頭では理解しているは、ほとんど理解できていない。
「ラボも完全に安全とは言い切れない。」
来た道を戻っていくと
息がくるしいかんじがした。
「焦げ臭いな…。…」
扉をあけたとたん、黒い煙に体育館はつつまれていた。
火は扉の近くまできていた。
アタシは、めがねちゃんの手をとって走った。
熱いはずなのに冷たかった。
必死の思いで、ぺぺとめがねちゃんと外にでた。
「おい。人は誰もいなかったんだ。誰かがわざと…。」
きっと、あの変態帽子の仕業だった。
スカートが少し焼けて黒くなっていた。
触ると、ボロっと部分的に崩れて無くなった。
「ユミがこれから戦う相手は“自然”だ。」
「自然?」
「自然本来のエネルギーは見えていなくても生きている。だから、こうして人間も生きていられる。自然本来のエネルギーはもてあまされているんだ。」
色が見えないことで、不便したことはない。
産まれてからずっとそうだから、当たり前だった。
この猫も、めがねちゃんは
アタシに会ったときから
私たちが、完璧じゃない状態で生きてきたと
言うんだ。
見たことも、ないからわからないのに。
「自然のエネルギーが悪用されている。それを取り戻す。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?