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第97回全国高校サッカー選手権大会 山口県大会 準決勝 高川学園VS聖光 レビュー

高川学園が圧勝すると思っていた。

春のインターハイ予選準決勝でも高川学園と対戦していたが、これといってインパクトのあるチームではなかった。

しかし、今日の聖光は夏とは別のチームのように見えた。

FW山口らの勢いある前線からのハイプレス、2年生ながら大事な一戦でCBを任された中川らの堅い守備は、幾度となく高川学園の攻撃を跳ね返していた。

守備時に5バックの陣形を取り、サイドからの攻撃にも対応。

中盤に位置するMF濱口や品部には人数をかけた守備で、彼らに仕事をさせない。

攻撃陣も奮闘していた。

ボールを回収すると直ぐに前線が動き出し、MF藤井が起点となって厚みのある攻撃を展開していた。

終始ボールを保持していたのは高川学園だったが、聖光はその対策として準備してきたプランを実行できていたように見えた。

時間が経てば機能しなくなるだろうと思ったこのプランも、延長戦まで集中力を切らすことなく実行されていたのである。

特に印象に残ったシーンは前がかりになっていた高川学園に対し、聖光のFWがセンターサークル付近でボール奪取を試みたシーン。

高川学園はGK海老澤の見事なカバーリングで事なきを得たが、聖光の決定機となってもおかしくなかった。

また、後半に投入されたFW松嶋のフリーキックも印象に残った。

彼もケガに泣いた選手。

最後の選手権で山口王者との対戦。

この試合のターニングポイントのひとつだったように思うが、そのシュートは惜しくもポストに阻まれた。

思うようなサッカーをさせてもらえず苦しい時間が続いた高川学園だったが、後半にスーパーサブの山本を投入。

これを機に高川学園は徐々に流れを引き寄せていく。

高さで競り勝つ山本には当然のごとくマークが集中する。

延長前半、これを逆手にとったゴールが生まれる。

ゲーム終盤は高い位置での攻撃参加を見せていたDF田近。

危険予知能力というかボールがどこにくるのか分かる選手なのかもしれない。

チームを救ったのは、それまで再三ゴールを守ってきたCBの一撃だった。

これほど苦しい試合を勝ち切ってしまう高川学園は強かった。

しかし、インターハイ全国ベスト16の強豪をここまで苦しめた今日の聖光も強かった。

失礼を承知で書くが、聖光に対しては、恰好を気にしたプレーをする、疲れたら走れなくなるチームという印象を持っていた。

しかし、今日の聖光は違った。

観ていて面白かったし、応援したくなるチームだった。

これからの聖光サッカー部が楽しみだ。

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