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足骨日記49
今日は現代美術館に行ってきた。
ボイドレンズという高円寺のフィルムカメラ専門店のこだまさんが香港のデモの取材を展示していると結構前にツイートしていたので行けたら行こうと思っていて、行けたので行ってみた。
無料の展示スペースだったので学芸員のおばちゃんにへらへらぺこぺこしながら入場する。
全体的な展示のテーマとしては古本?ということらしい。時間がなくほとんど見れなかった。もちろん僕の心の中の千鳥ノブは癖がすごい!を連呼している。その一部でこだまさんの展示スペースがあった。
香港のデモの写真と日記というか手記というか、どういった経験をしたかを文章で説明してあった。
現地に行った人の言葉と眼はどのニュースやSNSより説得力があったし、無関心だった僕にどういった出来事だったのかを考えさせる要因になった。何よりもこだまさんの体から滲み出ている本物のジャーナリズムに触れた気がした。
あまり長時間スペースを占有するのも悪いので手記を読み終え帰ることにした。
帰り道に若い男女の学生カップル何組かとすれ違った。美術館デートである。おじさんの僕にでもそんな思い出があった。
僕が現代美術館に初めて行ったのは19歳の時、地元の私大に通いコンビニでバイトをしてロン毛だった。
そして、なぜか友達から紹介してもらった長身で美人の彼女と付き合っていた。
彼女は専門学校でグラフィックデザインの勉強をしていた。彼女は草間彌生が好きで家に行くと作品集を見せてくれてその良さを僕に語ってくれた。
僕は進学校の文系クラス出身で体育会系の部活をしていたので、アートとはほど遠い生活をしていた。インターネットは普及していたが今ほどネットに情報は溢れていなかった。CDや雑誌から音楽やファッションなどの情報は入手していたがアートやカルチャーなんて何も知らなかった。
初めて聞くアーティストの名前と、作品と本人に刻まれている水玉模様に圧倒されたのを覚えている。
その当時出来たばかりの現代美術館で草間彌生展があるのでデートで行くことになった。
初めての美術館デートで緊張した。ガムを噛んでたら飲食禁止だからと注意されたのも今となってはいい思い出だ。
初めての美術館デートは大人の階段そのものだった。楽しかったし刺激的だった。もちろんアートがなんたるかなどは分からないが、美術館と付き合いたての彼女と草間彌生にやられてハイになってたんだと思う。
その彼女とも半年くらいで別れた。東京のレゲエのサウンドマンのことが好きになったとのことだった。なんじゃそりゃ。である。
その後僕はクラブでバイトするようになり、友達から暗黒時代と呼ばれる数年を送ることになる。
僕は今日すれ違ったカップルと同じような顔をして幸せを噛み締めて緊張しながら美術館に来てたんだろうな。
もう15年も前の話だけど。
アートっていいよなあ✨
いよいよ今週なんで、日曜日に唐津の海でお会いしましょう~☺
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