パックラフトにループパッチを取り付ける
昨年1年間パックラフトを乗ってみて、幾つか気になった点があったので、今年はそれらを改善してより快適な川旅をしたいと考えています。
パックラフトの船底には、座面に空気式の座布団状のシートがとりつけられていますが、脚を置くスペースは何もないので船底の布一枚ということになります。
水圧で押されてぶよぶよとたわんだり、底を擦るような浅瀬では船底越しに水中の石を踏んでしまったり、そのままの状態だとあまり快適な使い心地とは言い難い状態なので、多くの方はパックラフトの船底に合うサイズのエアーマットを用意して敷いて利用しているようです。
僕も昨年はエアーマットをいくつか試して敷いて使っていたのですが、なかなか好きな色がなかったり、濡れたり泥汚れのついた靴やサンダルで踏む用途として買うには少々高価であるため、なかなか気にいるものがない状態でした。
フットブレイスを取り付ける
長良川を下る際に貸してもらったパックラフトにフットブレイス(足置き)というものが取り付けてあって、それがとても使い心地が良かったため、それを自分のパックラフトにも取り付けることにしました。
空気を入れて膨らませる足置きで、船底の足先の方にはめこむために半月型をしています。
外れて流されないように固定するためのフックもついているのですが、僕が持っているパックラフトにはこのフックを引っ掛けるループがありません。
なので、ループを貼り付けて増設する小改造を施すことにしました。
加工の様子
ベストポジションを決めたらループパッチをテープで仮止めして固定しておきます。
接着剤の食いつきを良くするため、紙やすりで貼り付け場所を荒らします。
仮止めテープは左右に貼っておき、片面ずつ剥がしてずれないようにしながら作業するとよいです。
生地が頑丈でなかなか傷つかないので、木片や棒などに紙やすりを巻き付けて作業するとよいです。素手で擦り付けてもなかなか荒れません。
荒らしたら色鉛筆やペンで貼り付け場所を縁取りしてわかりやすくしておきます。
荒らす前に描くとツルツルで色鉛筆では全然描けませんでしたが、荒らした後だと描きやすくなりました。
ループパッチの貼り付け面も紙やすりで同様に荒らします。
こちらも柔軟な生地なので荒らすのはそれなりに大変です。
中心の縫い付け部分は縫い糸を切ってしまうので、触れないようにしておきましょう。
接着剤は耐水性があるAQUASEAL+FDというものを使いました。
ウェーダーやウェットスーツ、ゴムボートなどの補修にも使われるので、パックラフトの補修やパッチの貼付けにもつかうことができます。
いよいよパッチを貼っていきます。
接着剤のパッケージの厚紙を作業パレット代わりに、プラスチック部分を切り出してヘラ代わりにするとよいと思います。
接着剤を塗布する前に、貼り付け場所はゴミや油分の付着がないように拭き上げておきましょう。
僕はアルカリ電解水で拭きました。
貼り付ける船底とループパッチの両方に接着剤を塗布しました。
張り合わせたらしっかりと押して密着させます。
乾燥までに時間がかかるため、動かないようにテープで仮止めをします。
しっかりと仮止めをします。
図鑑や辞典で重しをして乾燥するまで放置します。
公称では乾燥までに約8時間ほどとのことです。
一晩置いて17時間程経過しました。
重しを外して仮止めしていたテープを剥がします。
しっかりと張り付いています。
AQUASEAL+FDは硬化すると若干ゴムのような柔軟性のある状態になります。
折ったり丸めて保管するパックラフトでも、この柔軟性があれば問題なく使うことができます。
貼り付けた際にはみ出た接着剤が少し不格好ですが、うまくやれば切り取って剥がしたりできるかもしれません。
今回は足元に隠れてしまう箇所なので、見栄えは気にせずにこのままにしておきます。
貼り付ける際の接着剤の塗布する場所を、はみ出ることを想定して少し内寄りに留めておくと綺麗に貼れそうです。これは次回の機会に活かすことにします。
ループにフックを引っ掛けて、しっかりと固定できることを確認します。
今回はあまり引っ張りの負荷がかかる用途ではないので、そこそこに張り付いていれば問題ないのですが、永く使いたいのでしっかりと張り付いているに越したことはありません。
まとめ
今回は、愛用のパックラフトに足置きを取り付けるため、固定用のループパッチを貼り付ける小改造をしました。
こうして自分好みに道具をカスタムしていくと、一層愛着が湧いて使うのが楽しくなっていくと思います。
パックラフトはまだまだ最近流行り始めたばかりの道具で、こういったカスタムのアイデアや補修の情報が少ないので、今後も情報を発信してシェアしていきたいと思います。