金 など
今の簿記2級はもはや「簿記1.5級」とも言えるほどに勉強範囲が増加しています。
過去問で出題内容の雰囲気をつかむことはできるかもしれませんが、追加論点の問題演習が不足しますので予想問題集を使った演習をおすすめします。
予想問題集としてはTAC社の『あてる直前予想模試』を使いました。
こちらは4回分が収録されており、各回において合格点が取れるまで周回しました。
3周ほどすれば、おおよそ合格点に届くかと思います。
ペーパー試験とネット試験両方に対応しておりますので、ネット試験に合格できずにペーパー試験を受けることになったとしても保険として機能します。
また、冊子だけでなくTAC社の「書籍連動ダウンロードサービス」を利用することでネット試験形式での問題演習をすることができますのでこの点でも非常におすすめです。
ネット試験形式での解き方に慣れておかないと、本番で混乱する可能性があります。
ペーパー試験とは解き方の感覚が違いますので。
3級の復習をしてから、動画学習→テキスト
パブロフ流 参考書&問題集
予想問題集
スマホアプリ
これらを準備できたらあとは実際の勉強に入っていきますが、教材は必ず受験する回に対応したものを選んでください。
教材費をケチって中古品を用意すると、出題範囲外の勉強をしてしまうことになりますので勉強効率が落ちてしまいます。
まずは3級の復習からスタート
簿記3級を取得していましたが、3年以上期間が空いてしまっていたので、まずは3級の復習からスタートしました。
仕事の都合で長い移動時間が発生しましたので、その時間を使って3級のパブロフ流参考書を1周することで復習を終えました。
ざっくりと「ああ、こんな内容だったな」と思い出すだけで十分でした。
3級未取得の方は問題演習まで実施しましょう。
次の項目で紹介する、動画講座で3級の勉強を行うのもおすすめです。
YouTubeの動画講座でイメージをつかんでから参考書へ
一昔前はとにかく参考書を中心とした勉強が王道でしたが、今はYouTubeで良質の講義を無料で受けることができます。
私はたぬ吉先生の日商簿記講座で勉強をしました。
2級の商業簿記講座は有料ですが、こちらも料金に見合った素晴らしい教材です。
ふくしま先生の動画講座も丁寧な解説で有名ですが、
一つ一つの動画時間が長いので時間のない社会人の私にとっては不向きでした。
もちろん、丁寧でわかりやすい動画講座であることは間違いなく、時間に余裕があればおすすめです。
動画講座を視聴してから参考書に入ることで「初見のつらさ」を緩和できます。
また、仕事で疲れて参考書を開く気がまったく起きない状態であっても、動画視聴によってインプット勉強ができるというのは大きなメリットです。
動画は「画像」「音声」「文章」と情報量が多く、効率的なインプットが可能です。
注意点としては、動画勉強した範囲について問題を必ず解くことです。
動画勉強は効果的なインプットができますが、「わかった気になってしまう」デメリットもあります。
実際に問題を解いてみると意外と解けません。
動画勉強→対象の範囲について参考書通読→問題演習をその日のうちにこなしていきました。
そうすることで記憶を定着させることができます。
これは商業簿記、工業簿記それぞれについて共通の勉強方法で対策可能です。
勉強の優先度としては「工業簿記>商業簿記」とします。
私の場合は工業簿記を終わらせてから、商業簿記の勉強に入りました。
工業簿記は隙間時間勉強が難しいので、平日の出勤前と休日を使うことで問題演習の時間を確保しました。
隙間時間にスマホアプリで仕訳をマスターする
仕訳問題の演習回数はパブロフ流のスマホアプリを周回することで確保できます。
ゲーム感覚で周回できますのでアプリ起動にハードルを感じることもありません。
机に向かって問題演習すべきなのは「工業簿記」と「商業簿記の総合問題」くらいです。
苦手だと感じた問題にはチェックをつけて繰り返し勉強が可能ですし、間違った問題についてはその回数も表示されますのでチェックをつけ忘れても苦手論点を把握しやすい素晴らしいアプリです。
このアプリを全問丸がつくまで周回すれば、仕訳問題についてはほぼカバーできます。
正答率が低い分野については参考書や動画講座に戻って復習します。隙間時間にどれだけこのアプリを周回できるかがカギです。
予想問題集とパブロフ流問題集で問題演習量を確保
動画講座、参考書、スマホアプリを周回することで基礎問題は解けるようになります。
ただ、応用問題については半々か、それに満たない程度の正答率になると思います。
本試験に出題されるレベルの応用問題については、予想問題集の周回が有効ですが、ここでのポイントは、いきなり時間を計って挑戦しないことです。
予想問題を初めて解くときは手も足も出ないのが普通です。
いきなり時間を計って本番さながらに挑戦してしまうと「あれだけ勉強したのに全然解けない!」とパニックになり、モチベーションがダウンしてしまいます。
まずは工業簿記の問題演習量を増やす意味で、第4問と第5問から取り掛かりましょう。
問題を見て、解けそうなら取り組みます。
逆に、20分考えても手も足も出ないのであればインプットが不足していますので、その問題の範囲について動画講座や参考書に戻ります。
そのうえで取り組んでもダメな場合に答えを見ましょう。
いきなり答えを見て解いてしまうと「解法」より先に「答え」を覚えてしまいます。
予想問題とは言っても本試験でそのままの問題が出るわけではないので、答えを覚える勉強方法は無意味です。
問題の内容から解法がスムーズに頭に思い浮かぶような訓練を積むために予想問題集を使用します。
また、TAC社の予想問題にはWEBページでネット試験体験プログラムをダウンロードするための
URLとパスワードが付属します。
ネット試験での受験を考えていらっしゃる方は予想問題周回のうち少なくとも1回は、ネット試験形式での演習をおすすめします。
ペーパー試験一筋という方でも、一度は練習してみることをおすすめします。なぜなら、万が一ペーパー試験で思い通りに解答できなくても保険にできるからです。
今受験するならネット試験がおすすめ
これまではペーパー試験一択でしたが、2020年の12月からはCBT試験でいつでも受験が可能になりました。
ペーパー試験も今まで通り年3回の受験が可能ですが、突然受験の1週間前に出張に行かされる可能性があるのが社会人です。
「また来年」という事態を避けるためにも、いつでも受験可能なネット試験をおすすめします。
受験を決めたなら、その日に申し込みまで済ませてしまいます。
「十分に勉強をしてから試験に臨もう」と思って申し込みをせずにいるといつまで経っても受験できません。
試験日があるからこそ、その日に向かって勉強を続けることができるのです。受験日を決めたら、その日から逆算して勉強計画を立てるようにします。
試験日前にどうしても都合が悪くなった場合、試験の3日前までならCBT試験のマイページから何度でも日程を変更することができます。
仕事の都合で5回ほど日程変更しましたが、変更に伴う料金の発生はありませんでした。
また、ペーパー試験はネット試験の開催に合わせて試験時間が短くなっているのですが、短くなった試験時間分問題数が減っていないなど、いろいろと調整不足のようです。
ペーパー試験は過去にも極端な難易度変動を含めた騒動がありましたし、今受けるなら圧倒的にネット試験がおすすめです。
勉強期間の内訳
仕事が繁忙期であったこともあって正確な時間は把握できていませんが、おおよそ以下のような内訳で勉強していました。
3級の復習・・・7時間
動画、参考書勉強・・・平日2時間、休日4時間
予想問題・・・休日ごとに1周、計3周
具体的な勉強期間は「2021年7月19日~2021年9月26日」となりますが、前述の通り仕事の都合で勉強のできない時間がありましたので、トータルの勉強期間としては1ヶ月半ほどとなります。
動画、参考書、スマホアプリでの勉強が1ヶ月、予想問題集の周回が0.5ヶ月程度の割合です。
予想問題集は「直前予想模試」と銘打っているだけあって試験直前期にならないと対応した回の問題集を入手できませんので、それまでにインプットを完了させるイメージです。
勉強のモチベーションを保つ工夫について
短期決戦を狙うべし
簿記2級の試験合格には相当量の勉強が必要です。
簿記2級の取得に要する勉強時間は250時間~350時間ほどといわれており、1日2時間の勉強を続けた場合、4~6ヶ月程度の期間が必要です。
ただ、多忙な社会人にとってこれだけの期間、継続的に勉強するモチベーションを保つのは至難の業です。
したがって、1~2ヶ月の短期で取得するためのプランをおすすめします。
無理せず休むことも戦略
短期での取得にはその分効率的な勉強が必要になりますが、残業や休日出勤が重なった場合には休日は休みたいと思いますし、平日にしても朝に勉強する時間を取れない場合も出てきます。
その場合は無理せず休むという選択肢を取るべきです。
平日はYouTubeを使った動画勉強とスマホアプリを使った隙間時間勉強を行い、休日に工業簿記などの計算が必要な分野を勉強することで無理せず勉強時間を確保できます。
簿記の勉強におすすめの電卓
簿記の勉強には電卓が必須となります。
スマホにも電卓はありますが桁数が足りない、メモリ機能が使えないなど簿記の勉強には不向きです。
私はCANONのHS-1220TUGを使用しました。
※Amazonではもう取り扱いがなさそうでしたので、近い仕様の商品リンクを貼っております。
ただ、これに限らず店頭で使ってみて気に入った電卓を使うのが一番です。
電卓は10年以上使えるツールですので、心に響くお気に入りで試験に臨みましょう。
メロディーが鳴るものや原価計算の公式が使える電卓は試験では使用不可ですので、搭載機能についてはよく確認しておきましょう。
先ほど紹介した電卓は3級受験時のペーパー試験でもネット試験でも問題なく使用することができました。
まとめ
★忙しい社会人でも2ヶ月の独学で日商簿記2級を取得するコツ
今簿記を取得するならネット試験がおすすめ
YouTubeの動画講座とスマホアプリで隙間時間勉強をしましょう
過去問よりは予想問題集を周回して本試験に備えましょう
無理せず休むことも戦略です
簿記2級はコスパのよい優良資格で独学での取得が十分可能です。
ですが、社会人になると勉強時間がなかなか取れないのが現実です。
今の時代は「机に向かって参考書を使った勉強」というのはナンセンスです。
YouTubeには質の高い講座動画が多くありますし、スマホアプリも充実しています。
隙間時間を制して、一生モノの資格を取ってみませんか。
以上です。