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歯科医院で口腔内スキャナーを使って型をとってみた

今回のnoteは歯科医院における体験談です。

自分、歯科業界で働いているんで、そこそこ歯に対する意識は高いのかと勝手に思っています。だから、毎晩歯磨きをした後のフロス(歯間ブラシ)を欠かさないんです。

11月下旬のこと、いつものようにフロスをしていたんですが、フロスを歯間から抜いた瞬間、「パチッ」という音がしたんです。それから、舌で自分の歯を確認すると、下の歯の詰め物(俗に言う「インレー」)が無くなっているんです。「パチッ」という音は、フロスを抜いた時に詰め物が飛んで行ったやつやったんです。

詰め物をしている方は分かるかと思うんですが、詰め物が無くなった時の喪失感。これは、かなりのショック。だって、ご飯がおいしく食べられないし、口の中違和感しかないし、心のダメージもあるし。(個人的感想です)

とりあえず、詰め物が無い状態だといいことがないので、緊急処置で近くの歯医者さんに仮封(応急的に詰め物が入る部分にフタをする)をしました。しかし、この仮封は材料的に長く持たない。。。。

よろしくない境遇をチャンスと捉える

普通に詰め物を作るとき、歯医者に行って皆さんが体験することって、

アルジネート

こういうピンクのひんやりしたやつ(アルジネートが本名ですが、ここでは「ピンクのやつ」と呼んでおきます)を、口の中に入れますよね。んで、数分待って撤去する。

これって、上下両方採るのが通常なのですが、結構負担が大きいんですよね。自分もこれ、苦手で、ピンクのやつが多いと喉元まで降りてきて、

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「おえーーーーっ」

ってなるんですよね。歯磨きしててなるやつと同じ。

そして、バイトと呼ばれるワックス

バイト

これを咬むんですよね。

んで、このピンクのやつに石膏を流して

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こんな模型を作るんです。

上と下の模型をバイトと呼ばれるワックスを元にかみ合わせの位置を決めるんです。そんな模型に対して歯科技工士さんが詰め物を作っていく訳なんです。

実はこれって、被せ物や入れ歯を作るとき、矯正をするときに通る道なんですよね。

またピンクのやつをやるのかと思うと、「歯医者行きたくない」ってなるんですよね。

せっかく歯科業界に身を置いているので、なんかいい方法で詰め物を作れないものかと考えたんです。

そこで思いついたのが、うちの会社で今販促している「口腔内スキャナー」なるものを利用してみようと。

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これ。口の中をスキャニングするやつ。実は、保険適用にはなっていないのですが、(まあ近いうちには保険適用になるんじゃないの?という見込みはあるようです)これで、詰め物を作ってみたらいいのではないかと思ったわけです。

現在、歯科医院さんに対してお試しでデモを行って体験してもらう取り組みをしているんです。

あ、自分が患者さん役としてどこかで体験してもらえば自分も詰め物が入るし、歯科医院さんも体験できて一石二鳥ではないか!?

と、ポジティブに捉えたんですよ。

てなわけで、とある営業所の所長さんに相談してみました。

そして!

デモを行ってくれる歯科医院さんがあったということで、そこに患者さん役として参加させて頂くことになりました。

「よろしくない境遇をチャンスに変える」

前向きに考えた結果、良きことになりました。

しかし、デモまでの期間、約半月。。。それまでは、食べ物とかとっても気を使いながら過ごす日々。もう、神経がすり切れそうです。

デモ当日を迎えて口腔内スキャナーを体験する

歯科医院さんにご挨拶しつつ、営業所の所長さんも交えてデモを行うながれになりました。ついでなので、詰め物がとれた隣の歯も作り直しちゃえ!と思い、先生に入っている詰め物を撤去してもらい、詰め物の入る歯の形を整え直してもらいました。神経のある歯なので、すこーし痛かったですw

そういえば、自分、小さい頃から歯医者さんに抵抗がなかったなーと思い起こしたりもしました。あの、「キィーーーッン」ってい音が嫌だと言う人もいるんですよね。。。これは、多分、なくならなそう。

もうね、削ったりするのが嫌だ!という人は、最低でも半年に1回は定期検診いった方がいいんですよね。虫歯や歯周病になるリスク抑えられるし。歯は一生物。歯がしっかりしているかどうかで寿命が決まる位だし。

さあ、そして形を整えたところを口腔内スキャナーでとっていきますよ。

(スキャニングしている様子の写真がなくて大変恐縮なのですがっっw)

使った口腔内スキャナーがこれ。

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TRIOSとよばれるもの。この記事のトップにあったのと同じです。

そして、先端の部分でスキャニングします。

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恐らく世の中にあるスキャンの仕組みをと同じです。静止画を高速で撮影し、それらを組み合わせて口の中を再現する。

ってことは、パソコンと接続して画像処理をするんです。したがって、パソコンの画像処理の速さが肝であり、パソコンのスペックがかなり重要だと思うんです。スキャナーがいまいちだなーって思うならば、パソコンの画像処理を考えるのもあり。

流れは、下の歯をスキャニング、上の歯をスキャニング、軽く咬んだ状態でスキャニング、計3パターンを行いました。もちろん、スキャニングして頂いたのは先生ですよ。先生も初めての体験でしたが、すっごく手際よくスキャニングされていました。

1回のスキャニングにかかった時間は3~4分位。そして口の中に入れるスキャン部分はそんなに大きくなく、3回やったところで負担がなかったです。先生がスキャニングに慣れてくると、恐らく時間は2分未満で終わるのではないのかなと思います。何事も慣れってやつですね。

で、3回スキャニングした結果、かみ合わせの状態の様子をパソコンで見る事ができるんです。

スキャニング

これは自分のではないのですが、こんな感じというイメージです。

ちょっと気になったのは、かみ合わせた状態をスキャニングするときに、

「自分はこのかみ合わせでよいのだろうか」

とちょっと思うこと。かみ合わせた状態で左右スキャニングするので、スキャニングするのと反対側で、バイトを咬んだ状態にすると安定するのかなと思いました。

に、してもですよ、

ピンクのやつを入れて数分待つよりは、全然楽!

口腔内スキャナーだと、スキャニングからかみ合わせをパソコン上で確認、データを技工所に送信で15分位。

ピンクのやつだと、上下型を取って、そこに石膏を流して、固まるのを待って、なんやかんやで1時間ぐらいかかるんじゃないかと。時間の確保という点でも、口腔内スキャナーはいいんじゃないかと。空いた時間で色々歯科医院さんはできそうだし。

口腔内スキャナーで働き方改革

先に、時間的な良いところを書きました。

これって、働き方改革に繫がるんじゃないのと思うのですが、まだまだあるんです。

コアな話になりますが、ピンクのやつと石膏って粉と水を混ぜて作るんですが、粉と水の割合を間違えると、出来上がる模型の精度に影響が出るんです。本来は口の中=模型が同じでないといけない。割合を間違えると、口の中と模型が違ってしまう。そうすると、出来上がってくる詰め物も、模型では合っているが、口の中では合わないということが起きるんです。この現象は、ピンクのやつで採った型に石膏を流して固まるまで一定の時間待つのですが、早く型から取ってしまうと石膏の膨張・収縮で変形してしまうことも原因としてあるんです。詰め物が合わない原因はそれ以外にも、歯科技工士さんのテクニカルエラーもあるのですが。。。別パターンとして、型が上手く採れない、空気が混じってしまう、石膏を流すときに空気が混じってしまうことによって、もう一度患者さんに型を取らしてもらうこともある。患者さんの負担が増えてしまう。という具合で、良くないことも起こる場合があるんですよね。

いずれにせよ、口の中と模型が合わないと患者さんはもう一回型を取らないといけない。歯科技工士さんはもう一度詰め物を作り直して、患者さんに入れる・・・。患者さんは歯科医院さんに余分に来ないといけない、歯科技工士さんはもう一度同じ物を作らないといけない(これ、無償というのが多いパターンです。ここもホント、無駄)。先生も他にやらなきゃならないことがあるのに、もう一回同じ事をしないとならない。。。

みんなの時間を奪うリスクがあるんですよね。。。。

だから、口の中=模型にすること、型を取る、石膏を流すという行為をなくすことで、みんなの時間を奪うリスクを少しでも減らすことができる。そういう意味で、口腔内スキャナーっていいことばかりであると思うんですよね。

でもまだお高いんです

これを書いているときはまだ口腔内スキャナーは保険で認められてないんですよね。というのもあるのか、ウン百万円するんです。もっと普及することと保険導入されれば安くなるのかも知れません。

ものは考え方で、今の段階から導入することによってスキャナーを使いこなす、現在はニッチな存在になることで先行者利益を得ることもできるかもしれません。先行投資という意味合いでしょうか。

だからと言って口腔内スキャナーを買ってという訳ではないですが、間違いなくみんながHappyになるアイテムなのかなと思っております。

(スマホも10年前の世間においていは、なんか重い、指紋がつくとかでイマイチな反応だったのですが、今じゃ普通になっているから、まあ、わからないですよねw)

という感じで、口腔内スキャナー体験談でした。

次は、詰め物のセットの様子を書こうかと思います。

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