見出し画像

イギリスの薬局とドラッグストア

どこの国にも必ずあるお店の一つが薬局です。
薬局と一言で言っても、ドラッグストアと呼ばれる薬だけでなく日用品や食品も売っているお店から、調剤薬局、チェーンのお店から個人商店まで様々です。
特に海外では、先だってお伝えしたイタリアの薬局のように自然療法を取り入れている店や、自然療法に特化したハーブや漢方の専門店も見られます。

イギリスではどうでしょうか?
イギリスはエルボリステのようなハーブ専門店は今ではなかなか見られなくなってしまいました。
ホメオパシー薬局の路面店はロンドンには3店舗残っています。
19世紀から20世紀にかけては医療といえばホメオパシーやハーブが主流で、多くの薬局で購入することができたようですが、さて現在の薬局の商品はどんなものが並んでいるのでしょうか?
最新事情についてお伝えします。

まずは、よく見かける薬局をいくつかご紹介します。
英国の2大ドラッグストアといえば、Boots(ブーツ)とSperdrug(スーパードラッグ)でしょう。この2つの店は大抵どこの街にもあります。
品揃えは似ていますが、Superdrugはティーンエイジャーや若年層向けの化粧品や日用品が多い印象があり、特に自然療法っぽい商品は少ないようです。

スーパードラックの路面店。ショッピングモールなどにも見られます。ロンドン郊外ホームステイをしていた町のお店の外観です。

Bootsの方は店内も落ち着いていて、薬局の面影があり、自社商品なども充実していて老舗感が伺えます。

私が住んでいた近くにある古い街並みが残るミッドハーストのBoots。今回ホームステイさせてもらったお友達の家に行く途中で寄りました。ロンドンやショッピングモールのBootsは白が貴重で清潔感があるデザインですが、昔からずっとある店舗はなかなかの存在感があります。

今は生産していませんが、以前は自社ブランドのホメオパシーのレメディやアロマオイルなどもあり購入したことが何度もありました。ヴィクトリア時代にはBootsブランドのホメオパシーのレメディもありました。

以前、私のホメオパシーの先生の一人フランセス・トゥルハート先生の家で撮影した昔のホメオパシーレメディの写真を拡大して切り取ってみました。ボトルの下にBootsのブランド名が見えますか?

では、Bootsで見つけた商品をいくつかご紹介しましよう。
自然療法と西洋医学の商品が明確に分けられて陳列されていることは最近は無くなってしまったようですが、以前私が住んでいた頃はコーナーがありました。
今は、症状ごとに普通の薬と共に昔ながらの長年使われている薬としてのシロップなどが並んでいます。別れて並んでいるのは買いやすくもありますが、実はこのように一緒に並んでいる方が、ナチュラルを求めてない人も使うきっかけになるのかもしれません。
コロナ前に渡英した時はあったはずのホメオパシーのレメディは残念ながら見られませんでした。

消化に悩む人が目指す棚には、日本でいうところのパンシロンのような薬のほか、イチジクのシロップやミントの入ったカプセルなどがありました。

イチヂクのシロップは胃腸薬のコーナーに。ジェもセラピーでもイチヂクの芽をお腹の不調に使います。

風邪の症状にはパブロン!が日本ですが、イギリス人は熱でも喉の痛みでも頭痛でも、なんでもパラセタモルというアセトアミノフェンの薬を使います。安いお店だと、日本の感覚だと1箱100円くらいな感じで購入できるのでお手軽なのでしょう。
でも、その下を見るといくつか選択肢があり、ハーブやスパイスを使った咳のシロップやスプレーも並んでいました。

昔ながらのペパーミントやアニス、カプシカムオイルを使った咳や痰のシロップ、右下はタイムやマーシュマロウを使った咳のシロップ、その左はアセトアミノフェンが入ってるナチュラルではない薬

免疫力アップのコーナーにはエキナセアのマザーティンクチャー(チンキ)やタブレット、腸内細菌を整える腸活サプリとも言えるプロバイオティクスも並んでいました。

免疫力を高めたい時にあなたが選ぶ商品は?

同じ免疫力の棚の続きにアロマオイルやフラワーエッセンス、CBDオイルもありました。心と体がつながっているというのが当たり前な国とはまだ思えませんが、なんとなくみんな分かってきているということなのでしょうか?
しかも3つ買うと2つ分の料金で1つ無料になるというお得なセール中でした!

3つ買うと2つの金額で1つ無料になるお得なバーゲン中の自然療法グッズ

生理痛や更年期など女性のセルフケアとしてよく知られているのがこちらのクランベリーと写真にはないですがイブニングプリムローズ。
薬局や自然食品店でよく見かけます。

女性のトラブルといえばクランベリー!膀胱炎にも

歯ブラシのコーナーにはエコな商品も並んでいました。しかも大手ブランドのコルゲイトではありませんか!?日本にもあるのかしら?

最近は再生プラスティックや竹のハンドルの歯ブラシも増えてきました

こちらは古そうなパッケージのお薬です。赤ちゃんの歯が生えるときに使うパウダーです。マトリカリアと書いてあるので、カモミールですね。ホメオパシーでもカモミラというカモミールのレメディを使います。歯が生えるときは歯茎がむずむずするのか、機嫌が悪いことが多いので、泣き止まない激しいイライラに使うのがホメオパシー流です。
これもバーゲン!

伝統的に使われるカモミールの薬

こちらは私も初めて見ましたが、名前に笑ってしまいました。
イタリア産らしいのですが、オトーサンにはどんな意味があるのでしょうか?お父さんではなさそうですね(笑)。
ナチュラルケア商品だそうで、耳垢が取れないときに耳の中に入れて掃除するもののようです。

スイートアーモンドオイルにゼラニウムやジュニパーなどのオイル、プロポリスなどが入っています

もちろん街にはチェーン店だけでなく、個人店もあります。
ミッドハーストのBootsの向かい側にあった薬局に入ってみたところ、ここは日本でいう調剤薬局的なところでしたが、一般的な商品も売っていました。
看板にはクリニックとも書いてあるのでプライベートで診療をしているところなのかと思います。
イギリスは国民健康保険NHSという制度があり、国民は全員この保険を使い無料で地域の登録した医師に診てもらうことができますが、個人で料金を支払い医師や病院を選ぶことも可能です。私は英国暮らしの際はプライベートの保険に加入し、その保険でホメオパシーやオステオパシーを医療の代わりとして使っていました。

チェーン店ではない薬局も時々見かけます。

そして英国では赤ちゃん用品は薬局で購入することが多いのですが、ここでも色々と揃っていました。日本でもお馴染みなウェレダなどナチュラルな商品も目に着きました。ネルソンズのホメオパシーのレメディも並んでいました。

赤ちゃんには自然なものを使いたいのはイギリス人も同じですね。

まだまだ面白い商品がありましたが、一つずつ紹介するのはとっても長くなってしまうので、面白そうなものをピックアップしてお伝えしてみました。
日本のドラッグストアで見られる代替療法のものといえば、お灸くらいな気がしますが、イタリアに続きイギリスも少なくなったとは言えまだまだ代替療法の選択肢が豊富でした。
皆さんも、イギリスに旅行に行くことがあったら、ドラッグストアに立ち寄ってみてくださいね。
一風変わった、面白いお土産が買えるかもしれません。