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ワールドカップに戦い方の美学は必要ない

日本代表がロシアワールドカップGL突破を決めた。

GL突破を決めたものの、最終戦のポーランド戦、後半残り10分の戦い方と西野監督の采配についてはSNSでも賛否両論。

他力本願だとか、育成上良くないとか、様々な意見が飛び交う中で、この最後の10分について「日本代表のミッションとは何か?」を改めて考えるべきではなかろうかと思った。

日本代表のミッションとは「ワールドカップで結果を残すこと」。

ワールドカップで結果を残すために選ばれたのが日本のA代表である。

この日本代表選手の育成には、U-11・U-12 の各地区トレセンに始まり、各ブロックトレセン・ナショナルトレセン・年代別の代表選抜など、A代表選出に至るまで様々な育成制度がある。

このような選手の育成制度だけでも各チームの指導者やスタッフ、A代表まで辿り着けなかった選手も含め、そしてその家族まで、実は多くの人が日本代表に関わっているのだ。

その人たちが積み上げてきたものをA代表は背負っている。

そのA代表のミッションは「ワールドカップで結果を残すこと」。「最後まで果敢に戦い抜く姿を魅せること」ではない。

決してポーランド戦の後半残り10分の戦い方を推奨しているわけではない。

むしろ私は「フットボールは常に魅力的かつ攻撃的にプレーし、スペクタクルでなければならない」クライフ派だ。

しかし、ワールドカップでの日本代表のミッションは何か?と考えれば、ポーランドとの戦い方も批判されるものではない。

GL突破の可能性が少しでも高い選択をする。

そして西野監督が下した采配が「時間稼ぎ」だった。

残念ながら日本代表はまだ弱い。

正攻法でポーランドと互角に戦う力を持ち合わせていなかった。

GL初戦のコロンビア戦も勝利したとはいえ、ほぼ90分間、相手が10人という数的有利な状況での勝利。

唯一勝ち点3を狙えたはずのセネガル戦も苦しみながら何とかドロー。

既に2敗で消化試合のポーランド相手にも先制を許し、一時はGL敗退の危機にさらされた。

弱者がGL突破するためにとったのが、失点のリスクだけを抑えたコロンビア頼みという策だった。

結果として、日本代表が2002年、2010年に収めたベスト16という過去最高の成績と並んだのである。

6月30日からはワールドカップの決勝トーナメントが始まる。

当然のことながら、決勝トーナメントではポーランド戦のようなことは起こりえない。

それでも、日本代表にはこれまで通り「ワールドカップで結果を残すこと」に拘った戦い方を期待したい。

ミッション達成のためには、醜くても弱者なりの戦い方でかまわない。

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