- 運営しているクリエイター
2023年1月の記事一覧
献辞 -桜貝の便箋に向かう少女に捧ぐ
献辞を読むのがたまらなく好きだ。
例えば、『星の王子さま』のもの。これは献辞の中でも有名で、覚えていて好きだという人も多いんじゃないかと思う。
献辞ではないが、最近だと謝辞の中の下記文章にノックアウトされた。
私は「誰かのために書かれた文章」が好きだ。作者の気持ちとか、2人の間にあった関係だとかが、まるで自分の側に柔らかく暖かいかたまりとして存在するかのように感じられるから。そして不特定多数の
ロッキン・ホース・モンブランガール
ずっと自分ではない誰かになりたかった。
自分のことが恥ずかしくて、いつも周りの人間を騙しているような罪悪感を抱えていた。「優しいね」とよく言われた。人に嫌われたくなくて優しいフリをしているだけだった。「物知りだね」とよく言われた。話すのが苦手だから自分の世界に閉じこもって本をたくさん読んでいるだけだった。「面白いね」とよく言われた。ただ社会適応力がなくズレているだけだった。自分でいることが嫌でい