【ディラ研】1966年ツアーのセッティングはこんなにも面倒くさかった

2020年8月21日付で別のブログにアップしていたものを一部修正のうえ転載しました。

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自由研究

お盆休みの研究レポートを発表します。
まず、ソロのセットから。
楽屋で以下を事前準備します。
・アコギ ⇒ レギュラーチューニングで5フレットにカポを装着します。
・ハーモニカ ⇒ Fキーのものをホルダーに装着します。

舞台に出て、「She Belongs to Me」を演奏します。

その後、
・アコギ ⇒ カポを4フレットに移動し、6弦を4フレット分下げます。(6弦を鳴らすとE音が出る状態)
・ハーモニカ ⇒ Eキーのものに取り替えます。

準備ができたら、「Fourth Time Around」を演奏します。

その後、
・アコギ ⇒ カポを2フレットに移動し、6弦を4フレット分上げてレギュラーに戻します。(6弦を鳴らすとF#音が出る状態)
・ハーモニカ ⇒ Dキーのものに取り替えます。

準備ができたら、「Visions of Johanna」を演奏します。

その後、
・アコギ ⇒ カポはそのままで、6弦をまた4フレット分下げます。(6弦を鳴らすとD音が出る状態)
・ハーモニカ ⇒ そのまま。

準備ができたら、「It's All Over Now, Baby Blue」を演奏します。

その後、
・アコギ ⇒ カポを外して、6弦を2フレット分上げます。(6弦を鳴らすとD音が出る状態)
・ハーモニカ ⇒ そのまま。

準備ができたら、「Desolation Row」を演奏します。

その後、
・アコギ ⇒ 5フレットにカポを装着して、6弦をさらに2フレット分下げます。(6弦を鳴らすとF音が出る状態)
・ハーモニカ ⇒ Fキーのものに取り替えます。

準備ができたら、「Just Like a Woman」を演奏します。

その後、
・アコギ ⇒ カポを2フレットに移動し、6弦を2フレット分上げます。(6弦を鳴らすとE音が出る状態)
・ハーモニカ ⇒ Eキーのものに取り替えます。

準備ができたら、「Mr. Tambourine Man」を演奏します。

全部終わったら楽屋に引っ込みます。

インターミッション(15分程度)

楽屋で少し休憩したら、次にバンド・セット用の準備です。

エレキは全曲スタンダードチューニングで、カポで調整します。
・エレキ ⇒ 7フレットにカポを装着します。
・ハーモニカ ⇒ ホルダーに装着せずにおくか、3曲目用にあらかじめDキーのものをホルダーに装着しておきますが、いずれにしてもネジを緩めてネックレスのように胸の前にぶら下げておきます(1曲目では使用しないため)。

舞台に出て、「Tell Me, Momma」を演奏します。

その後、
・エレキ ⇒ そのまま肩からぶら下げておきます(2曲目では弾かない)。
・ハーモニカ ⇒ Eキーのものを手でむんずと引っ掴みます(ホルダーには装着しない)。

準備ができたら、時々両手を顔の横でひらひらさせながら、「I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)」をハーモニカを吹いて歌います。

その後、
・エレキ ⇒ 7フレットについたままになっていたカポを2フレットに移動します。
・ハーモニカ ⇒ Dキーのものをホルダーに装着し、口元で固定します。

準備ができたら、「Baby, Let Me Follow You Down」を演奏します。

その後、
・エレキ ⇒ カポを外します。
・ハーモニカ ⇒ ホルダーのネジを緩めてネックレスのように首からかけておきます。

準備ができたら、「Just Like Tom Thumb's Blues」を演奏します。

その後、・エレキ ⇒ 5フレットにカポを装着します。
・ハーモニカ ⇒そのまま。

準備ができたら、「Lepord-Skin Pill-Box Hat」を演奏します。

その後、
・エレキ ⇒ カポを2フレットに移動します。
・ハーモニカ ⇒ そのまま。

準備ができたら、「One Too Many Mornings」を演奏します。

リック・ダンコには各ヴァースの終わり部分にマイクのところまで来てもらって、最後の「ビ~ハァアアイン」だけ一緒に歌ってもらいます。

その後、エレキを肩から下ろして、ピアノに移動します。

リチャード・マニュエルにはこの曲だけ舞台裏に引っ込んでてもらいます。

・ハーモニカ ⇒ そのまま。

準備ができたら、「Ballad of a Thin Man」を演奏します。

その後、
・エレキ ⇒ 再び肩にかけ、カポを5フレットに移動します。
・ハーモニカ ⇒ Cキーのものをホルダーに装着します。

準備ができたら、「Like a Rolling Stone」を演奏します。

全部終わったらそのまま出口に向かい、車に乗り込みます。

上記の作業を行ったうえ、歌もギターもカンペなしでやり通すなんて、ディランはやっぱりスゴイと思いました。

以上です。

所長のコメント:

まるで出来の悪いマニュアルのような味気ない内容だねえ。

あと、締めの言葉も小中学生の感想じゃないんだから...たとえば、ディランはなぜこんな面倒なことをしていたのか、アコースティック・ギターへの負担などといった考察などがあればもっと良かったんではないでしょうか。

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