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中小企業における採用と定着率向上のために給与以外の報酬について考える

UNIQLOなど大企業の賃上げが目立つ


ニュースを見て驚きましたアパレル業界ではすでに給与水準が高いユニクロが年収を最大40%増やしました。
新卒の初任給も25.5万円から30万円にすると発表


中小企業にも給与アップの圧力が高まっているが無い袖は振れない

賃上げを検討する会社が80%を越えているが去年より数ポイント減っている状況。理由としてはインフレや原材料費の高騰分を価格転嫁できていない状況下での賃上げはできない

現金を使わず採用やエンゲージメント向上に効果がある方法

生産性を上げて所得自体を増やすことは勿論、ストックオプションなど
新株予約権なを利用し会社の成長に連動する形で報酬を支払う方法があります。上場を目指すスタートアップなどがこの方法で年収レンジが本来高い人を採用する際に不足分をストックオプションの付与を約束するなどして目先の現金を節約しつつ、優秀な人材を獲得しています。

1.ストックオプション(株式オプション) 
ストックオプションは、従業員に企業の株式を一定の価格で購入する権利(オプション)を付与する制度です。従業員はオプションを行使し、株式を購入することで企業の株主となります。株価が上昇すれば、従業員は株式を売却して利益を得ることができます。ストックオプションは、従業員が企業の成長に直接関与し、利益を享受できる仕組みとして導入されます。

2. ファントムストック(幻影株式)
 ファントムストックは、実際に株式を発行しない形で従業員に企業の業績に連動した報酬を提供する制度です。従業員は企業の株価に連動した報酬を現金で受け取ることができますが、実際の株式を所有するわけではないため、株主としての権利や義務は発生しません。

政府も役員報酬等の成果報酬比率を高めることが競争力向上に繋がると期待

日本は欧米に比べ固定された給与が業績連動型の報酬より多いため経営者の成長意欲が低いと指摘しており、ストックオプション、ファントムストックなどの報酬についての手引書を出している

2020年9月時点 企業持続成長のためのインセンティブプラン導入の手引き
https://www.meti.go.jp/press/2020/09/20200930001/20200930001-1.pdf


SOとファントム簡易比較

非上場会社はファントムストックが使いやすい

上場企業及び上場準備企業はストックオプションを多く活用しているが、
新株予約権の付与、権利行使に係る管理に非常に工数が掛かることや株価の評価が難しいために非上場会社向きでは無いと言える。

一方ファントムストックは制度設計についてはプロに頼む必要があるが
実際に株を割り当てず、権利を行使するための条件を勤務期間や利益目標などで決めておき条件を満たした際のみボーナスや退職金として支払うシステムです。
数年前に税制改訂により日本でも使えるようになりましたが私も最近まで知らなかった制度です。

例えば現在会社の純資産が5億円の会社が幹部にファントムストックを付与する場合、
行使条件として
・純資産が10億円を越える
・勤続年数が勤続5年で50%  10年で100%


などの条件を設定し両方クリアした場合に従業員は権利を行使し、ボーナスや退職金の形で経済的リターンを得ることができますので業績向上や長期的に会社に所属する意識を上げる効果が期待できます。

まとめ


採用面では大手企業に給与水準で立ち向かうことは到底できませんが、
働き甲斐やキャリアアップ、ストックオプションやファントムストックでの報酬も加えることで競争することは可能だと思います。

非上場企業でも株価を意識する経営を行うことで社員が自分ごととして会社の業績を見ることになりますし、経営者の無駄遣いや他の部署赤字や目標未達に対しての目も厳しくなりますので健全な経営ができるようになると考えます。

結果として生産性が上がり給与水準を上げていくことでさらに良い人材を集め持続的に成長できる組織になっていくことが理想です。

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