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オンライン上での視覚コミュニケーション:実験版!異言語脱出ゲーム「リモートDEお化け退治大作戦」(IGENGO Lab.:日本)

今回はちょっと異色作。視覚コミュニケーションを重視したコンテンツです。

このイベントは、100BANCH「ナナナナ祭」でのイベントの一環で行われています。一度に参加できたのは3チームくらいだったのかな?事前に謎解きキットが送付されて来るタイプのオンライン公演。

この公演を主催されているIGENGO Lab.さんは異言語脱出ゲームの名称で、視覚言語を使う人と音声言語を使う人とがコミュニケーションするタイプのイベントを企画されているようです。これまでも途中で感覚を遮断する系の公演はなくはなかったのですがそれの本格的なタイプの公演みたい。以前にチラリと見かけていたので興味があったのですが今回運良くチケットを購入できたので、参加してみました。

公式サイト

ストーリー

(公式サイトより引用)
あなたたちはお化けに関する専門会社の社員。
社員たちの役目は依頼主を困らせるお化けを退治することだ。

今はゴロゴロウィルス感染拡大の影響により、リモートで対応している。
今日も「お化けを退治してほしい」とまた依頼が来た。

依頼主はどうやらろう者(耳が聞こえない方)のようだ。

音声は通じないーー。手話、身振り、表情、頷き、視線…音声言語では成しえないコミュニケーション手段を駆使して、画面上でやりとりを交わさなければいけない。

社員たちと共に力を合わせて、あらゆるツールを活用し、制限時間内にお化けを退治せよ!

感想

最初は手話を前面に出したイベントと思っていたのですが、参加してみたら手話だけではなくてコミュニケーション全般で聴者とろう者が交流する事に視点をおいたイベントのように感じました。

個人的にはそこがとても良かったと感じました。もちろん手話を学ぶ機会となるようなイベントでも意義はあると思いますし手話を使えた方がより深いコミュニケーションを取ることができるのも間違いないです。ただ、手話を使ったことがほぼない状態で一気に憶えようとするのは大変です。

このイベントは最初に手話を数個教えては貰えますが、それを使っても使わなくても良いのが面白い。途中(というかメイン)にあるのはろう者の方とどの様に意思疎通をしていくかという事ですが、言葉を使えなくても身振り手振りやその他の手段でなんか伝わる、ろう者の方も手話やジェスチャーでコミュニケーションを取って下さって、正確ではないけれども確かに言っていることがわかる。

こういった経験は、機会がないと中々出来ません。そしてやってみると案外伝わることが分かります。

ついついろう者の方と交流するときには手話をちゃんとできないといけないのではないんだろうかとか考えがちですが、そんなことはなくて意思疎通には色々と方法もあるし、実際にコミュニケーションできるんだよというのが分かるという点で、このイベントなんかすごいなと思いました。

謎や見せ方については一部調整があまい所はありましたが、このイベントの良さを損なうという物ではないので指摘するのは野暮かも知れません。

体験としても貴重であるように感じますので、実施期間が短いのが残念。

もし興味があって再演等の機会があれば是非やってみて下さい。

おわりに

ゲームが社会に役立つ可能性ってこういう所にあるのかなとも思いました。エンターテインメントとして面白い物も、社会的な意義もあるものも、色々でてくるともっともっと面白くなりますね。

作品情報

タイトル:実験版!異言語脱出ゲーム「リモートDEお化け退治大作戦」
制作団体:IGENGO Lab.(日本)

公演時間:90分(解説含む)
プレイヤー人数:1~6名(チーム戦)
価格:2,500円/1名
  (グループチケットで購入も可能:15,000円)
アプリケーション:Zoom
その他:郵送物あり
目的:制限時間内にお化けを退治する

面白い記事を書いていけるよう頑張ります!!