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相対性理論「地獄先生」カバーについて

こんにちは✼
e5です。

昨晩24:00よりAVYSSのコンピレーションアルバム「i.e」の3曲目、原口沙輔さんと参加させて頂いた「地獄先生(cover)」が先行配信されました!

オリジナル : 相対性理論

このコンピレーションアルバムのコンセプトは、参加アーティスト達が主に00年代〜10年代の邦ロック/J-POPシーンを更新してきたレジェンド的楽曲を現代の技法やスタイルでリメイクする。といったものです。

かなり感慨深く貴重な体験をさせて頂いたので文章を書いてみました。

以下リンクも添付しておきますのでチェックしてみて下さい。

感慨深いというのも、私は高校で軽音部だったのですが、相対性理論のバンドスコアを辿りながら3ピースのコピーバンド(Gt.Vo.)をしていたという思い出があります。
メンバーは最初、相対性理論を知りませんでしたが、私のわがままに付き合いながら一緒に楽しんでくれていました。

宇宙飛行士チャイ原(ウチュウヒコウシチャイバラ)というバンド名でした。
これも勝手に私が思いついて提案、メンバーが笑って受け入れてくれました。


メンバーと放課後に落書きをして遊んだ時の写真
真ん中が私です
電車を待ちながらホームのイスに座って
馴染み出したローファーを撮った時の写真


高校生活はほぼサブカルバンドとSoundCloudラップの行ったり来たりで過ごしていました。

登下校をする時、学校を感じながら、学生の自分を感じながら聞ける曲が「地獄先生」でした。
一見、シンプルに見れば生徒が先生に恋をしているように解釈できる歌詞だと思いますが、私は少し違うニュアンスで自分用の解釈がありました。

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授業参観も現実的な話をされる家庭訪問もそっちのけだった。
そんな生活の隙間にずっと
「私はきっと音楽をやる!」
「いつ音楽の道を始められるんだろ」
っていう予感がしていて。
恋する乙女みたいなトキメキを感じていて。

放課後の校庭で、下校する道で、バイトへ行くバスで、学校では触れられない世界をインターネットが、音楽が教えてくれた。
眩しい。
楽しい。
そこに行きたい。
それをしたい。
それが着たい。
そのメイクをしたい。
そのカルチャーに触れたい。
もっと知りたい。
触れたい。
インターネット、音楽、SoundCloudを愛した。

"授業参観 恋の予感 家庭訪問は地獄の門
放課後の校庭で課外授業な愛を知る"

進学や就職、進路の話をされる度、当たり前の概念や現実社会に押し潰されそうだった。
説明できない確信と自信は誰にも通じない。
心が折れそうになった。

ホームルーム、皆が話している。
どこ校の誰々とあの子がどーたらこーたらなって…そんなのはいよいよどうでも良くなる。
それより眩しい夢を叶える方法を、教えてくれないならこのトキメキの抑え方を、わからないから誰か教えて欲しい。

"受験戦争 もう負けそう
か弱いハートが折れちゃいそう
ホームルームの教室で男女交際の噂が飛び交う
先生 知らないこと知リたいの
見えないものが見たいの
教えて おしえて おしえて"

両親の離婚や再婚、環境の変化が続いた矢先、中学〜高校にかけて気づくと躁鬱病になっていた。
夜になると嫌な事ばかりを思い出す。
押さえ込んだ本音が叫び出す。
自分の存在意義を考えて、
理不尽に苦しむ残酷な世の中、
浅はかな恋愛を愛と呼ぶ者に苛立つ。
ずっと苦しくて眠れない。
じっと音楽を聴いて朝を待つ。

フリートラックやタイプビートに合わせて歌詞を書き続けた。
本当の自分に会えるのはいつも歌詞を書く時で、悲しくて苦しくて怒っている自分とか現実逃避して妄想を膨らます自分と会うのは辛かったり切なかったりするのに、1番幸せな時間だった。

やっと日が登り眠くなる頃、
遅刻しながらもなんとか行ける日は登校する。
動き出せない日はズル休みをした。

どんどん動き出せなくなっていく自分はまるで生きながら金縛りにあっているようだった。
精神科の先生も保健室の先生も担任も腑に落ちる答えはくれない。
よくある若者の軽い思春期だろうなんてあなどられている感じが悔しい。

-どうして私がこんなになってるかわかる?
-わからないでしょう?

皮肉じみた気持ちで

-なんで私はこんなに辛いんですかね笑

って聞いたりする。
答えはいつも下らなく浅はかだった。

"ねえ先生 最近寝つきわるいの
金縛りはげしいの
どうして?どうして先生"

制服を着た女子高生達(女子校だったので)が防災訓練で体育館に集まる。
少しふざけたり言うことを聞けない子も何人か居て、怒られたりしている。
どんなに全校生徒が入ろうがやっぱり確実にここは窮屈だ。
あの真ん中で話している先生が使っているメガホンみたいなのをマイクジャックして言いたいこと全部叫べたらいいのに。
そうしたとして、
煙たがられて、
恥ずかしい思いをするだけなのもわかってる。
でもそうゆう妄想するくらいは自由だから。
今日もまた何もしない。
出来ない。
ただただ悔しい。
若い時間は長くないのだから、
今すぐ動き出したいのに、
自由になりたいのに。

先生とか友達は私を清水(シミズ)って呼ぶけど、
私は最初からずっと幸姫(サキ)なのに。
その清水ってのは途中からそうならざる負えなくて付いた名字で元は萱野(カヤノ)だし。
でもそうゆうの感じたくないから、
私自身につけられた名前を呼んでくれればいいのにこんなめんどくさい説明したくない。
ダルがられたくないし。
都合の悪い奴になると生活しづらい。

"セーラー服は戦闘服
クラス対抗のデスマッチ
防災訓練決行でめったに鳴らないチャイムが鳴るとき先生 言いたいけど言えないの
悔しいほど切ないの
先生 先生ってば先生
ああ 先生 フルネームで呼ばないで
下の名前で呼んで お願い お願いよ先生"

当時16〜17歳の狭間、
"若くして音楽を始めたい"
その意志を伝えると先生達とか両親、親戚は、
学校に通いながらできる範囲でそうすればいいって無責任に言う。
違う、今じゃなきゃいけないんだよ。
一刻も早くそうしないと未来が変わっちゃうから邪魔しないで早く行かせてよ。
早く機材やソフトを揃えて、その為にお金が必要で、日中もバイトして曲を作るはずで、私は音楽で稼げるから高卒はいらなくて、進学も就職もしなくてよくて、学校に居ると同世代の子達が進んでいく現実を見てつられて間違えそうになるから、押し潰されそうになるからもう、離れなきゃで、学校辞めなきゃで、だってそうやって未来がそう言ってて、なんでわかってくれないんだろう。

-大人になって好きにすればいいじゃない。
-今はみんな勉強して大人になっていくのよ。
-そんな事ない大丈夫。

って言われても落ち着けない。
私は大人になりたくもなかった。
若さ故の純粋な憧れや夢はいずれ、
現実的・常識的に生きた人達の言葉や社会に曇らされる。
忘れさせられる。
もう本当に関わりたくない。
この綺麗なままの気持ちをどうにか守らなきゃって必死だった。

私は最後に最終手段として、
高校2年生の二学期初日から不登校になった。
誰に何を言われてももう聞けなかった。
ママにガッカリされても、
おばあちゃんが悲しんでも、
父さんに怒られても、
遠い親戚から励ましの連絡が来ても、
先生達に何度説得されても遅かった。
非行少女だの色々言われても、
覆せるだけの才能と希望を私だけは確かに心で感じれているから大丈夫。大丈夫。
幼いと言われても、
今だけだと言われても、
幼いから、今だから思えることなのだ。
手放したらこの光は二度と掴めないところまで行ってしまうから、
子供のままの私でどうか行かせて欲しい。
高校を中退した。
仲の良かったマイメンみたいな友達は沢山居たけど最後は誰にも何も言わずリア垢は全てのSNSから消した。

その次の年の卒業シーズン。
お世話になった先生、友達、部活の先輩が恋しくなっていた。
私だけ卒業できずに、女子高生でいたかった気持ちが今更顔を出してきて、道行く高校生達を見る度に辛かった。
それでもこの道を選んだ私を信じるために、
頑張って良かった、耐えてよかった、
って思える日が来るように駆け抜けなきゃ。
過去の自分を抱きしめてあげられるような今を生きなきゃ。

"先生 聞きたいことまだあるよ
年下じゃいけないの?
答えて 答えて ねえ先生
先生 卒業式近づいて
サヨナラも言えないで
いやだな わたし まだ女子高生でいたいよ"

挫けそうになった日に、
昔に沢山の事を耐え抜いた自分を思い出して、
死にたくなった夜に、
死にたくても生きてくれた自分を思い出して。
そう思ってここまで音楽を続けてきました。

今は昔の自分にこうやって沢山感謝を伝えているし、抱きしめるような今を生きれているし、あの日あの時の何一つ欠けてはいけない大事な過程だったなと思えるようになりました。

とにかく私の気持ちが沢山重ねて聞ける・歌える楽曲だったので、こんな風に公式な形でカバーを出来る日が来て本当に本当に嬉しいです。

こういった私なりの解釈で今回のカバーは、どう歌うのか、ボーカルアプローチを考えました。

どうして?なんで?
教えて 知らないことを知りたいだけなのに
切ない 悔しい けど確かに恋をしている
諦められない

現代においてのネオ解釈をするというコンセプトに添い、原口さんのサウンドでオートチューンを使用した私のボーカルを使った。というのも新しく斬新で面白いと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
改めて是非、私の声で歌った地獄先生を聞いてみて下さい。

e5

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