プロになるためのルート
プロになるためには実に様々なルートがある。
Jクラブの下部組織に入るべきか、大学まで進学したほうがいいのか。
10年に1人の逸材選手であれば、勝手にプロ入りの話も舞い込んでくるので、プロになるためのルートを気にする必要はない。
しかし、実力の拮抗した競争の中でプロになるためには、そのルートを知っておくことが重要である。
より可能性の高い選択肢を選ぶことで、プロ入りを果たすことができるかもしれない。
ここにJ1リーグ所属日本人選手506名(2016年)のプロになるまでのルートをまとめてみた。
最終経歴(大学・ユース・高校)別の割合としては、若干ユース出身が多いものの、そこまで大きな差はない。
これをJrユースを出発点としたプロへのルートとして細かく分類。
そのベスト5がこちら。
Jユースからのプロ入りは143名。
ユース所属での2種登録を除く数字にもかかわらず、ダントツのトップとなっている。
Jの下部組織に所属すれば、所属のチーム内で常にアピールできるメリットがある。
トップチームへの昇格の可能性は、その他のルートに比べて当然高くなる。
特に柏レイソルやコンサドーレ札幌は、この傾向が顕著に表れている完全な自給自足型。
新卒ルーキーの割合がユース出身で約80%。
「柏レイソルやコンサドーレ札幌でプロになりたいなら下部組織に入れ」。
そう断言できるトップ昇格率である。
高校や大学経由でプロになるためには、Jチームのスカウト陣に、如何にアピールできるかがポイントとなる。
夏のインターハイや全国高校サッカー選手権。
総理大臣杯やインカレ、天皇杯など。
全国規模の大会で活躍することが、プロへの近道となる。
一方、全国規模の大会への出場経験がないにもかかわらず、毎年コンスタントにプロを輩出している高校がある。
その数、過去5年で7名。
大阪にある興國高校は、Jクラブが欲しがる選手の育成を行っている。
来シーズンにレノファへの新加入が内定した高卒ルーキー起も興國高校出身。
スカウト陣の注目度も高く、最近はプロになるために興國高校へ進学する者も多い。
下部組織を持ちながら、九州の大学にもルートを持つサガン鳥栖。
昨年、田川と石川がユースから初のトップ昇格。
最近は育成組織が強化されているので、今後はユースからの昇格組が増えるかもしれないが、以前は九州の大学から人材を集めるのが主流だった。
2013年加入の坂井と2015年加入の福田は、共に鹿屋体育大出身。
2014年に加入の藤嶋、2015年加入の山﨑は福岡大出身。
セレッソに入団した永石は、大学時代にサガン鳥栖でJリーグ特別指定選手として登録されていた。
彼も福岡大出身である。
サガン鳥栖でプロになりたいなら、ユースか九州の強豪大学へ入ることが近道となる。
レノファ山口のルートも気になるところ。
J3昇格以降の新卒ルーキーに共通項はないものかと調べてみたものの、特記すべき事項がない…。
あえて言うなら、ほぼ大卒。
来シーズンから起(高卒)が加入するが、ユースも2014年に発足したばかりで、トップ昇格は0。
育成組織が強化されるまで、もうしばらくは大卒が主流となるだろうが、今年、高川学園の選手が何度か練習会に参加している。
地元出身の高卒ルーキーが誕生することを願いたい。
他にも、サガン鳥栖と同モデル地域密着型のアビスパ福岡、関東大学サッカー出身者を主流ルートとする川崎フロンターレなど、チームによって様々なルートが存在する。
Jクラブの内定情報を把握して、希望のチームを目指すのも、プロになるための可能性を高める方法のひとつである。
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