DとAのお忍び旅行の真相。

だいすけわたなべです。

三重に行ってきた。
津だ。
とても短い。一文字。
イサギが良くてかっこいい。

津に行ったのは2回目。
メジャーデビュータイミングに
キャンペーンでラジオに出るために行った。
その時はまなんとスタッフの人と。
今回は萬玉あいと2人で行った。

なぜMGKAI(エムジーケーエーアイ)と
2人で行ったか。
ナオトインティライミのライヴを
観に行くためだ。

先日ナオトさんに誘ってもらって
とあるパーティーで
はじめてちゃんとナオトさんと
話すことができた。
何年も前に大阪の野音でイベントで共演したり
ライヴサーキットでわざわざニコルズを
自分の出番の前に
観に来てくれたり
「ラジオで新曲聴いたよ♡いいね♪(´ε` )」
みたいなメールをくれたりして
事あるごとに気にしてくれていて
うれしかった。
そんなわけではじめてちゃんと話した時に
「だいすけ、今ひとりで47都道府県回ってるツアー、絶対観に来た方がいいよ」
と言われた。
自信がなければそんなことは言えない。
かっこいいとおもった。
行こうとおもった。

残りの公演のスケジュールを調べたら
三重か神戸しか行ける日がなかった。
少し躊躇した。

あいちゃんのお母さんは
生粋のナオトインティライミファンだ。
ノリコインティライミだ。
その影響であいちゃんも
アインティライミになった。
お母さんは3公演も観に行ったらしい。
ファンクラブにも入っている。
アインティライミは武道館に
ノリコインティライミと行ったので
三重と合わせたら2公演観たことになる。
ノリコインティライミも
「今回のツアー本当におもしろい」と
言っていたと聞いていたので
益々気になっていた。

アインティライミに
「三重か神戸、行くか?」
と聞いたら
「行きましょう」と言った。
「そういうばナオトさんて地元どこ?」
と聞いたら
「あれ?もしかしたら三重かも!」
と言うのでウィキペディアで調べたら
三重だった。
「これは三重だな」ということで
2人で三重公演を観に行くことにした。

メンバーとはいえ
10個以上も歳下の女の子と2人きりで
三重の津というなかなか渋いところに
旅行に行くのか、とおもったら
緊張してきた。
なるべく平静を装うように
3日前くらいから努めた。

ライヴの後に打ちあげがあったら
参加したいな、とおもい
マネージャーの方に確認したら
基本的に打ち上げはないです、との返答。
そりゃそうだ。
体調管理もしなきゃだし
次から次へと街から街へと
移動しなきゃならないわけだから
いちいち打ち上げてる場合じゃない。
それでは終演後に挨拶だけでも
させてもらいたいですと伝えた。

すでに武道館を観たアインティライミに
どれくらいの時間のライヴだったか
確認したところ
どうやら終演後に東京に新幹線で戻るのは
難しいようだった。
さらに緊張が走る。

泊まりだ。

そして当日。
行きの新幹線はEXでボクが予約した。
品川駅であらかじめ発券したチケットを
待ち合わせ時間に現れたアインティライミに
渡した。
先に改札を通ったアインティライミに続き
颯爽とEXのカードをタッチして
改札を通ろうとしたらひっかかった。
どうやらボクの方も発券しなければ
いけないようだった。
「2人分のチケットを取るのははじめてだからなー!あはは!」と
かっこ悪いところを見られたのをごまかした。

新幹線の中で
トイレのあるデッキに出るための自動ドアを
手で開けようとしているアインティライミに
「自動だよ」と
優しく教えてあげたことで
ポイントは復活した。

名古屋から特急に乗り換えた。
その車内でネットでホテルを探した。
また緊張が走る。
ダブルの部屋しか空いてなかったら
どうしよう。
ボクは必死に探した。
はじめは名古屋で探したけど
安いところがみつからず
せっかくなので津に泊まることにして
探しはじめた。
「せっかくなので」という表現が
変な誤解を招いたかも!とおもい
後悔した。
見つけたホテルに津で降りてから電話した。
おばさんが出て部屋の料金を聞くと
ネットで見たより高かった。
「ネットでは◯◯円だったんですけど」
と言うと
「確認したところ、それでいいですよ」
との返答。
案外ちょろいなとおもい
「取れた」と
アインティライミに告げると
「ありがとうございます」と
またポイントを稼げた。

宿を確保したのでひと安心して
歩きながら会場に向かった。
するとアインティライミの歩き方が
なんだか変だった。
そういえば新しいスニーカーを履いていた。
「どうした?」と聞くと
「靴擦れになりそうなんです」と言うので
「え!靴擦れしそうなの!?」と驚くと
リアクションのデカさを笑われた。
「バンソコ買った方がいいよ」と言うと
「大丈夫です」と言われた。
貯めたポイントが全部なくなった。

ライヴは最高だった。
ひとりであんなことできる人は
ナオトさんくらいじゃないかな。
スタッフのみなさんのサポートあっての
ことなんだろうけど。
とにかくすごかった。
「おもしろい」というのは
やっぱり大切だし
素晴らしいことなんだと再確認した。
地元ということもあり
とてもあたたかい雰囲気でよかった。
三重まできてよかったとおもった。

無事に挨拶もできた。
アインティライミも緊張しながら
思いの丈を伝えていた。
ボクとナオトさんの写真を撮る手が
ぷるぷる震えていて
「あかん、手が震える」と言っていて
爆笑しそうになったけど
ポイントがマイナスになるのが怖くて
必死に我慢した。
ナオトさんはライヴ後にも関わらず
とても優しかった。

12月29日には名古屋ドームで
4万人を集めてライヴをするらしい。
最大キャパだそうだ。すごい。
きっと満員になるだろう。

ホテルに一度チェックインした後に
近くにポツンとあった店で
ねぎ焼きと焼きそばを食べて
ビールで乾杯した。
「そういえばさっきコンビニでオレ、やきそばパン食べたな」と言いながら
やきそばを食べていたら
「あ、すんません」
と注文したアインティライミに
謝罪させる形になってしまった。
その時、ボクは確信した。

よかった。
これで今夜、間違いが起きずに済む、と。

アインティライミは先にホテルに戻り
ボクは泣きながら津の街を歩いた。
歩いても歩いても目の前の雨は止まず
「おい、だれかオレの目にワイパーを付けてくれよ」夜の街に向かってつぶやいた。
だれからも返事はなかった。

チェックアウトして
津から特急に乗った。
かつてないくらいに車内では
アインティライミが饒舌だった。
まるでボクを慰めるかのように。
その話の内容は
ナオトインティライミとわたなべの
似ているところ。
だったり
ナオトインティライミのすごいところ
だったり。
そして話はなぜか最終的に
ライヴのMCでどういう感じで
アインティライミがボクに絡んでいくのか
いいのか、という
極めて真面目な内容に至った。
おもしろいMCとは、を
2人で真剣に話し合った。
ボクは
「ツッコむんじゃなくて、オレが変なこと言った後に一言ぽそっと客席に向かって何か言うパターンがいいんじゃないか」
ともっともらしいことを言い
電車は名古屋に着いた。

駅のホームできしめんを食べた。

「きしめんて、あったかいんですね」

アインティライミは
新幹線を待ちながら言った。

「うん」

「冷たいのもあるのかとおもってたら何にも言わずにあったかいのが出てきてびっくりしました」

「そっか」

「はい」

ボクとアインティライミの距離が
縮まったのか
もしくは以前より離れたのか
考えていたら新幹線は品川に着いていた。


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