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モノクロの君へ。第一話「虐め」
こんばんはDutakaです。こんかいはモノクロ君へ。という楽曲の小説を軽く書いていきたいと思います。一気に書くと長くて読みにくいと思うので、小分けにして出します!
注意
(この話はフィクションです。あと自分は小説を書くの初めてなので読みにくい箇所あるかもしれませんが温かい目で見ていただけると嬉しいです)
「〜であるからして、ここは…となりま…。それで…」
先生の声が教室中に響いている。今は2時間目の数学の時間だ。ふと気になって横を見てみた。横の席の君は相変わらず、下を向いて本を読んでいた。その赤色の瞳には底しれない孤独が写っていた。
〜キーンコーンカーンコーンー〜
授業の終わりを告げる鐘が響くと先生は終わりの挨拶を告げるとそそくさと教室からでていった。
その様子を見届けたあと僕はすこし君の方に身を乗り出して
「ねぇ…。」
と勇気を出して声をかけた。君は机をガタッと揺らして驚くとゆっくりその赤色の瞳を上げた。彼女の赤い瞳はアルビノという先天的なものからきているらしく、髪の毛も肌も普通より白い。
僕はそんな君の瞳と髪色が美しくて好きだった。
白い髪の毛に映える赤く冷たい瞳。それがまるで一つの芸術作品のように僕には見える。
「…くん。…ど…かしたの…?…何か用?」
というか細い声が右耳から聞こえてきて僕は妄想の世界から帰ってきた。僕は慌てて取り繕うと
「いや、いつも本読んでるけど何の本読んでるのかなって…。気になっちゃって…」
僕はたどたどしく言った。これは表向きの理由で本当の理由は君と話がしたかっただけだ。すると君は少し微笑んだ。初めて笑顔を見た気がした。でもその笑顔は本心なのかわからない。
「この本は…。『シークレットプレイス』っていう本だよ。」
そう言うと君は裏表紙を見せてきた。そこには「これを読んだ人はかならず人間不信に陥る世界三大奇書の一つ。」みたいな不気味なことが書かれており、僕は思わず顔をしかめてしまった。そんな僕を見て君は目だけを細めて笑った気がした。
そんな様子を周りは冷たい目線で見ていた。
そしてその後は特に会話を交わすことなく、終礼を迎えた。横から指す夕日を君の白い髪の毛が反射して眩しかった。そしてまた君は下を向いて本を読んでいた。その姿からはどことなく恐怖が感じられた。先生は気づかないのだろうか。そう思っていたが、筆箱やノートを巧みに使って隠しているためかバレていないようだ。僕はそんな君をただ見ていた。
「……さん!何ボーッとしてるんですか!?」
という声ではっとすると視線が僕に集まっていた。僕は恥ずかしくなって顔を伏せた。先生はやれやれ…。という様子で僕を咎めることはしなかった。
終礼が終わると、恒例行事のように君の周りに人だかりができていた。終礼のあと自分達の学校の先生は会議をしているので見回りに来ることはない。だから放課後になると君の周りに集まる。その様子はまるで一つの白い美しいはなに集まるコバエのようだった。
彼女は虐められている。その白い髪と赤い瞳、人より白い肌のせいで虐められている。そしてそれを知っている人たちもみな見て見ぬふりをしている。僕もその中のひとりだった。
いつものように、君はただその円の真ん中で縮こまっていた。周りの人はみんな「タヒね」とか「なんでお前色白いんだよ。気持ち悪い。」という暴言のほか、「これ食えよ。」とそのへんに落ちてたハエの死骸を口に持っていこうとしてる人もいた。
僕はいつものようにそれを無視をしようとして帰ろうとした。そんなとき、
「今日横の席のあいつと話してたよね?お前が人と話していいと思ってるの?化物が。」
という暴言が聞こえてきた。僕はそれを聞いた瞬間なにか複雑な感情が浮かび上がってきた。そして気づいたら君を囲む円の中心に居た。
僕が円の真ん中に乱入すると一瞬で静まり返った。そして冷たい目線が僕に刺さった。
僕は何か言うわけではなく君の手を握ると走ってその場から逃げた。
第二話へ続く。
(本編に出てきたシークレットプレイスは架空の図書で一切現実とは関係ありません)
最期まで読んでくれた方ありがとうございます。