子育てもひと段落したいま、これまでとこれからについて考えてみました。
家づくりをする中で、どんな家に住むよりも、どう暮らすかが大切だと考えている「DWELLの暮らしアドバイザー」の夫と共に、家事全般担当として、女性目線でより楽しく心地よく暮らすためのヒントをご提案しているDWELL kitchenのyouです。
「材料を採ってくることから始めるリース作り」のワークショップや、「自分も楽しめるおもてなし」についての講習などを開催しています。
2人の息子も成人し、それぞれが思い描く未来へ進み、やっと自分への時間を使えるこれからをどう過ごしていきたいかを考えてみました。
「子供をどう育てたいのか」
出産後、しばらくして父から尋ねられました。
無事に産み育てることで精一杯だった私にとって、その質問は考えてもみなかった事でした。「どう育てたいのか」親がいくら思っても、子供がその通りに育つわけはないのですが、自分の姿勢としてどう育てたいのか、を考えることはとても重要なのでは、と思い、自分なりにじっくりと考えてみました。
そして「自力で生き抜く子供に育って欲しい。」と思いました。長男を出産したのは2000年。アルマゲドンや地球滅亡、などの不穏な説が流れ、不安な情報が多い年でした。
そんな時だったからこそ、もしも地球が大変なことになっても、何とかわが子だけは生き残って欲しい。というのが私の一番の願いだと思いました。
美味しさに出会う
生き残るためには、健康な身体が大切です。それには、食べることが肝心。
先ずは材料を調達する為に野菜を育てる、そして火を起こす、自然に生えている植物の中から食べられるものを見つける、そして調理する。を実際にやってみようと思うようになりました。
この時点では、私は野菜を育てたことも、火を起こしたこともありません。
どうしたものかと考えた時に、助けてくれたのが夫とその両親です。夫の実家は米を作り野菜を育てていたのです。
祖父母としても、可愛い孫のためになるならと、色々と教えてくれました。米を作り、出来立ての野菜を食べる喜びを味わいワイルドにたくましく育つ息子達と一緒に、私もたくさんの事を教えてもらいました。
(子供が育っていく過程については、別記事にしたいと思います。)
昔の暮らしがヒント
自給自足で暮らしたいな、とも思いました。しかし、昔の人たちがやっていた暮らしを、まったく同じようにするには相当の努力と人数が必要です。
両親は、米を作るときも近所の友人と協力し、野菜が出来たらお互いに交換し合い、味噌や梅干しも一緒に作っていたそうです。
その時のおしゃべりが情報交換の場で、そこでお互いの持っている知識やものを分け合い共有していたそうです。
しかし、主婦も働きに出るのが一般的になった今の暮らしの中では、なかなか皆で集う事も難しく、野菜も米も自分達だけで作るのは難しい、、、自分たちなりに出来ることを、出来る範囲でやっていこうと、まずはわが家の庭を手入れし、できる範囲で野菜を育てようと主人が小さな畑を作ってくれました。
畑の師匠との出会い
ある日、ご近所の方の畑で立ち話をしていたら声をかけられました。声の主は、子供が小さい頃にお世話になったマクロビオテックの料理教室の先生のご主人です。隣で畑をやっていて、お手伝いも募集しているとの事だったので、早速参加させてもらうことにしました。
毎週水曜日に畑に行き、野菜の事を教えて貰いながらお手伝いをして、労働の対価として野菜を好きなだけ貰えるという、夢のようなシステムです。
汗を流した後に飲むお茶の美味しいこと
今では、わが家の敷地内の使っていなかった土地も師匠が耕してくれるようになり、私は気づいた時にお手伝いをし、その代わりに好きなだけ野菜を貰えるという、更にありがたいシステムになりました。
鶏を飼う事
わが家では鶏3羽と合鴨を2羽、そして犬1頭と暮らしています。
長男が一時期ハマっただし巻き卵をより美味しく作ってもらいたい!と思ったのがきっかけでした。
どこで売っているかを探すことから始め、ネットでは探しきれなかったので実際に鶏を飼っている近所の方に聞いてJAで1羽800円で購入しました。
飼い始めた当初は飼料を与えていましたが、より安全でおいしいものが食べたい、との思いで次第に餌まで自分たちで作るようになりました。
そして、全く意図していなかったのですが、売り物にならない残った野菜を鶏が食べ、産んでくれた卵を私たちが頂き、鶏の糞をたい肥にして野菜を育てる為に使う、というエネルギーの循環するシステムが、いつの間にか出来てきました。
リースをつくること
年々育った庭木の手入れで切った枝を見ていて、捨てるのはもったいないと思いリースを作るようになりました。それをSNSで発信すると「欲しい」と声をかけてもらう機会も増え、それならばとリース作りのワークショップを開催するようになりました。
「もったいない」から始まったリース作りですが、身近にある植物からの恵みを得て暮らしていることに気づくきっかけになったら嬉しいな、との思いで、ワークショップの冒頭は近所の森を歩き、リースの材料を集めることから始めます。
森を歩くうちに皆さんの表情がイキイキと輝はじめ、少女の笑顔になっていきます。自然の持つ力はすごいなと、感じる瞬間です。
ジェシーが教えてくれたこと
2年ほど前、サンフランシスコ在住のアーティスト「ジェシー」が2週間ほどホームステイしました。海外の方と暮らすのは初めての経験でした。
彼は色々な事を教えてくれました。
彼の周囲の人たちの間では物々交換が当たり前になっていること、貨幣を用いない豊かさ、得意なことで相手をいかに喜ばすかが大切だ、という考え方。
毎朝、小さなプレゼントをくれて感謝の気持ちを伝えてくれた彼からは、喜びは一人で感じるよりも共有したほうがその何倍も大きく感じられる、という事を教えてもらいました。
目指していること
子育て期間中は、二人の息子のサポートをすることに必死で、毎日走っていたような気がします。
夫とは、同じ方向を向いてはいましたが、ホウレンソウが上手くいかずに何度バトルを繰り返したことか。
それでも、息子たちの成長を一緒に喜ぶ気持ちがあったから、夫婦として続けてこれたと、子供の存在のありがたさを実感。
その経験を「子育てを頑張っている方のお役に立ちたい」との思いで、これから発信していきたいと思っています。
そして、植物を育てその命を頂く日々の暮らしの中に、楽しさや美味しさ、美しさや心地よさを感じる、ゆとりのある暮らしをしていきたいです。
周囲の人たちと心地よく関わりながら、その日々が少しでもより良くなるように、小さな工夫をしながら日常を少しづつアップデートし続けていきたいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。