【ドゥイブス・サーチ読影医 原田医師インタビュー】読影カンファレンスと受診者に直接届くレポートが特徴!ドゥイブス・サーチにフィットする読影医とは
当社は遠隔画像診断会社として、「無痛MRI乳がん検診(愛称:ドゥイブス・サーチ)」や「全身DWIBS検査」を主軸とした検診の読影を行っています。現在、遠隔読影医として医師10名が在籍していますが、無痛MRI乳がん検診の急速な普及に伴い、読影医を増員する予定です。今回はフリーの放射線科医として遠隔でドゥイブス・サーチでの読影に従事されている原田大世(たいよう)先生に、ドゥイブス・サーチの特徴や、経験できること、働く上で心がけていることなどについて伺いました。
株式会社ドゥイブス・サーチ読影医:
原田大世医師プロフィール
1985年神奈川県生まれ。2011年東京医科大学卒業後、東京医科大学病院放射線医学講座へ入局。
2019年から2021年まで静岡県立静岡がんセンター乳腺画像診断科医長を務め、その後フリーの放射線科医となり特別非常勤として同科にも所属しながらドゥイブス・サーチにも従事。
目次
1. 一度は断ったものの、新しい診断学への興味が勝り読影を受託
2. 遠隔読影医として感じる「無痛MRI乳がん検診」の意義
3. 心のこもったレポートで受診者に安心を届けたい
一度は断ったものの、新しい診断学への興味が勝り読影を受託
──現在、フリーの読影医としてドゥイブス・サーチの読影を担っていらっしゃる原田先生ですが、独立された経緯についてお聞かせください。
原田:独立する前は、静岡県立静岡がんセンターの常勤医として2年ほど働いていましたが、読影のアルバイトが全くできなかったこともあり、画像診断クリニックに転職しました。ですが、ありがたいことに静岡がんセンターから「辞めても遠隔で画像診断を続けて欲しい」と言っていただき、クリニックでの勤務と並行して自宅で読影の仕事を請け負っていました。思った以上にフリーでの仕事をいただけるようになり、クリニックを辞めて完全にフリーの読影医として独立する決意をしました。もちろん、フリーは「いつどうなるかわからない」という怖さもありますが(笑)、取引先のひとつが信頼関係と安定性のある県立病院というのは大きな安心材料でした。
──それは原田先生のお人柄と、これまでの実績で信頼を得られていたからこそでしょうね。現在、たくさんの遠隔画像診断会社があり、大手企業であればネットワークやシステムが確立されていて安心感もあると思いますが、そういった企業ではなく、ドゥイブス・サーチを選んでくださった理由は何でしょうか?
原田:正直なところ「自分から選んだ」というわけではなくて、静岡がんセンターでお世話になっていた乳腺画像診断科の先生から「やってみないか?」とご紹介いただいたんです。「高原先生はそういうこともやってらっしゃるんだな」と、初めてドゥイブス・サーチのことを知りました。
実は・・・その時1度、お断りしてるんです。当時はクリニックの勤務医と静岡がんセンターの遠隔読影を並行していたので、どれぐらい仕事をこなせるか先行きが見えなかったのと、「無痛MRI乳がん検診」というもの自体、どんなものか全くわからなくて、お受けする自信がなかったんです。
──そうだったんですね(笑)
原田:すみません・・・(笑)。造影剤のリスクがない非造影MRIが今後は重要となるという思いは静岡がんセンターの乳腺画像診断科の中でも徐々に強くなっていました。その中でも、ドゥイブス・サーチの痛くない非造影MRI検診がマンモグラフィーを受けたくない人の検診の受け皿になっているという点に強く共感したのが一番の決め手でした。サービスが始まったばかりの新しい検査なので不安もありましたが、それよりも「やってみたい」という気持ちが勝ったんです。こちらから「例の件、まだ大丈夫ですか?」とご連絡し、正式にご紹介いただきました。
遠隔読影医として感じる「無痛MRI乳がん検診」の意義
──原田先生は「無痛MRI乳がん検診」に対し、何か意義を感じられることはありますか?
原田:それはもう、とても大きな意義を感じますね。まず「造影剤を使わない、服を脱がない、圧迫しない」というメリットが大きいですよね。受診者さんの問診票を読んでいると、「マンモグラフィーが嫌で、人前で服を脱ぐのが嫌で、この検診を受けた」と書いている方がとても多いんです。そういった人たちの受け皿になっているわけですし、乳がん検診の新しい選択肢になっていると日々実感しています。
──原田先生がドゥイブス・サーチの読影を通して、印象的だった出来事はありますか?
原田:やはり、実際にかなり小さい、初期のがんを発見できた時ですね。早期発見すれば、乳房も温存できる可能性も高く、経済的負担も軽くすみますし、何より乳がんで死ななくてすむ確率が高くなります。カンファレンスにおいても、そのような症例を見せていただく度に「発見できて本当に良かった」と感じます。
ドゥイブス・サーチでは「しこりがあるのは自分でもわかっているけどマンモは受けたくなくて、最終的にドゥイブス検査を受けたら、やっぱりがんがあった」というケースが多いのが印象的ですね。
──なるほど。「がんと言われるのが怖くて受診を躊躇しているけど、無痛MRI乳がん検診なら検査自体は15分で終わるし、一旦受けてみよう」と利用される方も少なくないとお聞きしています。
原田:精密検査の前のワンクッションになりますよね。何か所見があれば私たちがレポートで「受けた方がいいですよ」と後押しすることができますから。しこりがある、お母さんが乳がんを発症したことがあるなどリスクが高いと思う人は特に、早めに検査を受けていただきたいですね。
──ドゥイブス・サーチでは、精密医療機関、読影医、チェッカー(レポートのチェックを行う放射線技師)が、定期的にzoomで読影カンファレンスを行っているそうですね。これは他の遠隔画像診断会社にはあまりない特徴だと思いますが、原田先生は参加されて意義を感じることはありますか?
原田:もちろんあります!フリーで読影を行う上で1番問題だと感じるのが、「自分が読影したものに対し答えが返ってこない」ということです。静岡がんセンターに勤めている時は、カルテを見れば自分が「乳がん疑い」と診断した患者さんが、本当にそうだったのか、乳がんのタイプがどういうものだったのか、照らし合わせることができましたが、遠隔で画像診断だけ請け負う立場だと、それが追えないですからね。
その点、ドゥイブス・サーチは提携病院とカンファレンスという形で信頼関係を形成されていて、その後の病理の結果などをフィードバックいただけるのがありがたいですね。お互いに新しい学びがあると思いますし、読影の精度やスキルの向上につながっていると感じています。
心のこもったレポートで受診者に安心を届けたい
──ドゥイブス・サーチのレポートは受診者が直接読むことを前提としたレポートなのも特徴ですね。原田先生を含め、読影の先生方は、正確性はもちろん、ハートのこもったレポート作りを徹底されているとか。
原田:例えば大学病院などで書くレポートは病院内の医師に向けたものであって、まず患者さんが読むことはないので、そこが大きな違いですよね。受診者が直接読むレポートである以上、問診票にもしっかり目を通し、真摯に答えることを心がけています。
例えば問診票に、「こんな自覚症状があるけど大丈夫でしょうか」と質問が書かれていれば、問題がない場合でも、「該当所見はなく、その自覚症状に関しても安心して良いと思われます」というように、わかりやすい言葉でお答えしています。
ドゥイブス・サーチではチェッカーである放射線技師さんが、不足している文章がないか、誤字脱字がないかまで、非常に細かく見てくれて、「受診者さんがもらってうれしいレポート」を届けるためのチェック体制が整っているので、とても心強いです。
──原田先生から見て、ドゥイブス・サーチの読影医にはどんな人が向いていると思いますか?やはり先生のように大きな病院で研鑽を積んだ人や、高いレベルの知識を持った人でないと難しいでしょうか?
原田:そんなことはないと思います。乳腺MRIに興味がある人、MIRや乳がんへの基礎的な知識がある人、マンモの資格を持っている人であれば問題ないのではないでしょうか。確かに、無痛MRI乳がん検診の読影は他の診断法とは異なるので、最初は難しく感じるかもしれませんが、開発した高原先生をはじめ、上級医が診断技術をしっかりレクチャーをしてくださいますし、最低でも500件の読影経験を積んだ上で業務に取り組むので、「新しいことに挑戦したい」という人もぜひ応募して欲しいですね。
──受診者さんを思う気持ちと新しいことを学ぶ姿勢のある先生なら大歓迎、ということですね!最後に、原田先生から、これからドゥイブス・サーチの仲間になりたいと考えている方にメッセージをお願いします。
原田:無痛MRI乳がん検診は、豊胸術や乳房の手術を受けた方も検査が可能ですし、日本人女性に多いデンスブレスト(高濃度乳房)の方でもがんの発見率が下がることがないのも特徴です。そういった点でもマンモや超音波の限界を克服しうる新しい乳がん検診として、今後間違いなく普及していくと思います。その先駆けとして関わることができるチャンスだと思うので、興味がある人にはぜひ応募いただきたいですね。
<インタビュー・記事= 藤島知子>