試されることを試す:「Y」(リアルイベント:タンブルウィード:日本)※ネタバレはありませんが情報入れずにプレイしたい方は後でご覧下さい
あの賛否両論ある実験作「X」の続編
Y:公式サイト(タンブルウィード)
ストーリー
なし
感想
さて、なんといえばよいのかな。
まず、私は「是」としていますが、「否」と答える人もでて当然の内容です。雰囲気に流されなく判断すれば、なんだあれとなってもおかしくない内容でした。
ただ、私は好きです。その理由として考えてみたのですが、そこには私の性質である「好奇心を満たす物を好む」「見たこと無い物を好む」「なんでこんなこと考えたかという意図を探る事を好む」「無の中に有をみだしてしまう」といったことが大きく影響していると思います。
謎解きイベントとして見た場合の話をしましょうか。謎の質はとても高いです。解説を聞いていてとても心地よかったくらい。謎を解く事に評価の比重を大きく置く人の中には、この謎の品質故に評価を高くすることも充分ありえます。
ただ、謎の質が高いが故に、イベントへの評価としては、例えば制限時間なしで謎を解きたかっただとか他の要素はいらなかった(イベントでなく持ち帰り謎でしたかった系)だとかの理由で、好まれないことも充分考えられます。
この「Y」は謎を解くだけではなく「ほんの少し試されるコンテンツ」です。
この「ほんの少し試される」が、イベントである以上、公演である以上は本質なのですが、この本質と謎とのマリアージュについては、私はまだまだ先がある、いっちゃえば引き出し切れていないようにも感じています。
もったいない、憎たらしいくらいもったいないのですが、それであっても私は愛おしくも感じました。
そういうわけで私の中の評価は、エンターテインメントとして昇華仕切れていない結果、どこか芸術作品になっている作品です。
誤解してほしくはないのですが、面白くないというのではない。実際私たちが参加した回で、私たちのチームは失敗しましたが、あのホールにいたどのチームよりも私たちのチームは楽しんだ自信もあります。
一方で、エンターテインメント作品としてみると一部発散しているなというのを感じずにはいられなかったのも事実です。それゆえどうしても、初心者向きではなく謎解き玄人の方が楽しめる傾向になるだろうなと思います。
また物語体験を受動的に味わう層にはおすすめできません。逆に考察を好む層には合う気もしますが、いわゆるストーリーとはちょっと異なるので判断は難しいかな。
このコンテンツは、制作者との意図の読み合いみたいな、そいういのを好む方にはお勧めできると思います。私はそれで最後まで楽しめました。もちろん人の意図は様々です。制作者の意図を快に感じるも不快に感じるも自由でしょう。実際に私もそれはもうちょっと何か欲しかったなというのもあります。
ただ、なんのかんの書きたくなる程度には楽しめる内容です。興味を持った方は是非参加してみることをお勧めします。
おわりに
私が好きだったからといって貴方は好きにならなくても、なんら問題はありません。
補足と謝辞
本公演は2020年にタンブルウィード様が行われたクラウドファンディング「新型コロナ禍からの脱出」のリターン特典の1つ「続編制作指定権」による指定を受け、2018年に開催された「X」の続編として制作された物だそうです。私は「X」には参加できなかったのですが、特に前作を知らなくても問題ない内容でした。また「X」にはとても興味があったため、今回続編として「Y」が制作されたことはとても嬉しかったです。
続編制作指定権を使用されたきよしさんへ深く敬意と感謝の念を捧げます。
初演の貸切会参加者全員(総勢32名!)で撮った集合写真。平日18時開始でこの人数揃ったのはすごい!みんな待ち望んでいたんですね。
作品情報
タイトル:Y
制作団体:タンブルウィード(日本)
所用時間:110分(解説含む)
プレイヤー人数:チーム戦 1チーム1名~4名
価格:
前売りチケット一般 3,500円 / 当日券は+500円
グループチケット・1~4名:13,200円
備考:動きやすい服装推奨
面白い記事を書いていけるよう頑張ります!!