2020.10.28 DX関連まとめNEWS
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1. 「DXを叫ぶ」企業が知らない大問題
▪世界と日本の投資トレンドの違い
・世界の基幹系ベンダーの業績悪化(IBM,HP等)
・一方で、日本の基幹系ベンダーはそれほど打撃を受けていない
→世界のトレンドは社内システム投資からユーザー向けシステムへの投資に移行しているにも関わらず日本企業は未だに社内基幹システムへの投資を続けている
▪日本の開発ベンダーの現状と問題点
・日本のシステム開発はベンダーに丸投げ開発が一般的
・丸投げは契約上「請負」契約となり、瑕疵担保責任が付随する
・瑕疵担保はリリース時に不具合などがあれば、修正の提供、代替物の提供などを行う義務が存在する
・上記から厳格にPJを進めるにあたり、重厚長大な要件定義から開発、テストまでを段階を踏んで実施する(いわゆる、ウォーターホール型)
・それゆえ、柔軟な仕組みになっておらず要求の変更に耐えられないことやタスク一つ一つが過剰に工数を要する形となってしまう
▪ユーザー企業はエンジニア不在
・丸投げ、請負文化が通例となり、ユーザー企業にはベンダーへの橋渡し、翻訳担当が社内IT担当となっている。
・ユーザー企業は専門分野は専門分野に丸投げ状態になっている
・一方、開発ベンダーも開発能力が本当に高いとも言い切れず、外部から優秀なエンジニアを調達している
・一次請けベンダーはリスクヘッジとして、二次請けに請負を強要するため二次請けベンダーも余計なことはせず待ちの姿勢となってしまう
▪では、どのようにDXを進めていくのか
・ユーザー企業自身がエンジニア組織を作り、自身達でユーザーファーストなプロダクト・サービスを生み出していく必要がある
・トップのCDO(最高データ責任者)、CTO(最高技術責任者)のみを変更した所で変わらず、エンジニア組織を作る必要がある
・また、人材育成にも力を入れ、意識から改革や、給与体系の見直しなど事業部とのチーミングなどへと組織変更が必要
コメント
日本の企業はデジタル・ネイティブ企業(いわゆる楽天、サイバーエージェント、DeNA等)以外はIT専門部隊を社内におかず、外部に委託していた文化があった。たしかに「餅は餅屋」という考え方があるので一見効率的であるかもしれないが、長い目で見た際にナレッジはユーザー企業にたまらず、企業間での目的の相違から必ずしもユーザーファーストなプロダクトができる流れになっていなかったかと思う。今後、DXを進めるにあたり社内改革をまずは進めるべきである。そうしなければ中途半端なDX改革になるのではないであろうか
2. 2025年の崖を超えビジネスを成長させる秘訣を伝授
DXが上手くいかないポイント
・事前に自社のDXのゴールはどこか、しっかりと考えることが重要
・コスト削減、利益率向上のみに囚われ長期的戦略がないDXは失敗する
・DXが手段でなく目的になっていては、2025年の崖を超えることはできない
DXの本質・成功ポイント
・消費者のマインドに合わせて自らをアップデートし続けること、常に最良の顧客体験を提供できる仕組みを作ることがDXの本来の目的
シューズメーカーをモデルケースにした施策
・実店舗で購入時にLINEの友だち登録を促し、登録した顧客には来店のきっかけ作りとして新商品の案内を送付
・ECサイトと実店舗の会員情報を連携し、サイズ確認を購入履歴から行えるようにする(=OMO施策)
・Cサイトの行動履歴を蓄積し、実店舗と共有。店舗スタッフからの能動的なレコメンドを実施(CRM、1to1)
・顧客の意向に合わせて店舗間で情報を連携し、どの店舗でも試着を行えるようにしたり、来店予約・対応の引き継ぎを行う(店舗スタッフの稼働と混雑のコントロール)
・顧客が試着を希望する商品の在庫を確保する(在庫・発注コントロール)
取組のポイント
・顧客体験提供のポイントは、オンとオフの境界を設けず、すべてを調和させる
・顧客に気持ち良く買ってもらう仕組みだけでなく、店舗スタッフに的確なインセンティブを与えモチベーションを高める仕組みや新たに増える業務をなめらかに行える仕組みも作り上げる必要
DXの4つ課題
1. 心理的障壁:人を巻き込むのが難しい
→ 全社一丸となる認識・文化をトップダウンで作ることが重要
2. 組織的な課題:関係部署が多く責任が分散
→ 役割分担を明確にした体制図を作ること
3. 会議での課題:議論が発散しアイディアがまとまらない
→ 顧客志向で物事を考え、ビジョンを常に確認することが有効
4. 専門的知識の欠落:そもそも社内でスキル・知識が足りない
→ 全てを内部でやろうとせず、適切に外部の力を借りる
コメント
DXは単純なシステム開発・改善によっての利益向上、業務効率化だけではなく、組織・文化を含めて改革を行い、常にPDCAを回し最新にアップデートしていく必要がある。既存の古いシステムはブラックボックスになりがちになり、属人化が進む一方である。2025年の崖を乗り超えるにはドラスティックな改善・改革が必要な一方、長期的な戦略を見込み組織改革を行う必要性がありそうだ
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