第11回中国高等学校サッカー新人大会山口県大会決勝 高川学園VS聖光 レビュー
第11回中国高等学校サッカー新人大会山口県大会は高川学園の優勝で幕を閉じた。
高川学園は1-0のクリーンシートで聖光を下して優勝。
新人戦5連覇達成という偉業を成し遂げ、今年も県内三冠タイトルの一つ目を手にした。
しかし、決勝戦は聖光のゲームだった。
聖光の攻撃を一言で表すと「縦に速く、ピッチの幅を広く使った攻撃」。
この攻撃が高川学園を苦しめた。
聖光は攻守の切り替えが早く、特に「守から攻」の切り替えの早さは、高川学園のそれを上回っていた。
ボールを回収した後のカウンターで、幾度となく高川学園のゴールを脅かしていた。
サイドチェンジやクロスの精度も高く、17番FW浅谷や14番MF松嶋など、個で勝負できる選手も揃っており、攻撃という面ではこの時期のチームとしての完成度は非常に高かった。
高川学園はゴールポストや17番GK古屋のファインセーブに救われた感は否めない。
しかし、聖光は守備に課題がある。
これはセットプレー時の守備を苦手とするチームの特徴でもあるが、聖光のDF陣は対人の守備を得意とする反面、組織的な守備を苦手としているように見えた。
その守備は西京戦でも気になっていたが、やはりセットプレーから失点が生まれた。
聖光の流れで試合が進んでいただけに、この失点のダメージは大きかったはず。
決勝まで無失点で勝ち上がってきたが、もうひとつ上のランクへ勝ち上がるためには、組織的な守備力の強化が必要であろう。
一方の高川学園は、やりたいことをさせてもらえなかったという印象。
高川学園も手数をかけずに前線へという攻撃だったが、いかんせんトップにボールが収まらない。
聖光の速いプレスのせいか、前線へのボールの質も良くなかった。
セカンドボールも拾われ、聖光のカウンターからゴールを脅かされる始末。
数少ない決定機も、周南芝に足をとられて得点ならず。(余談だが、この周南芝、いつになったら張り替えるのだろうか?)
かなり苦しい展開だったことは間違いない。
しかし、そんな流れの中でも勝ち切ったことは評価に値する。
高川学園は10番FW河野が怪我のため離脱、13番MF内田や途中出場したMF25番も、本来はもっと高いパフォーマンスを見せることができる選手。
この1戦の内容が、高川学園の実力ではないことは明らか。
この2校に豊浦を加えた山口県勢が、中国大会でどのようなサッカーを見せてくれるか非常に楽しみである。
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