長崎FA医学委員会の活動紹介〜高校サッカーのサポート〜
こんにちは。
理学療法士の吉田です。
今回は、長崎県サッカー協会医学委員会の活動の1つである”メディカルサポート活動”について、特に高校サッカーへの関わりとその現状について紹介します。
僕が活動している長崎県サッカー協会医学委員会では、長崎県理学療法士協会と協力して、高校サッカーの主要大会である”新人戦”、”高校総体”、”選手権”の3大会のメディカルサポートを行っています。
高校サッカー以外の大会については、医学委員会単独でのサポート活動となっていますが、高校サッカーの主要3大会については長崎県理学療法士協会の協力を得てサポート活動を行っています。
なぜ、長崎県理学療法士協会と協力してサポートを行っているのか?
それは、この活動が始まった経緯として2003年の長崎ゆめ総体が開催される際に、長崎県サッカー協会から長崎県理学療法士協会にメディカルサポートの依頼があったことがきっかけだからです。
この活動をきっかけとして、新人戦や選手権についても県大会のサポートを継続して行うようになり、15年経過した現在でもその体制が続いています。
具体的にどのような体制で行っているかというと、
メディカルスタッフを基本的に1会場(コート)に1~2名を配置しています。
場合によっては、1会場2コートを1名でサポートしなければならないこともあります。
1名で会場をサポートすることが不安な経験の浅い方に対しては、アシスタントという形で入り、メイントレーナーの業務を見学しながら勉強してもらうことも多々あります。
会場での業務としては、
・応急処置
・テーピング
・試合前後のコンディショニング
・負傷者への対応
・相談への対応(選手・審判も含む)
などです。
活動時は大会本部テント内で待機して、選手の依頼を受けます。
物品(テーピング等)は医学委員会から提供されたものを使用し、氷等はスタッフが各自で準備して持参します。
サポートスタッフ決定から派遣の流れとしては、下記の図のような感じです。
長崎県サッカー協会(2種委員会)からのメディカルスタッフ派遣の要請を受けた長崎県理学療法士協会健康増進部が県内の理学療法士に向けてスタッフを公募し、そこで応募があったスタッフの中から派遣スタッフを決定します。
流れとしては”公募”という形態を取っていますが、実際はほとんどが普段から医学委員として活動しているメンバーで派遣スタッフは構成されているのが現状です。
長崎県理学療法士協会は、派遣されることが決定したスタッフに対して、何か事故があった時に備えて傷害保険への加入手続きを行います。
以上が大会派遣前までの流れです。
活動終了後は、長崎県サッカー協会から報酬が出ています。
それでは、具体的にどれくらいの数、どのような内容の業務があるのでしょうか。
自分たちの活動を知ってもらうために、定期的にサポート活動に関する業務をまとめたものがあるので、このまとめ資料の一部を使って紹介します。
このデータは、2014年から2016年の3年間の活動記録をまとめたものです。
内容は下記の5項目。
①対応試合数
②サポートスタッフの数
③対応件数
④対応部位
⑤対応内容
対応試合数について
全337試合中275試合にスタッフが対応し、その対応率81.6%でした。
ちなみに、
2003年〜2005年の3年間の対応率は54%
2009年〜2013年の5年間の対応率は84.3%
です。
活動当初と比較するとこの10年間でかなりの試合に対応できるようになってきていることが分かります。
サポートスタッフの数
スタッフ総数は述べ111名、1大会平均12.3名が配置されました。
スタッフ数についても過去のデータと比較すると、
2003年〜2005年では年間平均31.3名
2009年〜2013年では年間平均37.2名
2014年〜2016年は年間平均37名ですので、スタッフ数についてもここ10年で徐々に増えてきた傾向にあります。
対応件数
3年間の総対応件数は202件。
1大会平均24.4件、1試合平均0.7件の対応がありました。
高総体では圧倒的に試合数が多いため、高総体での対応がもっとも多く131件ありました。
対応部位
対応部位は、足部・足関節が最も多く3年間で59件でした。
この結果については、過去のデータと比較してもほとんど傾向は変わりません。
これからサッカー現場で活動する方は足部・足関節の外傷への対応方法、テーピングの習得は必須となりそうですね。
対応内容
対応内容としては、試合前のテーピングが最も多かったです。
選手権や新人戦は県大会であるために自チームにトレーナーが帯同しているチームも多く、テーピング対応などは自チームで対応できることが多いんですが、高総体は県内の全てのサッカー部が出場しているためテーピングを自分たちで巻くことができずに、会場本部に常駐しているメディカルスタッフに依頼することが多くなるため、高総体でのテーピング対応が圧倒的に多いという結果となっています。
おわりに
いかがだったでしょうか。
色々とデータをまとめていくと長崎県の高校サッカーをサポートする体制が徐々に充実してきているように感じます。
今の現状があるのもこれまで活動してきた先輩方のおかげです。
今後は先輩方が築き上げてきた体制をさらに充実させ、少しでも多くの選手のサポートができればと考えています。
そのためにはマンパワーの確保が重要だと考え、現在長崎県サッカー協会医学委員会では、Trainser's Seminarというサッカー現場で活動するトレーナーを育成するための事業を展開中です。
詳しくはこちらを読んでください。
今回は、高校サッカーに限定した活動について紹介しましたが、長崎県では小学生・中学生の大会への対応も行っていますし、最近では女子の大会サポートも始まりました。
今後、機会があればそちらも紹介したいと思います。
今回の内容について、他県ではどのような活動が行われているのか、色々と情報交換できると嬉しいです。
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