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シェアリングサービス「Luup」の利用データの分析は、提携した東京海上日動と双方にメリットをもたらす戦略だ

今回は、シェアリングサービスのLuup(ループ)が東京海上日動と資本業務提携を行なったこちらのニュースから戦略を読み解きます。

なお、以降はシステム思考のループ図を使って説明します。

ループ図の読み方については、以下の記事を参照ください。

ということで、まずはLuupの事業から。

Luupは、電動アシスト自転車や電動キックボードでシェアリングサービスを行っているスタートアップ。東京と大阪を中心にサービスを展開しています。

Luupのビジネスの要は、なんといってもポート(電動キックボードなどが借りれる拠点)の数です。ポートの数で利便性が決定するので、ポートを増やさなければいけません。

そして、着々とポート数を拡大しているので、利用者も増えています(下図、青い拡張ループ)。ちなみに拡張ループというのは、お互いが因果となって強化しあう関係性のこと。

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しかし、利用者が増えるとトラブルも増加します。トラブル増加はサービスの評判を落とします(上図、赤い破線)。

結果、利用者を減少させる均衡ループが生まれます。(均衡ループは、抑制する働きがあります。ここでは、キックボードの利用者数を抑制してます、)

今回の取り組みでは、このようなトラブルを解決するために、IoTで接続されているキックボードから収集した「利用データ」を活用することで「事故防止策」を考えます。

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「利用データ」の分析が進めば「事故防止策」が増えます。そして「事故防止策」が増えれば、「交通トラブル」が減ります。こちも均衡ループで、今回は交通トラブルを抑制するループとなります。

そして、今回の資本業務提携のポイントがこちら。

東京海上日動は業務提携で「利用データ」を取得することで、保険商品を開発するための情報が得られます。

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シェアリングエコノミーの市場はこれからも拡大する見込みなので、いち早く競合が持たないデータを囲い込むことが優位性となります。

競合他社に先駆けて保険商品を開発できれば、将来の売上にもつながります。これは「交通トラブル」という社会的な課題を解決しつつ、新しい保険市場を開拓する素晴らしい戦略ですよね。

最後にもう一度、ループ図全体を俯瞰してみましょう。

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Luupはキックボードの利用者の増加による、交通トラブルで評判を落としかねないわけですが、利用データを活用することで解決を図ります。

赤色のループは事故防止策で交通トラブルを抑制し、評判を落とさないことでキックボード利用者の継続的な増加を目論みます。

一方で資本業務提携をした東京海上日動は、Luupの事故防止をサポートしながらも、新たな市場の商品開発を進めるしたたかな戦略と言えます。

結構綺麗にまとまった戦略ですよね。

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ということで、ループ図による戦略図解について興味を持たれた方は、以下の記事も読んでみてください。

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