猫色の日々8~エルの退院
長かった3日間が過ぎた
私はエルを迎えに行くために
勤務シフトを変更してもらった
ホワイトな職場で助かる
朝は少し起きるのが辛かったけど
何しろ帰ってくるのだ
退勤の時間が近くなると
急に緊張してくる
もし数値が改善していなかったら
という
最悪の事態も考えねばならない
迎えに行ったらどちらにしても
落ち着いて料理できない気がして
帰宅してすぐ夕飯を作り
ちょうど良い時間になったので
オットと病院に向かった
今日は入院していた部屋ではなく
いつも診察室に通された
エルは最後の点滴をしていた
先生はエルの点滴の管を外しながら
穏やかに説明してくれた
数値は改善していた
まだ標準にはならないけれど
一時は高値もぶっちぎるスコアだったのが
標準よりちょい高いくらいになっている
点滴によって排尿があり
ごはんもそれなりに食べているから
診察台のエルは昨日よりも
少し顔が上がっていて
目にチカラがあるように思えた
点滴を外して、薬を飲ませ
ビタミン入りの皮下点滴をして
エルは帰宅することになった
服薬と点滴通院は続くが
家に帰れる
キャリーケースの中でいつもより少し控えめに
短く鳴き続けるエルを連れた帰り道は
安堵、以外の何者でもなかった
帰宅してキャリーから出すと
エルは猛ダッシュで寝室のベッドの下に潜った
そこは彼女の秘密基地で
人に会いたくない時は大体そこにいる
病院から帰ると大体そこに行くので
いつも通りと言えばいつも通りだ
家族と元の飼い主さんに連絡していると、
また短く鳴きながら
エルがリビングに戻ってきた
短く鳴きながら家の中を歩き回り
何回かトイレに入った
点滴の効果だろうか?
病院にいたのだもの
膀胱炎にはなってないよね…
前ほど声に張りは無いけれど
鳴きながらしっぽをピンと立てて
足にすりすりする
喉がゴロゴロ言っている
割と元気そうだ
嬉しくてあげてみたが、
ちゅーるは不発だった
やはり食欲は戻っていない模様
たくさん鳴くので、シューも反応し始めた
シューはいつものように
ファイティングモードなのだが
エルはそんな気力はない
レフェリーが適宜タオルを投げる
いろんなところを歩いて歩いて
いつものテレビの上の寝場所にたどり着いた
思い出したかのように
身体を伸ばして手足ものびのびと
小一時間ぐっすり眠り
子どもたちが帰宅して声をかけてもらい
そろそろ私も寝ようかと布団を敷いたら
あ!それ!とでも言うように
鳴きながら急いで降りてきて
布団の上に転がった
そっか、柔らかいところで
寝たかったんだね
鳴き声も顔面パンチも
控えめだけれど
わたしの周りを時々移動しながら
喉を盛大に鳴らして
エルは寝た
柔らかいエルの体温と共に
夜中に明け方に
起こされる日々が帰ってきた
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