「癖」
だいすけわたなべです。
いま広島から新幹線で東京に戻ってます。
金曜日はラジオでした。
聴いてくれたみんなありがとう。
5年目ですけど毎週楽しいです。
土曜日はツアーの静岡公演。
しずぎんホール ユーフォニアというかなりでかいホールでした。ソールドアウトでした。
静岡でのニコルズ の勢いは止まりませんね。
しかし、あぐらをかいたりせず、この大きな波紋を全国に広げられるようにがんばります。
はじめて観てくれた人もたくさんいて、
来てくれたみんなありがとう。
日曜日はGO OUT関西。キャンプフェス。
スチールの森という会場の野外のステージ。
スチールって何なんでしょうか。
GO OUTにおけるニコルズ の浸透度もかなりのものになってきましたね。ありがたい。
これからも呼んでもらえるようにがんばります。GO OUTのおかげで色々なイベントからもお誘いがあったり、モデルの仕事もさせてもらったりして、本当にうれしいです。
モデルの仕事は子供の頃から憧れていたので。うそです。
親からは、あんたは将来モデルだね、と
言われてきたので。うそです。
子供の頃、寝癖がひどかった。
天パだから朝起きるとだいたい爆発していて大変なことになっていた。
小学生の中学年くらいになるとちょっと、マセてくるので、毎朝寝癖を直してから学校に行っていた。
その直し方が、今思い出すとかなり原始的だった。
蒸しタオル。
冬ならストーブの上に乗ったヤカンのお湯をタオルにかけて、少し冷ましてからしぼって、それを寝癖のついたところに当てて直していた。
今だったら、髪の毛を濡らしてドライヤーでブローすれば一発で寝癖も直ってセットもできるが、我が家は蒸しタオルだった。
蒸しタオルだとなかなか完全に寝癖は直らない。「えー!直ってないじゃん!いやだよ!」と言うと、母ちゃんはオレに
「あんたのことなんか誰も見てない!さっさっと学校行きなさい!」と一蹴した。
ニキビがたくさんできて悩んでいた中学生の時もそうだった。
「あんたの顔なんか誰も見てない!行ってこい!」と。
そういえば、我が家にはドライヤーはあったのだろうか。風呂上りには、今でこそドライヤーで髪の毛を乾かすが、そんなことをしだしたのは、本当に30歳過ぎてからくらいな気がする。「ブロー」というのがどういうことなのかを、ちゃんと理解したのは最近な気がする。まぁ、ちゃんと理解できているかはわからないが。
子供の頃は風呂あがりに髪を乾かすのは、夏ならタオルでぶわーっと拭いた後はほったらかし、冬は湯冷めするからという理由でストーブの前で四つん這いになって頭を乾かした。近づきすぎると髪の毛が燃えるからいつも適当にやって、「はい、おしまい!」とパジャマの上にちゃんちゃんこを羽織ってコタツに入ってテレビを観た。
父親と母親がドライヤーをしていた記憶がない。どうだったんだろう。
まさか、親もストーブで乾かしてたのかな。
そんなわけないよな。あったんだろうな、ドライヤー。
散髪も母ちゃんがやってくれていた。
中学生になってはじめて家の近所の理髪店に行くまで、ずっと。
ブルーのシャカシャカに包まれて新聞紙を敷いた上で髪の毛を切ってもらうのが好きだった。
ポカポカして、ウトウトしちゃうこともあった。髪の毛を切った次の日に学校に行くと、みんなに「あ!髪切った!」と言われるのも好きだった。「えへへ」と言って笑った。
で、月曜日は神戸の三宮mintの前でリリース記念のイベント。タワレコのインストアイベントね。まぁ、外だったからアウトストアだったわけだけれども。時折強く吹く風も、行き交う人の視線も冷たくて、ゲボ吐きそうになったけど、観に来てくれたみんなのおかげで楽しかったです。ありがとう。
そこから広島にひとりで新幹線で行って、広島FMの「9ジラジ」にゲスト出演。HFMのみなさん本当にいつもありがとうございます。オオクボックス、えもっちゃん、ありがとう。
コメント収録も1本やらせてもらって、なんとインタビューしてくれたのは屋形さんでした。屋形さんはHFMのすごい人。ニコルズ をデビュー当時から応援してくれてます。なかなか深い話ができたので、放送をお楽しみに。
路面電車で駅まで戻り、ホテルにチェックイン。近くにあったお好み焼き屋でひとりでビールとお好み焼きをやっていると、店におじさんがひとり入ってきた。「うい!どうも!」とやたら明るくお店の人に挨拶するので常連かと思ったら違った。「お客様、5名様ですか?」と店員の女性が言った。「いやいや、ひとり。ひとりですよー」とおじさんは愉快に答えた。なぜ5人だとおもったのかな、と考えてよくよくおじさんを見てたら、どうもどうも、とやっている手が開いていて5本指の「5名」のサインに見えた。なるほど。それを見て、5名様だとおもったのか。でも、店員さん、よく見てよ。完全にひとりじゃん。お好み焼きをおじさんよりもひと足お先に食べているとおじさんはボクの隣の席でひとりでずっとなんか喋っていた。お好み焼きが遅くてイライラしてるのか、指でテーブルをトントンしていて、それにボクはイラついた。おじさんは店員を呼ぶと「いま何時?」と聞いた。よほどはやくお好み焼きを食べたかったんだろう。ボクが食べ終わる頃におじさんのお好み焼きが来た。「これ(マヨネーズ)はお好みでね?そういうことね?」と店員に聞いてマヨネーズをかけながら、「これはね、メタボの元だけどね、メタボの」と言っていた。メタボの元をかけ終わると、店員をまた呼び、「ナイフとフォークちょうだい!あと小皿ね!」と言った。クセがすごい。「これじゃないとね、食べられないんだよね〜」と言いながらナイフとフォークでお好み焼きを食べはじめた。ボクは席を立ってお会計をしてホテルに帰った。ベットに腰掛けながら、あのおじさんに蒸しタオルを乗せてくればよかったとおもった。