【前編】カンボジアより、日系IT企業に新しく加わったメンバー達による「自国に住む、私達の今と未来について」
2023年に入り、新たに5名のメンバーが弊社に入社しました。皆さん20代のフレッシュなメンバーで、日本人1名、カンボジア人4名からなります。
このメンバーで、4つのテーマに沿ってお話をする座談会を開催しました。若い世代の皆さんは、どんなことを考えながら自国で生活をしているのでしょうか?
1.カンボジアの好きなところ、嫌いなところ
岡田(進行役):それでは、最初の質問に参りましょう。皆さんはカンボジアに生まれて育ったわけだけれど、自国の好きなところ、嫌いなところはありますか?
ロサディ:うーん、質問が抽象的すぎて、ちょっとなんて言ったらいいかわからない。
岡田:君たちはカンボジアのことよく知ってるでしょう?率直にどう思ってるか聞かせてほしい。
ロサディ:OK、OK。じゃあミネアから始める?
ミネア:ぼく?OK。政治についてはできるだけ話したくないから、、、
岡田:別になんでも話していいですよ。山口さんが後で編集してくれますから。
一同:笑い
ミネア:第一に、カンボジアの文化が好きです。何に対してもです。第二に、カンボジアは全然厳しくないこと。自由で、ほとんどのことがこの国では可能ですね。
岡田:そうなの?たとえばどんな風に自由?
ミネア:うーん、たとえば外国人からすると、この国で仕事を得て働くのは簡単で、どこででも働けますよ。嫌いなところは二つあって、一つ目は、まだまだ発展途上国だということです。インフラが国全体でまだまだよくない、道なんかをみても都会でも全然滑らかじゃないでしょ?
岡田:確かに、トゥクトゥク乗ってる時にもよく道の凸凹で飛び跳ねる時があります。
一同:笑い
ミネア:二つ目は、ゴミの問題です。見てもらったらわかると思うけれど、町中ゴミだらけですよね。これはあんまりいいことじゃない。
岡田:まあまあ綺麗じゃないですか?
ロサディ:うーん、綺麗かもだけど、日本に比べたら全然汚い。
ミネア:みんな普通に道にゴミを捨てるし、掃除をする人が全部拾いきれないよ。
岡田:分別もそうですよね。こっちに来て、ゴミを紙もびんも全部一緒に捨てるのでびっくりしました。次、ブラックどうですか?
ブラック:うーん、好きなところは、、、一つは人柄でしょうか。カンボジア人の人柄。二つ目は、農業かな。好きなのはそれくらいで嫌いなところに関しては、、笑
一同:笑い
岡田:いっぱいありそうな顔してるね。笑
ブラック:まず渋滞ですね。
一同:わかる。
ブラック:なんていうか、一部の人だけと思うけど、なんていうか、、、
ロサディ:やばい人いるよね。
岡田:どんな感じなの?
ブラック:なんていうか、車の運転の仕方を全くわかっていない人はいる。
ロサディ:そもそも交通ルールに従おうとしないんですよ。たとえば、バイク専用レーンに割り込んでバイクとぶつかったり、、、
岡田:じゃあ交通事故は頻繁に起こる?
一同:多いよ。
ロサディ:でもそんなに頻繁ではないよ。なんでかっていうと、広い道があんまりないし、スピード出す車が少ないから。でも危ないですよ。みんな車線無視して割り込みまくってる、ほんとに危ないよ。
岡田:そういえばバイクの免許いらないって本当?最初に聞いた時びっくりしたんだけど。
ロサディ:125CCまでの小さいのならいらないですね。
岡田:子供も運転できるって本当?何歳から運転できるの?
ブラック:14歳以上なら運転OK。
ミネア:何歳でも運転できるけど、警察に止められるよ。
ブラック:カンボジアではそんな感じ、、、
ロサディ:でも家の近所だけね。普通、親があんまり遠いところまでは運転させないよ。
岡田:危険だからね。クンティアはどう?
クンティア:私的には好きなのはまず食べ物、カンボジア料理は本当に美味しいと思う。
一同:わかる。
クンティア:色んなの食べてみてほしい。
岡田:一番のおすすめは?
クンティア:私の好きな食べ物は煮込み豚のオルガン(Braised Pork organ)で、パパイヤのピクルスと混ぜて食べるのがとても好き。 また、暇なときは料理をするのが好きで、YouTube でレシピを検索している。
あとはリゾートかな。カンボジアには25の州があって、私の故郷はカンボジア西部にあるポーサット州で、one thousand fifty mountainというリゾート地があるよ。クメール正月やプッチュンバンの休日には多くの人がここを訪れます。
岡田:なるほど
クンティア:プノンペンにはリゾート地はないけどね。ここ(会社があるエリア)は人がたくさんいて、家ばっかりって感じ。嫌いなところはゴミと、渋滞。毎朝1時間かけて会社までバイクで通勤していて、ほんとに毎日ひどい渋滞で最悪です。あとはゴミの問題です。ゴミが多すぎて公害が起こっています。健康にも良くないです。だからカンボジア人はみんな病気を罹っていますよ。
岡田:それは大変ですね。
ブラック:(腕をまくり、健康アピール)
岡田:君は健康そうですね。笑
一同:笑い
クンティア:カンボジア人は最低1か2つ何か病気を抱えてるんじゃないかな。公害だけのせいじゃなくて、色んな原因が合わさってだけど。お酒の問題が多いと思う、ワインとかビールとか。
岡田:お酒の問題を抱えてる人が多いの?
クンティア:そうですよ。
一同:カンボジアは自由ですからね。笑
ロサディ:働きもせずにアルコールを飲む人が多いですよ。
ブラック:僕は違うけどね。笑
ロサディ:もちろん僕も違うよ。笑、僕なんか人生で一滴もビール飲んだことないし。
僕:ほんとに?
ミネア&ブラック:僕は信じるよ、本当らしいよ。
ロサディ:なぜなら僕はムスリムだから。ナーセアタさん(先輩エンジニア)と一緒ですよ、彼もムスリムです。
岡田:そうでしたか、それは知らなかった。
ブラック:今知れたね。笑
岡田:そうですね。笑、ロサディはどうですか?
ロサディ:好きなところは、自由なところです。エンジニアでもなんでも、合法的に雇用されているなら自由です。バイクも運転できるし、路上でご飯も食べていい、誰も気にしないですよ。日本では多分歩きながら食べるなんてことしないでしょう?
岡田:確かにそうかも、、、
ロサディ:警察さえ気をつけていれば何でもしていいですよ、誰もあなたのことを気にしていない。あと好きでないところは、やっぱりゴミの問題です。君はボンケンコン(外国人の多いエリア)に住んでいるんでしょ?あそこはとても綺麗だけれど特別で、他は綺麗じゃない。ゴミの分別もする必要がないし。最近、国はゴミの分別をさせたがっているようですよ。都会から最初に人々に分別をするように教えていっているようです。
岡田:ゴミは最終的にどこに行くんですか?
一同:知らない、、、
ロサディ:もう一つ好きなところは食べ物です。日本、中国、タイ、クメール料理、プノンペンには美味しいレストランがたくさんあるよ。ところでクメールって何か知ってる?
岡田:ああ、クメールですか、クメール王国とかのですよね。
ロサディ:そうそう、昔はクメール王国があったんですよ、君たちはカンボジアって呼ぶけどね、、、まあ全然いいんだけど。
ブラック:クメール語は、クメール人によって話されているオーストロアジア語で、カンボジアの公用語(国語)だね。つまりクメールとカンボジアは同じ意味なんだよ。
岡田:もしかして外国人がカンボジアンって呼ぶのは気に入らない?
ロサディ:全然大丈夫なんだけど、僕らからしたらクメールって言ったら、彼長くカンボジアに住んでるなって分かるよ。
岡田:クメールって呼ばれた方が気分はいいんだ。
ロサディ:そうだね。
ミネア:よりオフィシャルな感じに聞こえるよ。僕は普段は絶対にクメールって言うよ。カンボジアとは言わない。
岡田:そうなの?それはこれを読んでる人にとっても重要な情報ですね。
ロサディ:あと、まあ食べ物は本当に美味しいと思うよ。
岡田:一番何が好き?
ロサディ:日本食が好き。寿司ですね、特にサーモンが一番好き。給料が入ったら、いつも寿司食べにいってるよ。日本食は独特だよね。新鮮な素材を使うし、生魚とか。そういえばYouTubeで寿司を作る動画をよく見るね、魚を捌く動画が面白いんだ。
2.何に情熱を傾けていますか?
岡田:では二つ目のトピックに行こう、情熱を何に傾けてますか?
ブラック:次はロサディから行こう笑
ロサディ:うーん、、、やっぱりコーディングかな。毎日仕事で8時間コーディングをするでしょ?帰ってからも4時間やるよ。だからいつも1時か2時に寝てる。
岡田:え?本当に?
ロサディ:本当だよ!最近はAIに興味があるんだ。あとはjavascriptのフレームワーク、JS はスケーラブルで強力なプログラミング言語で、多くの JS フレームワークがあるよ。 たとえば、Vue.JS は素晴らしい SINGLE-PAGE-RELOAD (SPA) フロントエンド フレームワーク、 Nest.js は、最も強力な NodeJS フレームワークの 1 つだね。
多分この情熱はあと1、2年は続くんじゃないかな、、そのあとは何か別のものにハマると思うよ。インフラ系か、または経済とかマーケティングとかかも知れないし、わからないよ。願望は、将来的に10個のことに詳しい、かつその中で何か一つのスペシャリストになりたいんだ。
岡田:なるほど、10分野のスペシャリストになりたいってこと?
ロサディ:いや、スペシャリストはあくまで1分野で、そのほかは詳しいけどやらないって感じ、そう言う感じの人物になりたいよ。
岡田:なるほど、ちなみに動機はお金?
ロサディ:確かに、お金は原動力だね。笑
岡田:100%?
ロサディ:いや、100%じゃないよ。カンボジアでGreat Human Resource になりたいんだ。たとえば、僕も君も、ここにいるみんなが将来優秀な人材になったらそれって素晴らしいことじゃない?
岡田:ああ、それじゃ君は国全体のことを考えているんだね。
ロサディ:そうだよ、情熱はこの国の未来に繋がっていると思ってるよ。
岡田:なるほど、じゃあこの国に将来もっと立派な国になってほしいと思ってるんだ?
ロサディ:そうだよ
岡田:すごいね、君ならできると思うよ、クンティアはどう思う?
クンティア:私はエンジニアじゃなくて会計だけど、、、もっと仕事について詳しくなりたいかな。なぜなら、カンボジアでは毎月、GDT(税務総局)について申告しないといけない。あとは、NSSF(国家社会保障基金)、毎月これに関しても支払わないといけない。もししくじっちゃうとペナルティがあるから、、だから毎月複雑な手続きがたくさんある。
岡田:そう言うのは全部君の仕事になってるの?
クンティア:そうだよ、税金関係とか全部、複雑だから集中しないといけないし大変。
岡田:とても複雑そうだね。ずっと集中してないといけないね。
クンティア:うん、でも今のところ大量に従業員がいるわけじゃないからなんとかコントロールできてる。笑、私の情熱はこんな感じかな。
岡田:ありがとう。ブラックはどう?
ブラック:うーん、、、僕はITかな。コーディング、インフラだけじゃなくてIT全般。新しい技術とか、ハードウェアソフトウェア関係なく、重要で面白いと思っているよ。なぜなら、これらは結局全部つながっているんだ。ハードウェアの仕組みから新しい技術まで、これらを勉強することに情熱を感じているよ。
岡田:子供の頃からIT系が好きなの?
ブラック:うーん、まあ小さい頃からだね、最初はゲームからだったね。
岡田:ゲームが好きなんだ、どんなゲームするの?
ブラック:全部やるね。モバイルからビデオゲームまでオールジャンル。論理的な考え方はゲームから学べるし、問題をどうやって解決するかとかね。
一つのゲームにハマってトップレート叩き出すこともあるよ。最近はゲームする時間はあんまりないけどね。前職はインフラエンジニアじゃなかったから、今はハードウェアを操作するコーディングについて勉強することに必死だよ。
岡田:同感だよ、ミネアはどう?
ミネア:正直僕は何をしたいかわからないよ。
一同:笑い
ミネア:大学を卒業したけど、まだ探してる感じかな。
岡田:分かるよ。
ミネア:でも最近はゲーム開発に興味がある。学生の頃は数学の授業をよくサボってたから、今勉強し直してるよ。でも今はエンジニアとしてフルタイムで働いてるから、あんまりたっぷりと時間は取れていないけれど。
岡田:じゃあ、将来的にゲーム開発の会社に転職も考えてる?
ミネア:特にここって希望があるわけじゃないけれど、1、2年後には転職したいかな。あと、2025年に初めてゲームをリリースするんだ。
岡田:そうなの?どんなゲーム?
ミネア:それは秘密だよ。笑
岡田:すでに作ってる最中だったんだ。知らなかったよ。
ミネア:そうだよ。今は3Dレンダリングをやっているところで、一人で開発すると全部自分でやらないといけないから大変だよ。なんて言うんだろ、ソロディベロッパーかな?
岡田:今回の作品が君の最初の作品?
ミネア:そうだよ。
岡田:2025年を楽しみにしてるよ、どんなゲームか見てみたい!さあ三つ目のトピックに行こう!
【後編へ続く】
3.IT分野で挑戦してみたいこと
4.カンボジアの将来について
(座談会2023. 02)
翻訳:岡田
撮影:山口