日本の常識は通用しない インド編②
次の日の夜、夜行バスで出発した。
本来はこんな大型バスで行くのだ。
そりゃそうだ、険しい山道を向かうのだ。土台がしっかりしている車の方が良いに決まっている。
しかし私たちはなけなしのタクシーだ
タクシーだ
いやいや、これはトゥクトゥクだ
流石にこれでは無理だ
タクシー…
本当にこれで大丈夫なのかと、最初から疑わなかった私は、本当に若かった…
乗車するとすぐに異変に気づく。
イスラエル人たちは全員で後ろに乗った。
私は前に乗るのだが、、、、
頭をもたれかけるところが壊れていて、寄りかかれない( ;∀;)
これで14時間か、と落胆した。いや、イスラエル人達に交代制でと提案すれば良かったのに。耐えなければいけない、という観念が強いあの頃の私だ。
まぁ、とりあえず無事に出発できた。
2時間も走っていないだろうか、あまり英語が達者でないドライバーがジェスチャーで何かを訴えてくる。
なんと後輪タイヤが一つパンクしたらしいので修理によるというのだ。
もちろんそのままで、山道なんて走らせることなんてできない。
時間はかかりそうだが、修理屋さんが奇跡的に近くにあり、そこへ寄る。
これでは到底14時間では着かないだろうと、早い段階で諦めた。
もう焦っても仕方ない。ゆっくり、ゆっくり…
何時間もたってくると、首が疲れて寄りかかりたくなってくるのだが、イスラエリー達は後ろで優雅に寝ているので、交換して欲しいと言わないでおいた。
もうこれは後々にネタになるだろう。
それから何時間経っただろう、また何かドライバーが訴えてくる。
どうやら今度はクラクションが鳴らなくなったらしい。
インドの交通事情は、このクラクションがかなり大事らしく、自分の存在を知らせるために、(もしくは、俺が先に行くからどいてくれ、のサイン)の為に構わずプープープープー鳴らしまくる。
道路もすごいことになっているインド。
車、バイク、3輪のオートリキシャが走る中、牛や、犬、鶏などの動物が自由に歩き回っている風景は慣れてしまえば当たり前なのだが、初めて見るなら呆然とするのではないかと思う。
これはやばい!と思ったのはウガンダの道。まさに↑こんな感じだから、どこかで経験したなと驚きはしなかったが、今でもドライバーの心理状態は一体?!と疑問に思うのである。
想像つくのではないだろうか、こんなぐちゃぐちゃだったら、クラクションの一つも鳴らしたくなる。
山道では対向車に対してクラクションで合図を出すので、かなり重要なのだ。(カーブミラーがないところが多いm(._.)mだけに)
結局修理もできず、そのまま走らせる事になる。
振り返ると、かなりポンコツでやばいよね、この車???!と感じるのだろうが、旅まひしていた私は焦るというより、当たり前のように一連のハプニングを受け入れていた。。。
あー、そーなんだ。仕方ないよね…的な
タクシーで10何時間というのは長いものだ。
心地よく寝たい。
もちろん寝落ちした。
しかし、首が痛い。頭に何かの支えが欲しい…
半分以上来たと思う。
寝ている私をドライバーが起こす。
お腹を軽くポンポンとするジェスチャーで何か言ってる。
eat food...hungry..
どうやらお腹が空いて、休憩したいらしい。
山道の一角にある休憩所に止まる。
やはり長時間の移動(しかもタクシー)は疲れるものだ。頭もないし…
ボーとする意識の中チャイを飲んだ。
気を改めて出発。
イスラエル人たちも疲れた様子を見せる。
しばらくすると、ドライバーが何かを尋ねてくる。
またお腹が空いたらしい。
確か1時間も経ってない。
それを聞いた後ろの子が、大きなため息をついた。どうやらイラつき始めた。先を急ぎたいのに、また休憩かよと。
俺たちは急ぎたいんだ!の訴えに、ドライバーは動じなかった。いや、お腹が空いて、運転できないから休憩すると。
私はというと、ドライバーの味方だったりする。そりゃそうだよなと思うから。いくら運転に慣れていても、10何時間も、しかも山道を、そりゃこまめに休憩ぐらいしたいよね。
これから、休憩の頻度が早くなっていくのだが、イスラエル人達がマジで怒りの色を見せ始めた。
もしかしたら旅に慣れていないのかな?
もう少し運転している人の気持ち考えたらどうなんだろ?と逆に彼らに腹がったってきた。こまめに休憩ぐらいさせてあげたら良いのに。
嫌悪な雰囲気が車内に流れ始める。
ドライバーを除いては。笑
こんなマイペースがインド人のいいところだと思っているが、、、
機械というものは実に素直だという意見を持っているのだが、乗っている人間の怒りのパワーを敏感に感じ取ったのか
最後の不備が生じる。
ガードレールのない山道。
落ちたら崖へまっしぐらなそんな山道。
そこでだ。
ブレーキが効かなくなったのだ。
その③に続く。