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Mini3 Proの機体安全性能について考える

Mini3 ProがMini、Mini2と比較して大きく進化した点は、いくつもある。その中の1つに前後方センサーの装備による障害物回避性能の向上があげられる。
これにより、従来のMiniシリーズでは提供されていなかった、ActiveTrackなどの自動航行システムの利用が可能となっている。しかしながら、この機能は万能ではないことはご存じの通り。

YouTube動画で検索するとドローンの墜落、衝突映像を観ることができる。おおむね、機体性能の理解不足(弱点はなにか)、パイロットの操作ミスによるところが大きいように思う。
特に自動運転は機体がパイロットの想定を超えた挙動をすることがあり、パニックによる咄嗟の危険回避行動が取れず、事故につながるケースが多い。

今回はMini3 Proのセンサー性能とその他の機体との比較をしながら、機体の安全性能について考えてみたいと思う。

Mini3 Proのセンサーについて


では、最初にMini3 Proのセンサー性能について見てみたい。ユーザーマニュアルの記載は以下のとおり。

Mini3 Proには前方、後方センサーが新たに追加されている。また、上方、側方センサーは装備していない。
少し注目したいのは、後方センサーで垂直方向が73°と割と広くカバーしている点。これまでのモデルと違い、機体前部に後方センサーがあることで後方の視覚が広くなっている。
後退時には、部分的に上方センサーの役割も果たしてくれそうだ。
その分機体下部の後方は死角になっているので下方センサーが検知できないケースもありそう。

一方で、機体前部の上方と左右はセンサーの死角が大きいので、上昇時、横方向への移動時は注意が必要だ。

Mini2との比較

比較といっても、そもそも比較の対象にもならないことは一目瞭然だ。
言い換えれば、ドローン自体は「何も見えていない」ため、目視外飛行には適していない。
また、バッテリー容量も小さく10分程度の飛行で残量が30%に達し、帰還行動に入る。ホームポイントから能力を超えた距離に達していることで不時着してしまう可能性もある。

手軽に入手できる価格帯で、ユーザーの裾野が広がった分、初心者の事故も増えているように思われる。

アピールポイントとして紹介されている「クイックショット」での事故が少なくない。
操縦経験の少ない初心者が、この機能に頼る傾向があるので心配だ。
危険回避行動が取れないので衝突の憂き目に遭ってしまう。
普段から障害物のない広い空間で何度かテストし、機体の軌道を把握して十分注意して利用するべきだろう。

Air2Sとの比較

価格対性能比でMini3 Proと近いモデルだが、上方センサーが装備されている点がポイント。
しかし、機体後部の上方は死角になっている。また、後方センサーは、ほぼ真後ろをカバーしているだけなので、後退しながらの上昇は注意する必要があると思われる。
また、側方センサーがないので横方向の移動は注意が必要だ。
インテリジェント・フライトモードで横方向の旋回時、樹木に衝突する事故が見受けられるのは、これが原因だろう。

Mavic3との比較


民生用フラッグシップモデルだけあって、さすがに他のモデルと比較して死角が少ない。側方センサーの採用により、ほぼ全方位をカバーしている。
Mavic2と比較して側方の死角が減った分、安全性が向上している。
Mavic2ではNモード時は側方センサーがオフになる仕様だったこともあり、Air2Sと同様の事故が発生していたが、これも解消されている。

一方で、センサー性能が向上したことで、狭く障害物の多い場所での航行が難しくなることも考慮しておく必要がある。
全方位センサーが働くので、左右に機体が移動し真っ直ぐ前進できないこともある。

おわりに


というわけで、機体の安全性能はセンサー性能だけでは語り尽くせないが、重要なのはこれら各機体の特性を理解したうえで、操縦する必要があるということだ。
Mini2は使い方によっては、機体がコンパクトでセンサーが少ない分、狭い場所を目視で操縦しながら狙ったポイントを撮影できるので、使い分けの問題でもある。
これらのことを総合的に考えながら空撮を楽しみたいと思うのである。
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