(衆参共に委員会付託法案、衆議院は約6時間、参議院は約3時間30分程度の審議日程、附帯あり 衆参共に本会議全会一致で可決。)
ざっくり雑感
著作権法改正案と呼ばれているみたい。
ど素人がこの法案を雑にまとめるなら「著作物を使いたいのに、その許可を誰に取るかが不明だ。扱うルールを決めたい」「昔のテレビドラマや映画を放送したいけど、著作権があって放送できないよー!困った!」「違法書籍サイトなどをもっと厳しく取り締まりたいよ!」が主な目的かな?と考えながら法案について掘り下げていくよ!
下記にも引用しているけど、報道記事を丸っとコピペするよ!
著作物等の利用に関する新たな裁定制度の創設等、立法・行政における著作物等の公衆送信等を可能とする措置、海賊版被害等の実効的救済を図るための損害賠償額の算定方法の見直し、の3点が改正点みたい。
音楽や映像などの著作物を二次利用する際は、著作権を管理する団体や個人の許諾が必要ですが、過去の放送番組や個人がウェブ上で公開した作品などを利用しようとしても権利者や連絡先がわからず、活用できないケースが指摘されています。
改正著作権法は、権利者の意向がわからない著作物を円滑に二次利用できる制度の創設を柱とするもので、文化庁長官から指定を受けた民間機関に補償金を納めることで、許諾がなくても一時的な利用が認められます。
権利者が利用に気付いた場合は、補償金を受け取ったうえで、改めて利用について交渉することができます。このほか、改正著作権法では、漫画などの海賊版被害の救済策として、損害賠償の請求額を増額できることなども盛り込まれています。
という事みたい。
質疑の中で『利用の推進が前面に出すぎていて、コンテンツやそれを支えるクリエイターを生み出すために、権利者をきちんと保護しようという側面が見えにくい』と指摘。
また権利者の補償金には時効があるみたい。この辺り関係者はしっかりとはチェックしたほうがいいみたい。
あとクールジャパン構想が巨額の赤字を抱えている中で、文化やコンテンツ産業の振興に投資する形になっていないよね、という指摘もあったよ。
AIが作成した絵や文章は現行の著作権には該当しないけど、それの制作過程には著作権は該当するみたい。
ネット上の漫画や本を自分が利用するために、AIに指示をした場合はどう考えるのか?といった質問には『著作物とは、思想又は感情を創造的に表現したものでありまして、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものでございます。いわゆるAI生成物のうち、AIによって自律的に生成されるAI生成物につきましては、現行の著作権法上は著作物と認められないと考えられます。一方、AI生成物を生み出す過程において、AI利用者に創作意図があり、かつAI生成物を得るための創作的寄与があれば、利用者がその思想、感情を創作的に表現するための道具としてAIを使用して当該AI生成物を生み出したものといたしまして著作物と認められることは、可能性はあると考えられます。この場合、著作者となる当該利用者がAI生成物の著作権者となります。』と答弁があったよ。
声優さんの場合は、『声優が脚本等の著作物に従って演技する場合は、著作権法上、実演に当たりまして、実演家である声優の権利が保護されます。
他方、実演に該当しない、単なる声につきましては、著作権法による保護の対象とはならないと考えています。
しかしながら、この場合におきましても、声を利用する行為は著作権法上の問題にはならないとはいえ、その態様によりましては、声優がお持ちする人格権やいわゆるパブリシティー権などの侵害となることもあり得ることから、留意が必要かな、このように考えております。』と答弁があったよ。
また、AIがネット上の作品を操作してまとめた作品の場合は『AIがネット上の作品を操作してまとめたという場合の著作権ということかと思いますけれども、最終的にはこれは司法の場で個別判断ということとなりますけれども、その生成過程におきまして、AI利用者に創作意図があり、かつ創作的寄与があれば、その作品は著作物と認められてくると考えられます。先ほど申し上げたように、その場合はAI利用者が生成物の著作権者というふうになります。
また、収集された元の作品の著作者は、元の作品について著作権を有するほか、その作品を基に新たな表現を加えた二次的著作物が創作された場合についても著作権が発生してまいりますので、このようにAIが生成した作品が元の作品と表現が同一又は類似している場合は、元の作品の著作者も生成されたものにつきまして著作権を持つ場合がある、このように考えております。』と答弁があったよ。
SNSによく見かける、色々な場面をつなぎ合わせたショート動画などは個別事案になるとは言え著作権的にどうなるんだろ?は気にしたいところだね。
ドラマや映画で、監督スタッフ、出演者に再放送などではどう権利が出てくるのか?制作会社は?ネット配信動画の場合は?など、今後この改正でどう変わっていくのか、注目だね!
法案審議を、とりあえず1.5倍速でざっと聞いただけだけど、全会一致だし、登壇ものじゃないし、束ねじゃないのに、結構国民生活に影響がありそうな改正だよなぁっと率直に思ったよ。特にAIについてはお手上げ…ゲフン…今後の検討課題っぽいという印象だったよ。
衆議院
著作権法の一部を改正する法律案(211国会閣51)
2023年 4月 5日
文部科学委員会 4時間19分 (一般質疑)趣旨説明
第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第6号 令和5年4月5日
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121105124X00620230405
2023年 4月12日
文部科学委員会 2時間06分 質疑
第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第7号 令和5年4月12日
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121105124X00720230412
2023年 4月14日
文部科学委員会 2時間50分 質疑、採決
第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第8号 令和5年4月14日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121105124X00820230414
2023年 4月18日
本会議 1時間09分 起立採決
第211回国会 衆議院 本会議 第20号 令和5年4月18日
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121105254X02020230418
全会一致で可決
参議院(アーカイブ視聴期間は約一年なのでお早めにご視聴下さい)
著作権法の一部を改正する法律案
開会日:2023年5月9日
収録時間:約6分
会議名:文教科学委員会 趣旨説明
第211回国会 参議院 文教科学委員会 第11号 令和5年5月9日
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121115104X01120230509
2023年5月16日
収録時間:約3時間38分
会議名:文教科学委員会 質疑、採決
第211回国会 参議院 文教科学委員会 第12号 令和5年5月16日
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121115104X01220230516
2023年5月17日
収録時間:約1時間47分
会議名:本会議 起立採決
第211回国会 参議院 本会議 第23号 令和5年5月17日
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121115254X02320230517
全会一致で可決
法案情報
内閣法制局情報
主管省庁情報
審議情報
衆議院
議案名「著作権法の一部を改正する法律案」の審議経過情報https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DD826A.htm
照会できる情報の一覧
・提出時法律案https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g21109051.htm
付託委員会趣旨説明
↓発言URL
第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第6号 令和5年4月5日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121105124X00620230405
→衆議院委員会討論
討論
なし
委員会採決
起立総員、可決
附帯決議
自民、立憲、維新、公明、国民、五派共同提案
起立総員、可決
↓発言URL
第211回国会 衆議院 文部科学委員会 第8号 令和5年4月14日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121105124X00820230414
衆議院本会議委員長報告
↓発言URL
第211回国会 衆議院 本会議 第20号 令和5年4月18日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121105254X02020230418
参議院
議案審議情報https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/211/meisai/m211080211051.htm
付託委員会趣旨説明
↓発言URL
第211回国会 参議院 文教科学委員会 第11号 令和5年5月9日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121115104X01120230509
→参議院委員会討論
討論
なし
委員会採決
全会一致、可決
附帯決議 自民、立憲・社民、公明、維新、国民・新緑、れいわ 各派共同提案
全会一致、可決
↓発言URL
第211回国会 参議院 文教科学委員会 第12号 令和5年5月16日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121115104X01220230516
参議院本会議委員長報告
↓発言URL
第211回国会 参議院 本会議 第23号 令和5年5月17日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121115254X02320230517
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