さばえまつり、決起集会を開催します
2月3日にさばえまつりやるよ宣言をしてから半年超。ついに今週末9月14日(土)、さばえまつり決起集会を開催することになりました。多くの方々に足を運んでいただきたく、このポストを書きます。
さばえまつりは、わかりにくいプロジェクトなのだろうと思います。いまさら新しいイベント?という感覚もあると思います。そのわかりにくさは、ひとつは(あるいは大部分は)僕の力不足ゆえだと思いますが、一方でこのわかりにくさは、さばえまつりがその「過程」に重きを置いていることから来ているのだろうと思います。
さばえまつりが大事にしたかったのは、これまであまり関係してこなかったような人々が集い、出会い、関わりあっていくこと。それゆえ、外側に可視化されてくるものよりずっと、僕たちはその過程のところに力を割いてきました。その結果、何をしているのか、何が起きているのか僕自身もよくわからないまま、さばえまつりのLINEグループの参加者は200人に迫り、20を超える各企画への参加者数は延べ500人を超えました。10月19-20日のお祭り当日には、西山公園には70を超える「つくり手」が集う予定です。企画を持ち寄る人々はいまイッココをマッココでスココンノコーンしようと、その熱をじわりためているところです。
そこからは確かに、ぽこぽこと”なにか”が生まれ始めています。例えば、鯖江駅前に新しいシェアハウスが立ち上がり、コミュニティ拠点「まつりのいえ」として住み開きが始まっています。馬喰町バンドの武徹太郎さんは鯖江にすでに二度滞在して、制作滞在をしてくれました。その過程から、鯖江駅東口近くにつくる拠点「オープンスタジオ」が生まれ、そこで5日続けられたワークョップからは、龍めいたものが誕生しました(これは一体なんなんだろう?)。その龍をつくる過程で、その場には繊維の端材や紙管、漆桶といった鯖江中の余剰リソースが集い、廃材の新しい活用可能性が浮かびあがるきっかけにもなりました。
当日の光景も、少しずつですが立ち上がりつつあります。西山公園のど真ん中にやぐらが立ち、それを囲むように飲食店が立ち並ぶ予定です。鯖江出身の東京の大学生がDJイベントを企画してくれています。最近鯖江に戻ってきたばかりの方が、台湾茶のお店を出してくれるそうです。高校生たちが、子ども向けのワークショップを企画してくれています。鯖江の名の由来は「弓矢」だというところから、窪田さんが弓矢をつくるワークショップをやってくれるようです。さらにはイッココマッココスココンノコーンをモチーフにした新しい音頭が生まれ、みんなでやぐらを囲んで盆踊りをする予定です。
その過程で起きたことは、美しいカテゴリに分類することもできないし、なにゆえになにが生まれたかを整理することも難しいです。なにが成果か、なにを目指しているのか、うまく言葉にできません。はじめにやろうと思っていたけれどもできなかったことも多々あります。全く予想していなかったこともいくつもあります。そのせいで、あるいは僕の言語化する力のたりなさゆえに、うまくみなさんにさばえまつりの意味を伝えられていないことも確かだと思います。うまく信頼を築けていないこともあると思います。その点については、自身のちからの至らなさを強く感じる過程でもありました。
それでもさばえまつりは、あるいはそうであるからこそ、これまでと異なる人々が出会い、これまでにつながらなかったもの同士が、出会い、つながり、そのことのなかから何かがぽこぽこと生まれてくる。その偶発的なプロセスを、わずかながら、実現させてきたように思います。
さばえまつりは、そういう場です。良いお祭り、フェス、マルシェで生まれるだろう景色と比べれば、さばえまつりは見劣りするかもしれない。イケてる飲食店がずらり立ち並ぶとか、回りきれないほどのクラフトショップとか、めちゃくちゃいいアーティストが何組も来るとか、さばえまつりはそういう場ではない。けれどもそのぶん、当日生まれる景色も、おそらくあんまり他のお祭りでは見たことのないようなものになると思います、そうできればいいなと思っています。ともにつくっていくお祭り。あんまり場所や年齢や背景にこだわらず、みんながやぐらを囲んで盆踊りをしたり。サンバを叩きながらまちを練り歩いたり。鯖江の廃材を使ってドレスアップをしてみたり。そういう場になればいいなと思っています。
いま僕が言葉にできるのはこれくらいのものです。観念的な力強い言葉を並べることができない。さばえまつりはひとつひとつの小さなエピソードの積み重ねでしかない。わかるようでわからない出来事、でも僕はそれが豊かさなのだと思っています。目的論的で線形に向かう美しいベクトルと比べて、あまりに泥臭くて、雑多で、複雑で、よくわからいものたちの連なりあい。さばえまつりはそういうものとしてある。あるいは、祭りとは、豊かなまちとは、僕にとってそういうものです。
9/14土、13:00-15:30の日程で決起集会を開催します。よければ僕たちと一緒に、”なにか”の過程を目撃する共犯者になってほしい。僕たちがやろうとしている”なにか”を、隣で見ていてほしい。もちろん10/19-20のさばえまつりも、予定をあけておいていただきたいです。
どうぞよろしくお願いします。
【決起集会 / 寄り合い vol.08】
・日時:9月14日(土) 13:00-15:30
※ 15:30-17:00同会場にて懇親会有
・場所:アイアイ鯖江多目的ホール
〒916-0022 福井県鯖江市水落町2丁目30−1
・参加方法:参加無料・途中参加/退出可
当日参加可、予約優先。参加者数把握のため、以下よりお申込ください。 https://peatix.com/event/4113612/view
【スペシャルゲスト】
多田 智美さん
1980年生まれ。編集者。2005年編集事務所MUESUM設立(2014年に法人化)、2021年に出版社・株式会社どく社設立。「出来事の創出からアーカイブまで」をテーマに、アートやデザイン、建築、福祉、地域にまつわるプロジェクトに携わり、紙やウェブの制作はもちろん、建築設計や企業理念構築、学びのプログラムづくりなど、多分野でのメディアづくりを手がける。共著に『小豆島にみる日本の未来のつくり方』(誠文堂新光社、2014)、『ローカルメディアの仕事術』(学芸出版社、2018)など。2008年より京都芸術大学ファクトリーBYEDITディレクター、2022年より精華大学非常勤講師。