アバターを3年間販売し続けてきた覚書
幾千ものVRChatのユーザーの中で、ただ一人の情緒を破壊すればいいと思っている。
ただ一人、いや二人だ、僕と君に刺さればそれでいい。
アバターの自己表現の重要性と内なる対話
現在は僕がアバターを販売開始した時と違って、BOOTHのアバターをDCCツールが不要で簡単に衣装の着せ替えなどの改変をすることができる。
なので、Unityだけで自身の好みの見た目に変えることができるようになってきた。
もちろん、度合いによってはDCCツールとの対話が必要だが。
人気のアバターに対して、1,000着以上の衣装が販売されている。
これは本当にすごいことだ。
ユーザーがアバターを通じて行う自己表現の幅が広がってきた。
だからと言って、僕はその衣装が全部欲しいかというと別の話である。
たくさん選択できる余地がある中で、自分で理想通り選ぶことは非常に難しい。
自分との対話だ、自分は何が欲しいのか。
どんな見た目のアバターが欲しいのか。
いまだに、僕の脳からは42は出ていない。
経済圏としての認められてきたVRChatとBOOTHの役割
アバター戦国時代、レッドオーシャン化などと色々と話は聞く。
アバターや衣装はBOOTHの売り上げに0がいくつ付くのかが大事という話もいろんな方向から聞こえてくるようになってきた。
人気のアバターやそれに準ずる3Dモデルに対しての衣装やアクセサリで利益を得ることにしか興味ないという話も聞く。
これは悪いことではない、BOOTHでの3Dモデル販売が経済圏として順調に育っている証拠だ。
Vket出展以外にもVRChatへの企業の進出も見受けられるようになってきた。
客観的に見ても市場が活発になってきている。
お金の話が暗号通貨やメタバースに対する投資で引っ張ることに対してしかなかった頃から比べると実が伴っている。
3Dモデルの販売は活発化しているのは事実だ。
しかし、ユーザーの目が肥えてきているのも事実としてある。
個性的なアバターの追求と経済的現実
しかし、僕はアバターで儲けたいのではない。
僕の好みのアバターがたくさん欲しいのだ。
ただ、資本主義国家で生まれ育った以上その願望を達成するには資本が必要だ。
納税の義務からは逃れられない。
もちろん、尊敬するクリエイターの皆さんには適切な報酬を支払う必要がある。
したがって、アバターの企画の予算が決まってきて目標とする販売件数も決まる。
1回や2回ならいい、何年も続けるためには収益を得なくてはならぬのだ。
そうなってくると、売り上げが見込めるアバターを販売する必要になってくる。
売り上げが見込めるアバターというと人気の要素を踏まえたユーザーが欲しがりそうなアバターを企画するということになる。
違うじゃん!!!!!!!!!!!!
売れるアバターが作りたいんじゃないの!!!!!!!!!!
僕の考える良いアバターが僕は欲しいの!!!!!!
しかも、ニッチ層に向けて販売するとなると販売数が減る。
よって、アバターの売り上げは保ちつつ、ニッチで個性的なアバターの販売を続けていきたいという贅沢な願望が如実に現れた。
なので、アバターの値段を思い切って上げた。
ただ、そのまま値段を上げてもつまんないので、水着や差分衣装を追加するというおまけを付けた。
逆にいうと僕の欲しい要素を追加して、アバターの価値を上げられるという嬉しさもある。
僕の性癖に刺さるニッチなアバターで、他のアバターと比べると価格帯は上だが破綻しない程度の売り上げでやれている。
値段を上げても販売数は大きく変わらなかった、うちのユーザーには感謝しかない。
アバターの企画・販売一本で食っていけるかというとなかなか難しいところがあるが、本業の傍らやっていくという形式だと非常に楽である。
難点は僕の休みがないということだ。
楽しいことなので続けているし、何より仕事が好きなので良しとする。
やりたくてやることがたくさんあるのはやることがないよりはいいと思う。
以上。