キックボードはどう乗るべきか?
パックラフトに乗って川下りをする際、公共交通機関と川までをつなぐ移動手段としてキックボードを購入しました。
当初は、徒歩以上自転車以下の乗り物程度にしか思っていませんでしたが、半年乗ってみてわかってきた事があるので、今後キックボードでやってみたいことも交えてお話をします。
安物故に調整は不可欠
僕が購入したのはAmazonで売っていたSUNPIEというブランドのキックボード。
大人が乗ることを想定したサイズで、8インチ/20cmのタイヤがついていて、子供用のキックボードに比べて耐荷重が100kgまでと余裕があり頑丈で安定感のある造りとなっています。
とはいえ、7,000円弱で買えるだけあっていくつか気になる点もあり、以下の点に手を加えています。
・標準のグリップの握り心地が悪く手が痛くなるため、ウレタンのグリップに交換
・ハンドブレーキの効きが悪く、ブレーキレバーのガタツキによる騒音、ワイヤーが手に干渉して邪魔だったためハンドブレーキの機構一式を撤去
・軽量化のため付属のスタンドは取り付けない
・ハンドルポストのガタツキ調整
・サスペンション機構から鳴る軋み音の軽減のため機構に注油
機能していない機構や不要と判断した部品は撤去して、静音性のために各部の締め付け調整を注油をしています。
特に静音に関してはまだ改善の余地があると思っています。
タイヤが硬質ポリウレタン製のため、地面の凹凸の振動をそのまま拾ってしまい、ハンドル部のガタツキにそのまま伝わって騒音になってしまいます。
ガタツキを抑えることで多少改善はしますが、一番の改善方法はタイヤを自転車と同じようなエアチューブが入ったゴムタイヤに替えることでしょう。
速度と疲労感
自転車のようなスピードメーターを取り付けられるわけではないので正確な速度は計測できませんが、GARMINのGPSナビゲーションで時間と移動距離から算出された速度では、
整った平地でやや追い風 13~15km/h
整った平地でやや追い風限界まで漕ぐ 20km/h
整った平地でやや向かい風 10~12km/h
本気で漕げば20km/hはでますがかなり必死で漕がなければいけないので現実的ではなく、通常範囲の速度なら14~15km/hでれば速い方、まったり漕げば11~12km/h。向かい風になると10~11km/hで漕ぎっぱなし。
団地と河川敷を走ったため途中歩いた箇所もありますが、およそ10km走って50~55分。往復20km走ったので120分弱。
乗る人にもよるでしょうが、1時間10km程度の速度感と思えばよいかと思います。
スマートウォッチで計測した心拍は平均120bpm程度で、最高が154bpm。
片道10kmを往復しましたが心拍の計測結果は往路も復路もほぼ変わりませんでした。
体感的には、往路の10kまでは楽々(半年乗っている慣れもあります)、復路の5km(計15km)地点あたりで腿や膝に疲れを感じるようになり、全行程20kmを走破した時点では、ストレッチやペース配分など考えないとこれ以上乗るのは少し体にきついかも、と思いました。
キックボード、どう乗るべきか?
今まで川から駅やバス停までの〜10kmを移動するために乗ってきたキックボードを、あえて20km乗ってみました。
乗る前から薄々わかっていたことですが、やはりキックボードは10km未満の距離を移動するのに丁度いい乗り物だと思いました。
10km以上の距離になってくると自転車のほうがはるかに速いし疲労感も少ないので、あえてキックボードを選ぶ意味がないかなと思います。
ただし、ニッチな用途ではありますが、キックボードで離島を一周するような旅をする人も居るようなので、そういったチャレンジをするなら十分にトレーニングをつんで、長距離を走れるフォームや脚力を身に着けて挑むべきかなとは思います。
おなじような乗り方の乗り物にスケートボードがありますが、漕ぐ(プッシュ)ときにスケートボードがすっ飛んで転倒することがあるようで、それに比べるとキックボードはハンドルを離さない限り飛んでいくことはないので、転倒のリスクは少ないです。
でも、自転車のほうが体力を使わないで済むし長距離を走れるので、あえてキックボードを選ぶ理由もありませんね。
キックボードでないといけない場面があるとするならば、自転車に比べて遅くて体力をつかってでも、輪行の手間や負担を楽にしたい、それでいて10km程度の短距離の走行に限定した場面。
まさしく、僕のようなパックラフトで川下りをする際に電車やバスを降りてから川までの距離を徒歩よりも楽に移動したい…そういう限られた用途でなら、キックボードが輝きそうです。
僕は、パックラフトの川旅と組み合わせるために買ったので、当初はそこまでキックボードに愛着はありませんでしたが(最悪川に沈んでもいいと思って安物を買った)、こうして乗り続けていると、自転車の輪行に比べてかなり手軽かつ身軽で公共交通機関に乗り込めることと、立った姿勢で走る気持ちよさが自転車にはない魅力だと感じて、今は自転車と同じくらい好きな乗り物になっています。
今後は、もう少し長距離を走れるようにトレーニングをつんだ後、電車やバスと組み合わせてキックボードで旅ができたらいいなと思っています。