残しておきたい曲や、音楽についての話とか
良い曲に出会った時にそのアーティストについて調べてみると、もう活動していないことを知って残念に思ったりする。もしくは、いつかライブに行きたいと思っていたのに、そのバンドが活動休止して二度と見に行けなくなってしまったり。そんな経験がよくあるけど忘れてしまうのは虚しいので、ネットの片隅にこうしてこっそり書いておいたりする。
例えば作った人が亡くなっても、曲は残り続けて誰かの心を動かすし、言わずもがなそれは素敵なことだと強く思う。
syrup16gというバンドは中学、高校くらいの時に聞いていて、ここ数年はほぼ聞いていなかった。なんとなく最近、久しぶりに聞いてみたら良くて、昔好きだった『ex.人間』は今聞いても響いた。
ボーカル五十嵐さんはソロでやっていた時期もあり、長く活動休止していた時期もあったけど、再始動をして今も活動しているようで嬉しい。
彼らの曲についてはよく鬱ロックとか言われるけど、個人的にその括りは好きではない。確かに歌詞は暗いし、毎日気軽に聞けるような音楽ではない。でも毎日聞かなくたって大事なものは大事だ。メロディは美しく光ってどん底に寄り添う。
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続いて。昨年活動を終えた、踊ろうマチルダというソロシンガーについて。彼については正直あまり詳しく知らない。サブスクで少し聞いたり、フジロックで歌っている映像を見たことがあるくらい。でもだいぶ前に、この曲に心動かされたことはよく覚えている。
声の迫力と懐かしさのあるメロディが魅力的だけど、少し歌詞にも言及してみる。序盤からサビで繰り返される「目的地までは程遠い」というフレーズ。それが最後に「目的地なんて何処にもないさ」に変わるのは、何か響くものがある。虚無感とか儚さを強く感じさせるし、私小説的だが普遍性もあって好きだ。
「玉なす露は すすきに満つ」というフレーズは、どうやらスコットランド民謡の「故郷の空」からの引用みたい。
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最後にSUNNY CAR WASH。メンバーの脱退などもあって活動休止していたけど、今は新体制で活動してるらしい。
3ピースバンドのぐらぐら感とか、音がスカスカで足りない感じとかが自分は結構好きで、ライブに行ってみたいバンドの1つだ。代表曲『キルミー』はもちろん、『ムーンスキップ』や『ワンルーム』など、生で聞きたい曲が色々ある。
以上、思いついた曲など少し書いてみました。
これは日本のというより、アメリカやイギリスの方が酷い気もするけど、音楽業界というのは、人でなしで冷たいシステムだと思う。僕自身もすごい才能が搾取されて使い捨てられるのを見てきた。
ビジネスとして消費される中でズタズタになりながら歌う不器用なミュージシャンには、やはり惹かれて応援したくなるものだ。中には、カート・コバーンのように壊れてしまうスターもいて、それはとても悲しい。でもロックンロールは伝承音楽なので、死んでもなお彼の曲は影響を与え続け、今も生き続けている。
アーティストがいなくなった後も、曲はいつまでも残って誰かの一部になり、形を変えて受け継がれていく。それは美しいサイクルだと、最近よく思っている。
うーん、どうまとめようか迷って散らかりすぎたけど結局、僕はロックが好きなんだと思うな。所詮僕らが、黒人に憧れた白人に憧れる日本人だとしても。