ボラティリティの数値の意味
本日は、市場でも良く使われる単語「ボラティリティ」について復習してみたいと思います。現在、ロシアのウクライナ侵攻、米国のインフレ等により相場が不安定な状況となっており、「ボラティリティが激しいね~」とかよく言われておりますよね。
ボラティリティの意味自体は、「価格変動の度合い、大きさ」と言われておりますが、詳細についてはネットにも色々情報がありますのでそちらに譲りたいと思います。今回はボラティリティの数値が示す意味について説明していこうと思います。
ボラティリティと言えばVIX指数が有名
ボラティリティというとVIX指数を思い出す人が多いと思います。「VIXが30%超えたので相場は波乱だ~!注意が必要だぞ!」なんて、Twitterでも見ますよね。
VIX指数はS&P500の銘柄のオプションのIV(インプライド・ボラティリティ)を元に集計したものであり、オプションのIVは権利行使価格が下がれば下がるほど上昇する傾向があるので、S&P500が大きく下げた場合にVIX指数が跳ね上がります。よって、日本語では恐怖指数とも言いますよね。
では、ボラティリティが20%であった場合、その意味は分かりますでしょうか。なんとなく、20%以下だと平穏な相場で、35%超えると変動が激しい相場である程度の理解の方も多いのではないでしょうか。
ボラティリティが20%とは
結論から先に言います。
これを見て何かピンときませんか?特に68%という言葉に。もっと言えば、今後1年間に株価が±40%に収まる可能性が96%という意味でもあります。そうですボリンジャーバンドの1σ、2σの数値ですよね。つまり、ボラティリティはその株価の標準偏差のことなんですね。
例えば、日経平均先物が27,000円の時に、ボラティリティが25%だったとしますと、今後1年間の間に日経平均先物が27,000円の±25%(±6,750円)に収まる可能性が68%であるという意味になります。よって、1年後には20,250~33,750円くらいに収まる可能性が68%程度あるわけです。
1日の変動率は
ボラティリティの数値を意味はわかりましたが、1年後の株価変動率を知った所で…というのが正直なところです。米国株オプションはLEAPSという満期が1年以上のオプションもありますが、通常は満期は1回/月です。Weeklyオプション等もありますので、とりあえず、今日はどの程度動く?今週は?って感じではないでしょうか。
1日のボラティリティは下記で計算ができます。
実は、こんな簡単な計算で1日のボラティリティが計算できます。先ほどの日経平均先物の例で説明すると、ボラティリティが20%であるので、16で割ると1.25%となります。つまり、日経平均先物の本日の変動率は、±337.5円となるわけです。
この16という不思議な数値の意味を説明すると、1年間は365日ですが、相場が開いている時間は土日等を除くとだいたい250日くらいでしょうか。標準偏差は、時間の平方根に比例するということがわかってますので、仮に1年間を256日とすれば、その平方根は16となります。要するに、1年間を相場の稼働する営業日で割った数字になるわけです。
まあ、本当に詳細に検討するのであれば、正しい営業日を計算する必要はあるのですが、そもそも厳密に求めたとしても確率は68%なんでね。あまり細かく考える必要はないかと思います。
ちなみに、3日間のボラティリティを調べたい場合は、1日のボラに√3をかければ求めることができますし、1週間であれば√5をかければOKです。
ボラティリティの使い方の例
オプショントレードでボラティリティを利用する場合は、その権利行使価格のIVを用いて計算するとよいと思います。
IVについては、別の機会に説明をしたいと思いますが、簡単に説明すると実際にトレードされたオプションのプレミアム価格をもとに計算した数値になりますので、IVとプレミアムは比例するという性質をもってます。
例えば、ある株のATMのIVをもとに1週間の変動率を求めて、そらに外のOTMのオプションを売って、ショートストラングルを組むとか、その変動率が低いと考えるであれば、ロングストラングルを組んでみるとか、そんな感じでしょうか。
まとめ
本日は、ボラティリティの数値の意味について復習してみました。案外、よく使われる単語ではありますが、数値の意味まで理解している人は少ないかもしれませんね。
数値の意味を理解することで、具体的にどの程度変動しそうかを予測することができるので、すぐに16で割って1日あたりの変動率を計算する癖をつけたいですね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!